55話:堪え性のなさが酷い
不定期といっても、基本はこんな感じで朝方に投下するつもりです。
目標、金属付きな実験体。
とはいえ取捨選択みたいなことはせず、区別なくサーチアンドデストロイには変わりない訳だけど。それに個体によっては、こう、肉の中に金属部分が隠れてたりするから、見た目だけで判断するのも非効率的だし。
つまりまあ、目標があったところでやることは変わらない。
部屋を移る。
殲滅する。
拾う。
以下繰り返し。
敵がちょっとずつ強くなってるとはいえ、どうも相性が悪いっぽいさっきのパーティと遭遇しないようにとアンズがかなり気を回してるくらいで、それ以外は半ば単純作業じみた探索道中。ときおり他のパーティに遭遇してすごい視線を頂戴したりするけど、まあもう今更だし……。
そんなこんなで、探索は続いて。
そして私たちは、ちょっと異質な部屋と遭遇した。
異質といっても、ぱっと見は相変わらず実験室。敵も同じように実験体。殲滅時間もそう変わらなかったし、まあだから、私は最初気がつかなかった。
だけど多分、アンズやナツキさんは普通に最初から気がついていたんだろう、戦いが終わったところで、アンズが言う。
「扉がない」
「あー!それっす!」
アンズの言葉と、それにスッキリしたように声を上げるきらりんに、私は首を傾げる。
扉がないって、いやいや、私たちが入ってきた扉と合わせて四つもあるじゃないかと。
「んー?」
「どういうことですの?」
「んにー?」
どうやら分からないのは私だけじゃないらしい、揃って首を傾げていると、ナツキさんが言う。
「正確には、扉が足りないのですよ」
なんじゃそりゃあと話を聞いてみると、それはこんな意味だった。
長方形の部屋、その長い方の辺の端っこの扉から私たちは入ってきた。
そして扉は同じ辺のもう片端と、短い辺の端っこにそれぞれ設置されている。
一見それで特に問題ないっぽいんだけど、ナツキさん曰く入って正面の辺にも扉がなければならないらしい。
言われて思い返してみれば、確かにこれまでの部屋でこの扉の位置から入ったときは正面にも扉があったような気がするけど、それはつまりどういうことなのか。
「……確かなことではありませんが、恐らく、この向こうにはナニカがあると思われます」
「その心は?」
「この部屋は、恐らく結界の手前なのです」
「え?」
私なんかは自分がどこにいるのかとかもう全然分からないけど、ナツキさん曰く扉のない壁の向こう、あと二部屋ほどで例の無人エリアを囲む結界に触れるはずだったらしい。
城の規模と街の大きさから逆算して、結界が仮に直方体であると仮定した場合らしいけど、それにしてもどういう頭をしてるんだろう。アンズは多分そうだろうっていう予想をしていたらしくてうんうん頷いてたけど、さすがにきらりんもそこまで思い至っていた訳ではないらしい、軽く引いてた。
というかそもそも私は、私たちが城の真下を目指していたらしいということを初めて知った。
確かにまあ、目指してみる価値は十分にありそうな目標ではあるけど、方向感覚すごすぎじゃないだろうかみんな……というかナツキさんとアンズ。戦闘で割とごちゃごちゃ動いてるはずなのに、訳が分からない。
さておき。
私ごときの頭脳が及びもつかない領域のことはまあ丸投げすることにして、深く考えるのはやめた。一応言いたいことは分かったから、ナツキさんが想定している結界の面と並行に移動していく感じで、とりあえず結界の面の中線を目指してみることにする、らしい。相変わらず私はどっちがどっちかとか全然わからないからナツキさん曰くなんだけど、まあ、多分きっと間違ってないんだろうなあと。
そして実際それは間違っていなかった。
今度は私にも明らかに分かる。というかまずそもそも、実験室的な趣すらなかった。
通路だ。
今度は道の脇が透明だったりもしない、至って普通の白い通路。
その向こうには多分左右に開くんだろう、ちょっと大きな扉が設置してあって、当然のように角柱が添えられている。
絶対これなにかあるよね。というか、むしろこれでなにもなかったら怒っていいレベルだと思う。
思えば北の森では亀、南の山ではπちゃん、西の塔では最怖さんと行く先々で強敵が待ち構えてる感があるんだけど、はてさてこの東ではエースさんがその役だったのか、それともこれから遭遇することになるのか……まあ辺りの雑魚のレベルからして、亀とか最怖さんみたいに圧倒的にレベル足りてない感じではない……といいな。
楽しみ半分、警戒半分くらいな感じで、扉を開くためにエンブレムを翳す。
ゔぉん、と音が鳴って、あれ、だけど開かない……?
なんだろうと思っていると、なにやら扉の向こうでごぅんごぅんと音がしているような。
かと思えば、ごがん、と一際大きな音が鳴って、扉が開く。
その向こうには、正方形の部屋。
扉はその一つの辺の真ん中にあって、ちょうど向かいと左手側の同じ位置にもう二つ扉がある。私が間違ってなかったら、ナツキさんの言う結界側に扉がないっぽい。
そしてその中央には、見覚えがあるというか見飽きてすらいる角柱。
……あー、うん、なるほど。
「また部屋ベーターかな」
「今度は奇襲とかなさそうっすけどねー」
まあ、あの肉塊とかがエンブレムをかざして扉を開くっていうのはかなりシュールな光景だし。
それでもなんか扉を開けっ放しにしているとちょっと不安だから、さっさと部屋に入る。
そして早速部屋ベーターを作動させようと、するところで扉のひとつが開く。
すわ奇襲かと振り返ってみると。
「お、姫さんじゃんか」
「わぁ、また会っちゃいましたぁ」
「……奇遇だな」
「ちっ」
なんとも見覚えのある三人組、大槌ちゃんと布団子ちゃんと侍さんだった。
アンズ舌打ちしない。
というか。
「ひ、姫さん?」
「おう!痛い人はのーたんに怒られたからなー。姫っぽいし!ダメか?」
どうやら含みなんていうものは欠片もないらしい、こてんと首を傾げる大槌ちゃん……『ユズキ』ちゃん。
なるほど単に素直すぎるだけらしいなんて納得しつつ、首を振る。
「いえ、まあ、別にいいですよ」
「なら姫さんで決まりだ!」
なんてニカッと笑うユズキちゃん。別にプレイヤーネームを呼んでくれてもいいんだけど、まあ、いいや。どうやらみんなも、それなら満足らしいし……いやそれもどうかと思うけど。なんでそんな嬉しそうなんだろう。
「……ユア殿」
「え、あ、はい」
「失礼。我はのーたん。しがない辻斬りだ。のーたんと呼んでくれ」
「あ、はい。ユアです。どうも、また会いましたねのーたんさん」
「うむ。奇遇だなユア殿」
よってきた侍……いや辻斬り『のーたん』さんと握手を交わす。
しがない辻斬りを自称するプレイヤーネームのーたんとかそこそこ爆発力あると思うんだけど、まあ、なんかすごいいい人っぽいしそっと流しておこう。二人の付き合いで始めた保護者枠みたいな空気がすごいぷんぷんするのはきっと気のせいじゃない。
「そしてこの可愛い方がユズキ、布団な方がきょーりという。二人とも挨拶をしなさい」
「よろしくな姫さん!」
「よろしくしてやりますぅ」
「うむ」
いや、片方うむじゃないと思うんだけど……まあ、いいや。
「えっと、ユアです。よろしく。それでこっちは、あー、こっちの元気なのがリーンで」
「褒められた!よろしくー!」
「こっちの静かな子がリコット」
「……よろしく」
「それでこの可愛い子がきらりん」
「か、かわっ、う、ぇ、よ、よろしくっす!」
「あとこっちのクールな人がなっちで、なっちがおんぶしてる子がゾフィっていうんだ」
「よろしくお願い致します」
「どうも」
うーむ。
なんかこう、どことなく空気が冷ややかというか。いや、まあ、割と単純なスズときらりんはなんとかなったとして、アンズ、ソフィ、ナツキさんときょーりちゃんとの間に明らかに不穏な空気が漂っているというかなんというか。
……ま、まあどうせ別に一緒に冒険する訳でもないんだし、とりあえずさっさと進むことを考えることにしよう。
「のーたんさんもこの部屋ベーターをお使いに?」
「へやべー……おお!なるほど、素晴らしい名付けではありませぬか。我々も使っても構わぬだろうか?」
「え、うん、どうぞ」
別にそんな感激するほどのものでもないと思うんだけど、のーたんさんは凄い嬉しそうに表情を輝かせる。
「感謝する!うむ。然り、我々はとりあえず進めるところまで進むつもりであるからして、ぜひともこの部屋ベーターを利用したいところだな。相席構わぬだろうか」
「大丈夫ですよ」
相席っていう言葉のチョイスも謎だったけど、とりあえず安請け負い。
みんなの表情はもう簡単に思い浮かぶけど、別に早い者勝ちでもないんだから、それくらいは我慢してもらいたい。
「じゃあ、」
「発進だな!」
いえー!と、ユズキちゃんはエンブレムを角柱にかざす。
深まるソフィの笑み。
……うん、ごめん。
後でいっぱいなでなでしてあげるから我慢してねと、そんなことを視線で告げると、ソフィはますます笑みを深めたけど、その向こうにあった影みたいなものは消えた。
多分セーフかなと、安堵の息をひとつ。
と同時に、ざざ、ざざ、とノイズのような音が耳に届く。
そして、声が響く。
『第三層以下への移動における権限レベルⅠ識別鍵の承認には魔力形質の照合が必要です。お手を離さずお待ちください』
「お、おん」
ノイズ混じりの声に対するユズキちゃんの返答を聞いた訳ではないんだろうけど、角柱がうぉんうぉんと音を立てる。
酷く気になる語彙が沢山混じってなにをどう解釈すればいいのか全くもって不明だけど、それよりなによりこういうのって、もしかしたらなんだけど―――
そんな嫌な予感を少しも裏切ることはなく。
びー!びー!びー!
と、明らかに警告音的な感じのやつだよなあという音が鳴る。角柱の光なんて赤色してるし、これはもうどう考えてもやっちまったなんじゃないだろうか。
『―――不正な魔力形質を確認、一時的に扉をロックします。30秒以内に正しい魔力形質を確認できなかった場合侵入者と断定します。速やかに魔力形質の再照合を行ってください。30、29、28、―――』
……うわあ。
「やっちゃいましたねぇ」
「なにをしたんだユズキ!?」
「なんもやってないぞ!?」
「いや、多分普通に持ち主が違うとかそういうことですよのーたんさん」
多分私たちがやっても同じ結果になったんだろう、あの謎のエンブレムはドロップアイテム、つまり奪い取ったものな訳で、もしもそれが個人を識別できるようななんらかの機能を持っているとするなら、今みたいなことになるのはもはや当然の結果なんだろう。
まあ、今現在こんな奥まできて初めてそれをぶつけてくるのは、悪意以外のなにものでもないけども。
「えっと、とりあえずどうしよう、扉もロックされてるし……」
「よっしゃあ!ぶち破るぞー!」
「それだ!あったまいーな抱っこ係!」
いやいや。
「いや、もっと酷いことなるっすよそれ」
「完全に襲撃者ですぅ。排除されちゃいますよぉ」
「ならばどうすればよいだろうか」
「……祈る」
「それはあきらめというのですわ」
まあ実際、もはやどうしようもなさそうだけど。
「まーでもこれは多分あれっす、きょーせいイベントみたいなもんっすよ多分」
「ん」
「おー!そっかそっか!なんだー!やらかしたかと思った!」
あっはっはと笑うユズキちゃんに、ソフィがまた笑みを向ける。
はいはいなでなで。
そんなこんなやってるうちに。
『―――、2、1、0』
……しぃん。
カウントが終わって、訪れる静寂。
拍子抜け。
あれ、と首を傾げようとして。
がごん、と、揺れる。
そして部屋ベーターが動き出す。
角柱が相変わらず赤く光っているところを見ると、多分正常な動作じゃあないんだろうなあ……なんだろう、警備室にでも連れていかれるんだろうか。それとも体のいいモルモットが手に入ったぜ、みたいな。
どっちにしても、あまり嬉しくはないなあと。
そんなことを思ってみたところで、止まったりする訳もなく。
「……まあうん、強制退去かもしれないし……?」
「お花畑ですぅ」
いや、これくらいの楽観視してないと怖くない?
■
まあ考えてみれば、そもそも部屋ベーターが下に動いてる時点で強制退去というのも無理があった訳なんだけど。
そんなことを思いつつ、長々と。
とっくに最初の部屋ベーターよりも長い時間乗っているという確信がある程度には長々と、下り下る。
ほんとに長い。景色がまったく変わらないからこそ長く感じるっていうのもあるんだろうけど、もしかして侵入者を精神的に追い詰めるためのひとつの仕掛けなんじゃないかってくらい長い。暇を持て余したユズキちゃんとスズ、きらりんが友好関係を築き始めてるくらいには長い。
ちなみに私はのーたんさんとお話ししてて、ちょくちょくきょーりちゃんに毒を吐かれてる感じ。なんか、話せば話すほどきょーりちゃんに惹き込まれる自分を感じるから、少しアンズとソフィとナツキさんが怖い。なんだろうね、この、すごい悪意の子かなと思ってたんだけど、言葉と裏腹にきょーりちゃん、なんか、こう、わりといい子。内面とか関係なく毒は吐くからちょっと過保護すぎるアンズやナツキさんが気に入らないっぽいのは仕方ないけど、私はもうとっくにきょーりちゃんに対する感情はほとんど好意一辺倒だったりする。
好きといってもそういう方向ではないと、一応思ってるけど。
さておき。
そんなこんなで親交を深めつつ(?)、下り下ること数分か十数分。
がごぅん、と、部屋ベーターが止まる。
自然に会話も途切れて、みんなで顔を見合わせて。
そして、扉が開いて。
その向こうにあった光景に、絶句して。
色々な言葉が浮かぶけど、とりあえずなんというか、うん。
「……πちゃん喜びそうだなあ」
πちゃんお望みの魔導具の鎧が、ひいふうみい……はっはっは、数え切れないや……。
って。
「現実逃避してる場合じゃないよねこれ!?『領域指定』―『円環』!」
即座に魔法を展開、こんなこともあろうかと降りててよかった……いやでもこれどうにかなるかなぁ……?
「お、おお、おおおお!?」
「これ死ぬやつだ!はっはっはー!」
「縁起でもねぇっすよ!」
「どのみち排除ですぅ」
「ヤバめ」
「もやしがいがありそうですの♪」
「ふむ。人型であればまだやりやすいが、この数か」
「地上の雑魚とは違うのでしょうね」
慌てつつも大剣を構えるスズ、なぜか一人で爆笑するユズキちゃん、大剣と玄武を構えて叫ぶきらりん、ため息とともに布団からもぞりと杖を取り出すきょーりちゃん、割と余裕そうなアンズ、何故か嬉しそうなソフィ、別人みたいに冷たい表情で刀に手を添えるのーたんさん、目を細めて弓を構えるナツキさん。
とりあえずみんな戦いの準備はオッケーっぽい。
それを待った訳でもないんだろうけど、そして敵は押し寄せる。
その手に各々様々な武器を携え、全身鎧に身を包んだ敵。
恐るべきことにその武器も鎧もどちらも魔導具、うっすらと光に包まれているところを見るとπちゃん曰くの無駄がある代物なんだろうけど、心なしか外のやつよりはそれも少ない気がする……。
つまりまあ、すごい分かりやすく、死地だった。
……うん、とりあえず排斥力場入りまーす。
■
《登場人物》
『柊綾』
・おかしなやつに惹かれやすい二十三歳。πちゃんとかきょーりちゃんとか。πちゃんはさておききょーりちゃんの方はまだそういう好意じゃないし、今後もそこまで長々と一緒にいる訳でもないから好意が転換するタイミングはないけれど。
『柳瀬鈴』
・負の感情が継続しないタイプな二十三歳。一回話してみたらわりとすぐ打ち解けれちゃうタイプ。まあユズキちゃんはちょっとアホで素直な感じを目指しているから、スズとは比較的波長が会いそうだけど。相変わらず鎧の出番はない。でも今回はもしかすると使うかも。ボス格の設定今から考えるからそれによっては?という感じ。いや、色々考えてはいたんですけど、固まりきってないっていう……そういうとこやぞ自分。
『島田輝里』
・出番はあったはずなのに書くことがない二十一歳。なぜこんなにも書くことが思いつかないんだろう。多分道中であやが思い出した遊園地の話題に赤面したりしてた、ということにしよう。でもやっぱり書くことない。
『小野寺杏』
・最近好ましくないやつとの邂逅が増えてやっぱり人間はクソやなとか思ってる十九歳。根は優しいだの悪気はないだの知ったこっちゃねえよてめえあやにふざけた口聞いてんじゃねえぶっ殺すぞこのアマァ……!不自然に見えない程度に妨害してキルしてやろうかと思惑中。でもきょーりちゃん後衛だもんなあ。ちっ。
『沢口ソフィア』
・にっこにこな十一歳。自分の番を勝手に取られてキレ気味。あやが撫で撫でしてくれるらしいけどそれはそれ、ユズキちゃんへのヘイトはかなり高い。その程度とか思うなかれ、別に思ったことが全て実現するとは思ってないけど、どんな手段を使っても実現させてやろうというのを至って当然に思ってるタイプ。過程なんてどうでもよくて結果がすべてだから、予想外の邪魔とかが心底嫌い。
『如月那月』
・なにが嫌って割とあやの好みに近いのが嫌な二十四歳。きょーりちゃんとπちゃんってわりと近しいものがあると思う。πちゃんに関しては、特にそこまで嫌ってもないけれど。あやの恋人やってるし、特にナツキさんにとって言葉っていうのはかなり大きなファクターとなる。口は悪いけどいい子、とかちょっと受け入れ難い。別にきょーりちゃんはいい子じゃないけど。今回みたいな対多数のときに粛々と後衛を潰してくれるナツキさんはきっと光るはず。武器を取得する前に、最後に一回見せ場をやろうと思ってみた。火力と矢数は足りるのだろうか……?
『大野扇』
・なんちゃってサムラーイな二十六歳。のーたん。あれで二十六ってやべえなとか思ってはいけない。頑張ってるのよ。今回は顔合わせだけのつもりでまた今度本格的に遭遇させようとか思ってたのに気が付いたら共闘してたこの三人組。どういうこっちゃねんとか思いつつ、それならせっかくだしと中の人まで設定構築中。まあ所詮脇役、適当にでっち上げても問題ないだろ(フラグ)。ポニテ甚平はほんと世界一好き。みいこさんとかほんともうほんと愛してる。戯言じゃないけど。まあ似てるのは外見くらい。でも顔立ちはそこまでキリッとしてなくて、なんかこう、すごいモブ顔してる。リアルの設定とか考え出したら止まらないタイプのキャラだけど表に出ることはないです。のーたんという呼び名は『オオノオウギ』→『オーノー』とか友達にネタにされてたのを聞いたユズキちゃんが考えたらしいです。ユズキちゃんときょーりちゃんの母親代わりみたいなことをしていますが血の繋がりもないし同居してたりもしないという色々複雑な関係。なお、そういうのを想像して楽しむためだけに置いてある設定なので深堀りされることはない模様。AWはユズキちゃんに誘われて始めて、しかもそれが初めてのゲームでてんやわんやしつつ、それでもなんとか保護者っぽく頑張ろうとか色々気張った結果あれ。なぜそうなった……?
『水萌双葉』
・踊り子っぽい服着せたかっただけの十四歳。ユズキちゃん。十四歳にしては小柄。小柄で少し露出多めって、別にエッチな意味じゃなくて普通にすごい可愛いと思うのは筆者だけでしょうか。世界樹の迷宮のダンサーちゃんとか。本人がその服装に対して恥ずかしいとかいう感情を持ってないのがいいです。健全な露出は規制をかけるべきじゃないと信じてやまない筆者です。でもリアルはわりと寒がりで冬とかプライベートで会うとめっちゃモコモコしてるんですよ。でもすごい雪遊びとかするんですよ……!ユズキというのは好きなマンガのキャラから拝借した模様。いじめとか窃盗とか失せ物とか恋バナとかそういうありそうな事件を新任教師な主人公が解決したりしなかったりする学園ミステリ。その一巻から出てくる、どうも怪しげな気配を晒しつつでも平均したら友好的なのに実は黒幕で最後主人公の目の前で嘲笑うように自殺して全部の謎を謎のまま置き去りに主人公を辞職に追い込む絶対悪なキャラ。筆者が書こうとしてお蔵入りしたやつではないです。ないです。ちなみにマンガのユズキは黒髪ストレートロングですがユズキちゃんはリアルでもツインテ。いやだってマンガじゃん(真顔)。三人組の中ではわりと中心になりがち。AWもこの子が言い出しっぺですが、言ったら突っ走るしかしないタイプだからAWのシステムとか一番よく分かってないのはこの子。
『大山藍月』
・発生に特にこれといった理由もなかったりする十六歳。きょーりちゃん。なんとなーくセリフを書いて、そこにキャラを付けていった子。でも結果的に三人組の中では一番のお気に入りになった。なんならこの早すぎる再会はこの子のせいなのかもしれない。布団を初めとして布製品は実は全部この子が作っていたりします。性能はそこまでじゃないです。まあコスプレみたいなもの。リアルでも作ってるみたいですよ。半分引きこもりで一応保健室登校してるけどユズキちゃんがいなかったら今頃首でも吊ってたかもしれないとか、それとも特に意味もなく引きこもりがちだけどユズキちゃんにちょくちょく引っ張り出されて鬱陶しがりながら満更でもないみたいなのもいいなあとか色々想像してるけど、なんにせよやっぱりきょーりちゃんの中でユズキちゃんは特別枠。不可侵。だけどもしあやとの出会いのタイミングが違ってたらヒロインになってたなっていうくらいには相性は悪くない。毒の通りがひと味違う。きょーりというのはユズキちゃんとの初対面のとききゅうりを齧ってたから。きゅーりは嫌だと抗議したら、ならきょーりだ!という謎回答をいただいて失笑してしまい、それで決定してしまった。でも今では、名前から取ってないからこそ普通思いつくようなあだ名じゃなくて、だからきっと被ることはないだろうっていう特別感に浸れるからわりとお気に入り。ユズキちゃん大好きかよ。AWはユズキちゃんに誘われて始めた。ゲームはわりとしないでもない、というか服の参考にしたりする。今回AWを始めるにあたって色々勉強したけど、それをひけらかすことなく要所要所で挟んでたりする。




