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58話:初体験

強敵とかとか更新しました。

まだ先に語られることとかちょっと書いてありますが、よろしければどうぞ。

 このエリアではどうやら、おぞましいなにかが起きたらしい。

 とりあえず分かったことといえばそれくらいで、そしてそれが分かったからなんだということは特になく。つまりまあ、部屋を漁ってみた結果特に得るものもないらしいということが分かった。いや、気になる記述ではあったけど、記憶の片隅に留めておく以上の価値は多分なさそうだなあって。その点、ナツキさんとかアンズあたりが余裕でこなしちゃうだろうし。


 さておき。


 一通り漁り尽くしてから、最初に入ってきた扉の、その正面にある扉から部屋を出る。

 その向こうは、まあデジャビュどころじゃない見慣れた景色。ただなんとなく、この血痕にもちゃんとした理由があるんだなあと思うと、より生々しく見えるようでちょっといやだった。


 できれば早いところ違う景色が見たいなあと、そんなことを思いながらさっさと進む。


 いまいちこの牢獄の存在理由が分からないんだけど、というか敵も出ないし景色も変わらないわりにめちゃくちゃ広いってそれそもそもゲームとして大丈夫なんだろうかっていうくらいだけど、どうなんだろう、進んでみたところでなにか意味のあるものを発見できるんだろうか。これで端っこは壁とかだったらとんだくたびれもうけというか、もう今後来たくなくなる程度には腹が立つ。実際どうかはさておいて、どっちにしても端っこに着く前になにかしらは欲しいところだ。別に雑談のネタには困らないんだけど、せっかくならゲームの内容で楽しみたい。


 なんて思っていると、視界の向こうにまた例の部屋っぽいものが見えた。

 またかーと呆れる半面、今度は一体どんな日記があるんだろうかと少し気になりもするのは仕方のないことなんだろうか。今度はぜひ全年齢版でよろしく頼みたいところだけど、はてさて。


 どっちかなとか思いつつ、到着。

 室内はやっぱり四等分、それぞれ個性的な内装が……あれ?ここは血濡れじゃない……なんでだろう。あっちとは違って平和だった……というより、なんだかあっちの四人は特別みたいな感じで書いてあったし、むしろこの状態の方が普通っていうことなんだろうか……。


 まあいいや。

 そんなことより、家探し。綺麗な方が漁りやすいくらいに思っとこう。思考が野盗のそれだけど知ったこっちゃないやもう。


 で。


 探してみたけど、残念ながら日記とかそれに準ずるものはなかった。

 仮に看守だっていうなら日誌のひとつでも書いててほしいところなんだけど、考えてみればさっきのとこにもなかったしもしかして看守じゃないんだろうか……いや、まあ看守じゃないけどこんな部屋を与えられてるとか、それこそ意味分からないけども。


 なんて文句を言ったところでないものはないから、念入りに漁ったところでもうきっちり諦める。私はともかくアンズとかきらりんとかナツキさんが見つけられないなら、多分それはつまりどこにもないということなんだろう。


 うーむ。

 いっそのこと一旦ログアウトして探索し直した方がいいかなぁ。



 ―――なんて。



 諦めにも似た思いは、だけどあまりにも時期尚早で。

 運がよかったのか、それとも悪かったのか。

 それは分からないけど、まあなんにしても今更になって。


 ようやくそれは、私たちの元に訪れた。


「……音」


 初めに気がついたのは、アンズ。

 ちょうど広場に差し掛かったとき、不意に立ち止まって右手を向いて。

 つられた私は、そして闇の向こうにそれを見た。


 ひた、ひた。


 耳を澄ませば聞こえる程度の、ホラーにでもありがちな肌の張り付くような薄い足音。だけどその身体は静かな足音に似つかわしくなく巨体と呼ぶべき代物、酷く猫背で前のめり、にも関わらず天井に届きかねないほどで、さぞここは歩きにくいんだろうなと、そんなことを思ってみたりして。


 それは、人型をしようとしていた。

 しようとした結果どうやら失敗してはいないようだけど、少なくとも人形(ひとがた)と言うには歪すぎる。


 とはいえそれは、頭が二つあったりはしないし、腕がうじゃうじゃ生えていたりもしないし、足だって二本の二足歩行、もちろん人ならざるなにかが付いてたりもしない。

 例えばシルエットだけ見れば、それは人の(かたち)をしている。


 だけどそれは明確に人ならざるナニカだった。


 複眼を思わせる群れを成す左右非対称色とりどりの目、歪み閉じられ開き舌なめずりする多種多様な口々、幾本もの手足が絡み合い繋がり合って纏まった四肢。


 全てのパーツが人間のそれなのに、それを複数の人間を強引に纏めたことによって人外以外のなにものでもなくなった異形。

 これまでに遭遇した実験体とは明らかに異なる存在感。

 否応なくぞわりと背筋を凍らせる程の圧倒的な異質。


 それはひたひたと近寄ってきて。

 いくつもの目が私たちを捉えて。


 そして言う。


 口々に。


「見つけた「見つけた「見つけた「見つけた「見つけた「見つけた「見つけた「見つけた「見つけた「見つけた「見つけた「見つけた「見つけた「見つけた「見つけた「見つけた―――


 波のように広がる囁き。

 私たちを順に追う目が、ぱちくりと瞬きをして。


「「「「「「「「「「「「殺さなくては」」」」」」」」」」」」


 そして異形の巨体は、踊るように駆けだす―――


 ■


 ひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたりたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひたひた―――


 軽くトラウマになりそうな程に続く静かな足音、だけどそれは現状私たちが出せる最速の布陣、つまりはアンズがきらりんにおぶさっての全力疾走に平然と追従して、それどころか下手すればたやすく追いつかれてしまうほどの速度で連なる。

 アンズの魔法連打も意に介さず、その速度は一瞬も衰えることはない。攻撃によって生まれた外傷だって、瞬く間に塞がってしまうし。

 幸いなのは曲がり角を曲がるのが苦手らしいということと、走り方がぎこちないということだろうか、もしこれでまともな走り方ができるような相手だったら今頃私たちは死んでいたのだろうと思う。いや、思うというか死んでた。現状最高の瞬間火力を誇るアンズの魔法連打をここまでぶっちぎってくる相手とまともにやり合って勝ちの目なんて見える訳がない。私が魔法を展開するまもなく引き潰されるだろうことは、ほぼ確信みたいなものだった。


 というか、なにがやばいって一体ですらどうしようもなくて逃げ回るしかないような相手が複数存在しているっていう事実がやばい。

 これまで影も形もなかったのは一体なんだったんだっていうくらいに広場とかで視線を巡らせると普通に歩いてたりするんだけど、ちょっと意味分からない。

 幸い今のところ最初のやつ以外には発見されるとこまでいってないけど、これがもっと増えたらとか気づかなくて突き当たっちゃったりしたらとか考えると軽く絶望ものだ。死ぬしかない。


 ……なんというか、控えめに言って窮地。

 追ってくる怪物と逃げ回る私たち。

 とりあえずナツキさんの案内に従って部屋ベーターに戻ろうとしてるところなんだけど、そもそもあの部屋ベーターは使えるようになっているのか、あと使えるにしてもまだこの階に止まっているのか。不安要素を考えだしたらキリがないと、分かっているけど思考はネガティブに沈んでいく。


 いやいや、でもこれどう前向きになればいいんだろう。


 殺意高すぎて笑えてくるんだけど。


 いや笑えないわこれ。

 やばい、ヘタなホラーよりよっぽど怖いんだけどこれ……。


 なんて思っていても、さすがは優秀揃いなみんなだから、なんだかんだと死にかけつつも、全員無事に生きたまま部屋ベータの前まで到着する。


「リコットさん!」

「■■■―――」


 きらりんに言われるまでもなかったんだろう、アンズは全力で魔法を解き放ち、魔力弾幕で怪物を……うわ、あれでも吹き飛んだり倒れたりしないんだ……とはいえそれでもよろめくぐらいはしてくれたおかげで稼いだ時間の隙に先行したきらりんが扉を開いて、そしてみんなで部屋ベーターに駆け込む。


 うわ復帰はやっ、ていうかこれ間に―――


 ガドゥンッッッ!


 間一髪、ゔぃんと閉じた扉が、凄絶な衝突音を奏でる。

 うへぇ……。

 部屋ごと揺れるってどんなパワーしてるんだろうと戦々恐々しつつ、それでも凹みすらしない扉に安堵する。角柱の光は依然として赤くてどうも使えなさそうではあるけど、今のうちに他の扉から出ればとりあえずまくくらいは―――


 ゔぃん。


「え」


 な、え、なんで扉が、そんな、なん……いや、嘘でしょ?

 なんであんな怪物がそんなエンブレム持ってるの!?


「パスッ!」

「え、わっ」


 スズが私を後ろに投げる。

 くるくると視界が回って、ナツキさんにぽすっと受け止められた。


「スズッ!」


 悲鳴じみた声を上げて視線を向ければ、スズは鎧を纏って一人怪物の前に立ちはだかって。


 無謀だと思った。

 それだけは絶対に嫌だと思った。


 それでも、これまで確かに私を守ってくれた背中に、安心感を覚えたのも確かだった。

 楽観していた訳じゃない。

 だけど、だけどスズがどうにかなるなんて、そんなこと、露ほども考えられなくて―――


「ぐ、」


 果たしてスズは、耐えてみせた。


 苦悶の声を上げながら、だけど一歩も引くことなくその巨体を受け止めている。

 これならもしかすると時間をかければ打倒することもできるかもしれないという希望が芽生えて。


 そんなことを思った、直後。


「え、い、あぐっ……!」


 その背が、倒れてゆくのを見る。


 なんということはない、一度力を抜いてバランスを崩すというありがちな方法を、相手がやってきただけのことで。

 ただそれだけで、スズはあまりにも軽々と転がされた。



 がんっ!がんっ!がんっ!


「あぎっ!?うぐっ、ぐぁっ!?」


 がんがんと。

 繰り返し繰り返される踏みつけ。


「ぃ、ぎぁ、がひゅっ、」


 巨体に踏みつけられて、呻いて、スズが、スズ、が、なのに、なんで誰も、どうして私は、だって、こんなの―――


「―――ユア姫」


 耳元で。


 アンズの声。


 言葉すら出ない引きつった喉で、それでもなんとか、なんでもいいからスズを救ってくれるんじゃないかって、そんな期待を込めて、願って。


 聞き返そうとして。


 ふ、と。


 視界が消失する。


 かと思えば、身体の感覚がなくなって、ふわりと浮かんだような、不思議な感覚を覚えて。


 そして世界は光に満たされて―――


 ■


 ずぶ。


 心臓を貫くのは、刃よりも鋭い手刀の一突き。向けられる視線に温度はなく、ただ邪魔なものを除去するだけの行為だとまざまざと伝えられるようだった。その背後からは嫉妬というものにも近い、けれど致命的に異なる穢れ淀んだ邪悪が覗いている。


「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ―――――――――!!!!」


 踏みつけられながら絶叫するその視線は殺意に満ちて、遮二無二振るわれる四肢が異形を打ち据えるが、そもそもその程度でどうこうなるのだったら杏とて今のような状況を望みなどしない。


「――――――え」


 ただ一人状況を理解できないとばかりに間抜け面を晒す嘘つき(・・・)に、杏はそっと嘲笑を向ける。今この瞬間ただ一人だけ致命的に間違っている人間を哀れなどとは思わない。不快すらも感じない。ただただ下らないと、嘲笑う以上のものではない。


 杏は綾を殺した。

 正確にはそれは所詮『ユア』という名の虚構でしかないのだが、綾の様子を見ていればゲームを現実の一側面のように捉えていることは明らかだった。


 故に綾にとってそれは自らが綾を殺したという認識に相違ないだろうと、杏は確信していた。


 しかし殺した。

 故に殺した。


 この状況から収束に至る道筋のほとんどが全滅に繋がっていたからこそ、殺される前に。

 それは至って当然の帰結であり、疑う余地などありえない結論だった。

 正直なところ、杏には綾を殺してみたいという願望は多少あった。それは当然殺意からくるものではなく、単に少し不安になることがあったから。杏からしてみれば綾の存在というものは世界の全てでなくとも中心であって、だからそれがなくなったときにちゃんと自分は死ねるのだろうかという不安。とはいえそれは綾にとって幸福でないことを理解しているが故に、現実では試すことなどできようもない。そんなときに絶好の機会が訪れたためつい無意識的に動いてしまったというのも、理由としてないではないのだった。

 結果として、自分の手ではないとはいえ、杏はちゃんと死ぬことができた。もし仮に那月に心臓を貫かれていなかろうとも、自分は意識するまでもなく首をへし折って死ねただろうという感触もあった。

 つまるところ、杏としては満足のいく結果であった。

 もちろん、これはそんな自己満足のための行為ではない。

 綾も喜んでくれるという確信があった。

 窘められることはあるだろうが、それはさておき自分の狂った愛情を受け取って綾は喜ぶこと間違いなしだった。杏の脳内では、そのときの綾の表情が、文言が、なんパターンもなんパターンも走馬灯よりも巡り巡っていた。


 これが紛れもなく正解のひとつだと、疑う余地などありえない。


 あらゆる全てを投げ打って綾を守ろうとする鈴も正解。死に際に愛を囁かれるのかもしれないと思えばそれはひとつ望ましくもあるが、現状の『リコット』ではそれが不可能であることを杏は理解している。


 綾のため身命を賭して、それでもままならないときに初めて綾を殺すという選択を選ぶだろう那月も正解。まるで良いとこ取りのような都合のいい選択肢ではあるが、杏は自分という綾にとっての人格がそれに向かないことを知っている。


 自分と同じく綾を殺して、そして綾の手で死を望むソフィアも正解。きっと綾は願えば自決を受け入れるだろう、十分に勝算はあるし、綾の手で死を与えられるというのはきっとなにごとにも変え難い幸福なのだが、如何せんそれを成すには時間が足りない上に、時間を稼ぐにしてもかなり労力をかけるだろうと考えると後手に回る可能性が高いと、杏は危惧していた。


 そんな中でただ一人、輝里だけが間違っていた。

 この状況をどうすべきか、どうすれば相手を打倒できるか、生存の単位をパーティに置く輝里だけが致命的に間違っていた。そもそも前提として、綾以外のことを思考の中心に据える時点で既に間違っている。

 だからこその嘘つきで、そのことに気づいていないのなど本人だけ(・・・・)なのだろうと杏は思っている。そんな相手に、嘲り以外のなにを向けろというのだろうか。


 実際のところ、杏の思考はそう間違ったものでもなかった。

 どう転んでも綾は死んでいたろうし、強いて間違いを挙げれば実は那月はすぐに殺すか後で殺すかで僅かに悩んだため対応が遅れたのであって、ともすればこの貫手が綾に刺さっていたかもしれないというくらいだろうか。


 どちらにせよ杏は、そんなこんなで、思惑渦巻く死地において、見事に正解を勝ち取ったのだった。


 ただひたすらに綾のことだけを想い、なによりも綾が自分のことに幸福を感じてくれることだけを望む杏の、面目躍如といったところだろうか。


 満足げに微笑んで、杏は消える。


 あとに残るのは、絶叫と、嫉妬と、混沌と、困惑。


 それら全てがこの場所から消えるのは、ほんの数秒後のことだった。


 ■


 《登場人物》

(ひいらぎ)(あや)

・祝!初デッドな二十三歳。どんな死亡ルートを考えてみたところで必ず最初に、それも身内にやられて死ぬのはもはや運命みたいなものだった。頑張ればどうにかなるとかそういうことを信じてない上に所詮ゲームと端から視点がメタい若干三名のせい。こりゃお説教ですな。いやもちろん、アンズの目論見通り気持ちは嬉しくて終始によによしちゃうんですけど。


柳瀬(やなせ)(すず)

・久々に鎧着たと思ったらサラっとぶっ倒されやがった二十三歳。お前が倒されんかったら勝率高かったんだけど、倒された瞬間に確定全滅ルート入った。このパーティそこそこ強いなあとか思ってたけど、領域なしだと壁一枚の上紙装甲ばっかりだからアンズの弾幕抜けれるタフネスあるだけでわりと簡単に瓦解させられることに気がついたのはスズが倒された後だった。圧倒的手遅れである。実は領域って凄い重要なんやなって。あやの死亡を直視して精神が瓦解したから、覚醒が一気に近くなった気がする……いやむしろ過保護度上がって遠ざかるか……?まあなんにしてもちょっとスズにも心境の変化はありそうですよね。


島田(しまだ)輝里(きらり)

・仲間外れ感すごい二十一歳。いっそアウェイ。あやを殺した意味も分からないし、あやを殺したアンズが即座にナツキさんに殺されてるのも意味が分からないし、そこら辺が気になってスズ程のリアクションがとれる訳でもないっていう。マミさんとかの年上勢(ナツキさん除く)とはまた違った意味で常識人抜けてないせいですね。いや、そりゃあ普通たかがゲームで死ぬくらいにそんな大袈裟に考える方がおかしいですよ普通。ええ、普通。そんなだから親友なんだてめぇはよぅ。


小野寺(おのでら)(あんず)

・あやを殺して大勝利な十九歳。お祝いがてら主軸において三人称。なんやかんやと考えてますが、つまり『敵にやられるくらいなら私がやってやる』という危険思考。それが共通するっていうんだからあやの恋人って頭おかしいやつ多いですね(今更)。もう先の展開とか見るまでもないんだからさっさと殺して終わらせてやるぜとかいう超過激派。スズが転んでしばらく眺めてるだけだったのは脳内シュミレートのせい。どう殺してやろうか、みたいな。


沢口(さわぐち)ソフィア(そふぃあ)

・あやと殺し合いっこできなかったのもそうだしアンズに横からかっさらわれてかなり淀んだものを溜め込んでいる十一歳。なんかもう総力上げて抹殺してやろうかとも思うけど、まだ今の好感度だとさすがにあやに絶縁させられそうでできない。無理やり手篭めにするのは敗北の証だと思ってるらしい。にこやかに混沌を抱いたまま死にましたとさ。


如月(きさらぎ)那月(なつき)

・大人しく殺しとけばよかったと大後悔な二十四歳。まさかあんな過激派がいるとは思わなかった(おまいう)。別に殺したいという積極的な理由はなくて、ただ自分以外のやつに命を許すのが絶対に赦せないという独占欲のようなもの。想いの差が勝負を分けたか。

別に絶対勝てない強敵とかじゃあなかったんですけど、相性と運が悪すぎた感じですね。

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