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74話:πちゃんタイム

生きてます。

遅くなって申し訳ありません。

次は多分大丈夫なはずです……そう思いたい……。


強敵とかとかにロックドッツの情報を乗せておきました。別に読まなくても大丈夫です。

 じぃ、と見続ける。


『ルナライト』

・月光が集まり形を成したと言われる宝石。光や炎を吸収し増幅させる性質を持つ。それはさながら、陽光を浴びて輝く月の如く。


 ……元々『ルナライト鉱石』だったのが『ルナライト』になったのは、まあ周りの岩がソフィの火炎によって溶け落ちたおかげとして。いや、まあ、それはそれでどういう構造してんだよっていう話ではあるけどもさておき。


 見つめても睨んでも、どうやら観察結果に変化はないらしい。変化どころかなにひとつとして違和感を感じられない以上は、これがちゃんと正真正銘、ロックドットとは関係のない純粋なルナライトと考えていいんだろうか。私の目もそこまで万能じゃないけど、でもここまできて擬態し続けるっていうのも不可解な話だし。


 とはいえ、そう考えると、なんで取り出す前まではちゃんとコアだったはずのこれが取り出したら大人しくなるのかっていうのが分からないんだけど。なんなら取り出したあとに一戦交えるくらいのつもりでいたのに、火が収まるまで待っても全然動き出さないっていう。


 ああでも、竜を更生してたロックドッツが全部バラバラのロックドットになって蠢いてて、そっちの処理がそれはそれで大変だった。まあロックドッツならぬロックドットズ、なんなら積み重なってる分動きにくそうなそれをほんとに『処理する』っていう感じで一方的に虐殺していくだけだったから、どちらかっていうと面倒っていう感じだったかな。


 で、それを終えて。


 火が収まって、観察し続けてみて。


 それでもどうやらなんともなさそうだと、判断したところで。


「じゃー入れるよー?」


 一番耐久力とSTRが高いということで、代表してスズがルナライトをインベントリに入れることにする。万が一飛びかかってきてもスズなら即死しないだろうけど、即座に反応できるようにとみんなは警戒態勢だ。一応鎖でがんじがらめにしてあるし。


 そんな中、スズがまったく気負いなくルナライトに近づいていって。


「えーい。おっ、あったかー!」


 わあぉー!と目を輝かせて、そしてルナライトは消えた。

 ……うん?


「おぉー!ゲットだぜー!」


 インベントリを覗き込んできゃいきゃいはしゃぐスズは、みてみてー!と嬉しそうにウィンドウを共有してくるけど……うん、入ってる……えぇ、っていうくらいになんか、すごいあっさりしてるなあ。っていうか、重量これ27ってあのサイズで?そういえばきらりん普通に運んでたし、でもこれは軽すぎやしないだろうか


 まあ、運びやすい分にはいいけど。


「えっと、じゃあ、え、あれ?終わり?」

「私の感知できる範囲にはなにも」

「けっこーあっさりっすねー」

「ん」

「ひょうしぬけですの」


 なんだろう、なんというか、この、うん……まあ、うん……なんだろ、ほんとあっさりしすぎててちょっと戸惑いをあんま隠せてないけど、まあ、ね。


 それなら、それとして。


「で、どうやって帰ろうねこれ」


 っていうか帰れるんだろうかこれ。

 え、真の敵は密室とかいう……?


 なんていうのは、杞憂だったらしい。


 探索したら普通に出口があった。

 あったっていうか、なんだろう、近づいたら急に壁が崩れて穴が空いた感じ。その穴を通って行ったらなんか大きめの通路に出て、かと思ったら通ってきた穴は崩れてなくなってしまった。多分脱出のためだけに空いたんだろう。

 でも、よかった。みんなで仲良く心中するのを強要してくるとか、そんなまさかなあとか思っちゃったよね。まあちょっと惹かれるものは正直あるけど、それはちょっとゲームとしてどうなんだっていうね。


 ともあれ、そんなこんなで無事に脱出して。


 そしてその足で、πちゃんのところに向かう。


 なんかもう、なんなら終わったときから少しずつドキドキしてきてたんだけど、今はさらにこう、なんだろ、やばい。ゲームの中とはいえπちゃんに貢げるっていうこのシチュエーションが結構もう、なんかほんと、感動ものだ。


 そんなワクワクドキドキが伝わってしまうんだろう、露骨にみんなの空気が悪くなるのを感じつつも、めいっぱい撫でて可愛がるくらいしか私にできることはなかった。幸いにして鎖戦士にボールっていう護衛みたいなのも連れてるし多少は気を抜いても問題はないと帰路がほとんどなでなで道中だったおかげで、少しはみんなの機嫌も治った風だったけど。


 だったんだけど、πちゃん。


 だめだよもう、ほんとそういうの……。


「遅かったわね!?この私をいつまで待たせるつもりだったのかしら!?」


 街に通ずる門の前、多分というか間違いなく私を、じゃない、私たちを待っていたらしい、腕を組んで憮然としていて、かと思えば私たちを見つけるなり一瞬まなじりがさがって安心したような表情になって、でも直ぐにちょっと耳を赤くしながら表情を引きしめて、でもほんのちょっとうずうずしてるのか足のつま先の方にちょっと体重が寄ってて、そんな状態で私たちが目の前にくるなりあんなことを言われたらもう、いやいや、ほんとそれはずるいって……。


 なんかもう、色んな感情が溢れそうになって、でもそれをなんとか抑えて、なんだろう、いっそ命からがらぐらいの心持ちで、辛うじて私は言葉を返す。


「お待たせ、πちゃん」

「ぅ、」


 するとπちゃんはなんだか気圧されたみたいに身を逸らして、でも直ぐに気を取り直して私をきっと睨みつけてくる。


「わ、分かったならさっさとこの私に貢ぎなさい!?はりあっぷよ!?」


 そう言われたら、もちろん勿体ぶるつもりもない。

 とはいえこんな入口でっていうのもなんだから、ひとまず試験場へ移動する。


 道中ロックドットとの激戦の話に花を咲かせてみたりしつつ、そしてついにみんなが苦労して手に入れたルナライトのお披露目のときがやってきた。


 むすっとした様子のスズにお願いして、ルナライトを試験場の床に取り出してみせる。


 途端、落ち着かなさげなつま先とかサン・オブ・ジャスティスの柄をさする指先とか平均して一、二割増えた瞬きとかちょっと深まった呼吸とか2mmくらい上がった口角とかちょっと大きくなってる心音とか、そんなふうに明らかにわくわくしていたπちゃんが、すんっと無表情になる。


 そして無言でルナライトに近づくと、色んな角度から観察して、観察して、観察し始める。


 その隅々まで、奥底まで、全てを見通そうとする、視線。


 ずるいなあと思う反面、でもπちゃんが嬉しそうでよかったなあとかによによしそうになる表情筋を、みんなの冷ややかな視線のおかげでなんとか律する。

 でもしかたないと思う。πちゃんが鉱石を検分してる姿は、なんというか、かっこよくて、可愛くて、たまらなく、ああ、好きだなあって、そう思ってしまうんだから。


 願わくはその目を、熱を、愛を、私に向けてほしいと。


 言葉になんて、死んでもする訳はない。

 それでも溢れる気持ちが多分身体の端々から出ているんだろう、みんなの機嫌が露骨に悪くなっていることに申し訳なくは思うけど、これでも頑張ってる方なんだから許してほしい。それとも、だからこそっていうのもあるのかもしれないけど。



 そんなこんなで、みんなをなでなだめつつπちゃんを見守っていると。


「ちょっとあなた!?」


 しばらくして、πちゃんは満面の笑みとともにそのきらきら輝く瞳を向けてくれた。 

 無邪気な笑顔にほっこりとする私だったけど、πちゃんは私たちを見るなり顔をしかめてしまう。


 そして、憮然とした表情で舌打ち一つ。


「ちっ……まあ、なかなかいいものを持ってきたわね」

「喜んでくれてよかった」

「っ、まあまあよっ!」


 ぷんすこと怒りマークを飛ばしてくるπちゃん、そっぽを向いた耳が赤いのは興奮のせいか、それとも他に意味があるのか。個人的には少しでも照れとかそういうものが含まれてくれてると嬉しいんだけど、まああまり図に乗らないようにしとこう。


 ああでも、どっちにしても可愛いなあ。


 なんて思ってると、横目に私を見ていたπちゃんがきっ、と睨みつけてくる。


「なによその目は!?」

「πちゃんは可愛いなあって」

「馬鹿言ってるんじゃないわよ!?」


 至って真面目だったのに馬鹿呼ばわりされた。

 照れ隠しだといいなあとか思ってるうちに、πちゃんはルナライトをインベントリに回収してしまう。


「とにかくこれは貰っておくわよ!この調子で最高の素材をこの私に貢ぐことね!?」


 それからそう叫ぶと、πちゃんはまるで逃げだすみたいにして街の方へと走り去ってしまう。止める間はたぶんあったけど、あいにくみんなが非協力的だったおかげで取り逃してしまった。もう少しお話していたかったんだけど、まあ、仕方ない。


 気持ちを切り替えて、みんなを見回す。


「さて、そろそろいい時間だよね」


 探索だけかと思いきやロックドッツなんていう強敵との戦闘があっちゃったおかげで、結構時間が経っている。幼いソフィにあんまり夜更かしさせる訳にもいかないからと、労いタイムを経てからログアウト。


 そういえばπちゃんはいつまで続けるつもりなんだろう。

 あんまり無理はしないでほしいなあ。


 ■


 翌日。

 ひとしきりきらりんとイチャイチャする平日。最近お仕事がよりいっそう楽しすぎてもうなんか幸せ。仕事内容とか微塵も記憶に残ってないけど。でも一応ちゃんとタスクはこなせてるっぽいからまあいいよねっていう。


 そんなこんなを経つつ、その日の夜。

 ログインしたら、目の前にはπちゃんがいた。


 ああ、うわあ、どうしよ、すっごい嬉しい。

 とっさに抱きつきかけたのを抑えられたのは奇跡だと思う。


「きたわね!」

「うん、こんばんは」


 むんっ、と腕を組んで仁王立ちするπちゃんに笑顔を返す。

 大体の時間を予想できるにしてもまさかピンポイントで狙える訳ないだろうし、きっとしばらくは待っていてくれたんだろうと考えると、なんかもう、大好き。


 だからこその笑顔だった訳だけど、πちゃんは露骨に気味悪がってちょっと身を引いてしまう。自分でやっといてその反応なんだからちょっと酷くないかなあと思うけど、なんだろう、ほんのちょっとこれまでの行いを省みるくらいはした方がいいかなとか、思わないでもない。


 さておき。


「……来なさい、すぐ終わるわ」

「え、あ、待って待って」


 気を取り直したπちゃんがそう言ってスタスタ歩いていってしまうから、慌ててそれに続く。当然のように既に揃ってるみんなも一緒だ。というかまあ、慌ててもなにもお姫様抱っこだし。


 にしても、なんだろう。

 武器の約束はまだ明後日のはずなんだけど、それともルナライトに関してなにかあるんだろうか。わざわざ、多分試験場に向かってるってことは、多分そういう関係のことだと思うんだけど。


 そんなことを考えつつやってきた試験場には、ああ、うん……。


「ぃようてめぇら」


 ニヤニヤと笑うエースさんが、待っていた。

 もちろんπちゃんは、それを当然のように受け入れている。というか元々待ってたんだろう。

 むう。


「うわでたっす」

「つれねぃなぁきらりぃん?」

「うっせっすばーか」

「やかましいわよ!」

「おっとぅお、すまねぃなぁπよぅ」

「黙ってなさい!私が主よ!」


 ……むむう。


 私のものに、そんな気安くしてほしくないなあ。


 ……とか。

 一瞬でも考えた自分が、嫌になる。

 πちゃんは別に私のことを好きとか、そういうんじゃない。

 だからこんなのはお門違いも甚だしくて、そんなこと、分かってるんだけどなあ。


「それでπちゃん、どうしたの?」


 これ以上考えたらちょっと気分悪くなりそうだったから、ちょっと強引に話題を進める。一欠片の苛立ちも嫉妬も乗せない、それくらいは当然にできる。だけどやっぱりきらりん以外のみんなには気付かれてしまうけど、πちゃんにさえ気付かれなかったらそれでいい、


「愚問ね!受け取りなさい!」


 声をかけた途端に興奮気味に応えたπちゃんは、なにやら操作をする。

 ひょいひょい、と動くその指を追うと、どうやらナツキさんになにかを渡したみたいだけど。


 まさか?


「完成した、ということでよろしいでしょうか」

「ざっつらいっ!よ!」


 どうやらやっぱり、武器らしい。

 それならエースさんいらないんじゃないかなとかちょっと思うのを見ないふりして。


「明後日の約束じゃなかったっけ」

「特急で作ってやったわ!もちろん性能に妥協はないわよ!?」

「もちろんπちゃんの腕を疑うことなんてないけど、なんでなっちだけ?」

「私のクランに雑魚は必要ないのよ!」


 雑魚って。

 ナツキさんも方向性は違えど結構えぐいと思うんだけど。


 とはいえまあ、言いたいことは分かる。

 ナツキさん本人も、ほんとに特になにも感じてないみたいでウィンドウを眺めているし。


 つまりπちゃんはきっと昨日のロックドッツと戦う話を聞いて、攻撃が全然通らなくて大変だったっていうのをなんとかしようと頑張ってくれたんだろう。だからこそ、この中で明確に有効な武器を持ってないナツキさんを強化する方針にしてみた、とか?

 確かに、それは結構助かる。

 初期装備の弓矢ですら結構な働きを見せるナツキさんがまともな武器を手にしたらそりゃあ戦闘効率は跳ね上がるだろう。痒い所に手が届くというか、なんというかほんとπちゃんが専属でよかったなあと。


 ともあれそういうことなら是非もない。

 さっそく、ナツキさんの新装備をお披露目してもらうことにする。


「さあ早く装備してみなさい!」


 なんて言われずとも、一通り詳細に目を通したらしい、ナツキさんはそれを装備してみせる。


 もともと装備されていた弓と矢筒が光に消えて、その代わりその背に負うのは、やっぱり弓。白っていうよりは白銀……いやでも白寄りの、白々銀っていう感じの金属っぽいボディ。それもただの丸括弧みたいな形じゃなくて、それを二つ交差させたみたいな形をしている。両端を結ぶ弦がXを描いている感じ。だからシンプルに厚さ?が二倍なんだけど、そのうえなんか全長も1.5倍くらいになってる気がする。パッと見は結構重そうだし、使いにくそうっていうのが正直なところだ。


 だけど、まあ考えるまでもなくπちゃんがそんなくだらないミスをするわけもなく。


 手に持ったり構えてみたりして感触を確かめていたナツキさんはしばらくして、驚いたような、だけど確かに満足したような表情でπちゃんに視線を向ける。


「ちょうどいいですね」

「当然よ!」


 言ってる割にすごい嬉しそう。可愛いなあもう。

 もしかしてあれナツキさんの手に合わせて作ったんだろうか、そうだとしたらなんかもう最高すぎて言葉にならないんだけど。


 とか思ってると、ナツキさんは「ですが」と若干の戸惑いを見せながらもう一つインベントリから取り出した。


「これは、どういうことでしょう」


 そう言って差し出すのは、なんだろう、長剣にしては柄が長いし、槍にしては柄が短い、そんな武器?だった。ああでも、短槍なら……でもにしては今度は刃が長すぎる。柄と刃部分、ほとんど同じくらいあるし。


 これもナツキさんの武器なんだろうかと首を傾げていると、πちゃんもうなんかすごい可愛く、誇らしげに胸を張って言う。


「当然、矢よ!」


 矢。

 矢、らしい。


 唖然としていると、πちゃんはぐっとこぶしを握りながら熱く語りだす。


「それこそが単発火力の高い弓矢という命題に対する一つの完成形だと自負しているわ!持ち運べるバリスタをコンセプトにサイズと速度を全力で追及してやったわよ!?銘は『ペネトレイター』!万物を穿つ白銀の大弓!そして精鋭たる白『シャープネスホワイト』!とはいえシャープネスホワイトは10本しかないわ!普通の矢も放てるから使い分けなさい!?全身金属骨格の上に弦は金属を限界まで細くしなやかに加工してより合わせた張力抜群の特性ワイヤーを使用してるからそれでも十分威力は出るわ!魔導具の技術を応用したアシストによって苦せずして引けるどころか射出時にも矢に対して加速効果まで与える優れものよ!もちろん耐久実験は十二分にしてあるから負荷で壊れるなんていう未来は永劫こないと断言してやるわ!シャープネスホワイトの方も当然容易く挫けるようなやわな鍛え方はしてないわ!果てしなく鋭くありながらも硬く揺るがないという奇跡の一振を十も用意できるのはひとえにこの私の力量故よ!?もちろん近接武器としても使えるわよ!一応短槍のカテゴリになっているわ!そんじょそこらの武器とは比べものにならないわよ!遠距離武器を作りながら近距離すらも手中に収めるこの私の発送が我ながら恐ろしいくらいよ!?さあ褒めたたえなさい!この私をっ!」


 もちろん言われるまでもなく全力で褒め殺すつもりでいた。

 ……のはまあ私だけだったみたいだけど、でもみんなも若干おざなりではあるけどやんややんやと褒めたたえる。


「もっとよ!まだ全然足りないわ!」


 私以外がしらーっとしてて、エースさんすら引き気味なことにも気づかないでいい気になるπちゃんほんと可愛い。というか、ひそかに頭を撫でてみたのに気づかれなかったんだけどこれいいんだろうか。これまではすぐ払われてたのに。さては油断してるのかな?


 ああほんと、可愛いなあ。


 ■


 《登場人物》

(ひいらぎ)(あや)

・こじらせ気味な二十三歳。すっげえ今更感。πちゃんと絡ませると途端に面倒な人間になりやがるこいつ。しかもそういう嫉妬とか独占欲隠すの下手すぎて(恋人連中基準)即行バレて周囲にまで伝播するっていうね。あやサーの姫的な。


柳瀬(やなせ)(すず)

・あやがπちゃん撫でてるの見て結構イライラしている二十三歳。武器紹介でスズが白けてるのは結構やばい気がします。しかも自分であやをπちゃんを撫でられる距離まで望むまま連れて行っているんだと考えると苛立ちも一入。ほんとはここでナツキさんと一緒に武器用意しようかなあとか思ってたのだけれど、別にいらんくね?ってなって予定通り後回し。


島田(しまだ)輝里(きらり)

・エースさんがいたら反応せざるを得ない二十一歳。あやからすればそういう友人関係とかは敢えて干渉するようなものでもないんだけれど、あんまりあやを蔑ろにしてたら酷い目に会うぞ。気をつけろ。とりあえずπちゃんがいないときにエースさんと会うのは避けた方がいいかもしれないなあ。


小野寺(おのでら)(あんず)

・密かにπちゃんの扱いに困ってる十九歳。あやからだけ一方的に好きでπちゃんの方は未だ本心から拒絶中という結構稀なシチュエーション、ライバルが増えるのは気に食わないけどあやが悲しむとか我慢するのはなしと考えるとπちゃんから自発的に精神的距離をとってビジネスライクな付き合いにしてもらいたいところだけどなんか立ち位置中途半端だからどうアプローチすればいいかよく分からない。ただ、徐々に懐柔されつつあるというのだけは分かるから困る。


沢口(さわぐち)ソフィア(そふぃあ)

・そろそろπちゃんのリアル特定しだしそうな十一歳。犯罪、ダメ、絶対。まあさすがにナツキさんが止めてくれます多分。いやあるいはノリノリか……?警察沙汰にはならんとええな……。まああやが本気でキレるリスクがあるからそうそう手は出さないけど。         


如月(きさらぎ)那月(なつき)

・ついにまともな装備をゲットして戦力としての立場をゲットした二十四歳。初期装備で岩を射抜けるやつが自重で岩を裂けるレベルの切れ味と人力の限界を超越した射出速度を得た。これあったらロックドッツとか初手からコアぶち抜きで終わってたよね多分。というか戦術の幅広がったように見せかけて補助的役割ぶん投げて一射一殺のスナイパーになっちゃうから実質パーティの脳筋化が加速しただけっていう。


天宮司(てんぐうじ)天照(てらす)

・昨日から寝てない二十二歳。ロックドッツ戦開始の時点から居ても立ってもいられなくて街の前で待機してた。そんなところにルナライトなんて貰っちゃってこれは頑張るしかねぇ!と水分と栄養補給のための短期ログアウトを覗いて延々AWやってた模様。ナツキさんの装備は、まともに言えなかったお礼の代わり。お前さてはコミュ障だな……!


藤咲(ふじさき)(かなで)

・そこに居るだけな二十三歳。エースさんですよ。考えてみたらこの人πちゃんの助手ってことは準レギュラーくらいのところにいるんですよね。いや、まあさすがに姉妹丼は……。


さて、今日はどこを探索させてやろうか。

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