10話 弟子入り
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夕方になって日が沈み始めそうな時、馬車は森の中を少し行ったところで道がなくなり、止まった。
僕は着いたのかと思って周りを見渡したが家らしきものはなく、どう言うことだろうと考えているとオルグレンさんが声をかけてきた。
「ここからは歩きだ、ルートくん。1時間も歩かないから安心していいぞ。」
そう言われたが、それは裏を返せば1時間に近い時間を歩くようでオルグレンさんも日が暮れる前に着くといいなと呟いていた。
そして1時間後、あたりは薄暗く、僕は道が分かるらしいオルグレンさんにとにかくついて行き、森の中を歩いていると木がない開けたところに出た。そこには家があって、やっと到着かと思った。
「ここがエレナさんの家なんですか?」
僕は一応オルグレンさんに確認を取る。
「そうだ。ここまで遠かっただろう。さっさと家に挨拶しに行こう。」
そう言って家のドアをノックすると、少しして中から70歳くらいに見える女性が出てきた。
「ほう。あんたがオルグレンとサリアが言ってた無属性使いか。」
「はい、そうですけど...」
「育て甲斐がありそうなやつじゃのう。こんなに素質がある奴は久しぶりに見たわい。」
僕はそう言われて素直に嬉しかった。
世界一の魔法使いと呼ばれる人に素質があると言われたことに。
「もう夜だし、そろそろ家に入ってもいいですかね?」
オルグレンさんがいつになったら入れるのかと聞いた。どうやら、元気そうに見えて結構疲れているようだった。
「そうじゃのう。馬車での移動は長かったろうから、今日は飯を食べて寝なさいな。さぁさぁ、家に入りなさいな。」
家に入るとリビングからいい匂いがした。どうやら、夜ご飯を作っておいてくれたみたいだ。
「ルート、はじめに聞いておくが私に弟子入りするのは誰でもできるが、大体は特訓を耐え抜く覚悟がなくて挫折してしまう。それでも私に弟子入りするか?」
「僕の魔法は無属性魔法という世界で唯一のものです。僕の覚悟は無属性魔法を使えると分かってからずっと決まっています。だから、僕は最後まで師匠に弟子入りします。」
「お前の覚悟はよく分かった。お前を弟子として認めよう、ルート。」
こうして僕はエレナさんに弟子入りしたのだった。師匠が言っていた言葉の意味が分からないまま。
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