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47話:ようやっとクラン結成

大変申し訳ありません、遅くなりました。

言い訳ですが、ちょっと色々手直ししていました。

その割になんだかすごい強引でなんだかなあといった感じではありますが、これが私の限界でした。すみません。

「はぁっ!」


 気勢の声と共に振るわれた斬撃が光を纏い閃けば、それはいとも容易く振り抜かれて、並ぶ三人の胴体が、下半身に置き去りにされて落ちる。ぐぢゃりとあまり耳障りのよくない音を立てて落ちた死体は、斬られたことに気づいていないみたいに蠢いて、それからポリゴンに消えた。


 ……うーむ。


 すごい。

 語彙力が甚だしく低下するくらいすごい。

 ……元から語彙力がないのはまあ、紛れもない事実だけど。


 さておきほんとにすごい。

 なにがすごいって、あの魔導具化した剣の強さもそうだし、それよりなによりあれがほんの五分で作り上げた魔導具だという事実がまたすごい。元となる剣があったとはいえぼっきりいっちゃってたのに、よくもまあそんな短時間であんな代物を作り上げたものだと思う。πちゃんに言わせれば試験用でやっつけ仕事な大したものでもないらしいけど、こじかちゃんいわく市販品というその剣の元々の基礎ATKを普通に超えてるらしいし、その時点でもう十分どころじゃないだろう。

 その上魔導具化してさっきみたいに魔力の刃まで展開できるようになったとくれば、もはや訳が分からない。

 というかそう、情報を送ってからここに来るまでの間で魔導具の作り方を把握してるのもどういうことなんだろう。いや、把握どころか少し改良したとか平然と言うし。実際、敵の武器みたいなぼんやりした光、πちゃんに言わせれば果てしなく無駄だというそれはなくなってるし、その上同じ効果の剣も一刀両断できてたから、その言葉に偽りなんてものはないんだろうけど。


 詳しく訊く前に検証が始まっちゃってるんだけど、できればちょっと聞いてみたいなあ。


 ちらり。


「どうやら安定して威力は出せるみたいね!感覚的にはどうかしら!?」

「消費は特に増えてたりしないと思います。あと、特に違和感なく発動もできます」

「それは重畳だわ!」


 たぱぱぱぱと、こじかちゃんからの情報をメモ機能を使ってまとめていくπちゃんはなんとも活き活きしている。


 ……可愛い。


 いやそうじゃなくて、いやいやそれも大事ではあるけど、なんというか、ね。こう、もう少し急いでくれると嬉しいなあとも思わないでもなかったりする。訊きたいというのもそうだけど、時間も時間だから、できるだけ早いところリスポーン地点を更新できる場所に着いときたいんだけど。


「なら今度は魔法をぶった斬るわよ!」

「え、わ、ちょ、」


 ずだだだだ!と駆けてゆくπちゃんと私たちとの間でおろおろと視線を行き来させるこじかちゃんに苦笑しつつ、もちろん一人で行かせる訳もなくみんなでπちゃんを追いかける。


 まあ、うん、脇目も振ってないとはいえどうやらこの大きな街の中心部辺りを目指しているみたいだし。そもそも、とりあえず真ん中目指せばなにかあるという程度の安い考えくらいしか方針もない訳で、戻りさえしなければだいたいどこに行っても同じなんだけど。


「おねーさん楽そうですねー」


 スズに抱っこされる私へと、ミちゃんが恨みがましい視線を向けてくる。

 気づいているのかいないのか、その発言にこじかちゃんがピクリと反応しているけど、少なくとも今率先して戦う役が余計な荷物を抱えるのは大問題だろう。二人旅だと余計に。いやまあ、六人八人だからいいかといえば全然まったくそんなことはないと思うんだけど。


 ……思うんだけど、みんなが嫌がるっていうね。


「楽というか、まあ、私力にも速さにも振ってないから」

「私も振ってませんよー」

「そうなの?」

「ふだんはこじこじが合わせてくれるんですよー」

「そうなんだ」

「うちの彼女やさしーんですよねー」

「うん。素敵だと思う」


 まあ状態が状態だからそう思うだけでかもしれないけど、少なくとも「ふ、ふつうですよ!」と照れ照れするこじかちゃんが可愛いことは間違いない。


「……って」

「出たわ!出番よこじか!」

「へぇ!?あ、はい!」


 なにやらハッとして叫ぼうとした途端に名前を呼ばれて、こじかちゃんは慌ただしくπちゃんの元へと向かう。


「多分『彼女』ってゆーのに反応したんですよあれー」

「……分かってて言ったんた」

「まずは人前でどーどー名乗れるようになってほしーんですよねー」


 いけしゃあしゃあと告げるミちゃんは、策士というかなんというか。人の恋路に口を出すつもりなんてさらさらないけど、私個人としては別に恋人だなんて言う必要はないと思う。そもそも恋人同士の間に意味もなく他人が関わるとか、考えられないし。言わないけど。


「こじかちゃんは苦労しそうだね」

「わたしとしてはおねーさんのほーが大変そーですけどねー」


 言ってチラリと視線が向かう先にいるのは、多分アンズだろう。それとも限らずみんなかもしれない。どちらにせよ私の返答はひとつだ。


「全然。楽しいよ」

「はー。お楽しみなんですかー」

「なんだか悪意ない?」

「じょーだんですよー」


 言ってミちゃんは、てってってとこじかちゃんの元へ。

 前衛を叩きのめして、後衛から飛んで来た魔法を斬り捨ててとπちゃんを狂喜乱舞させるこじかちゃんの元に近づくと、ぐばあと後ろから抱きついた。


「ひゃああ!?」

「つーかーれーたー」 

「ちょ、みっちゃん、わ、わ!」

「こじか!手応えはどうだったの!?消費は!?」

「こーじこじー」

「え、ええ!?」


 うにうに絡むミちゃんとお構いなしに検証を続けるπちゃんに挟まれて、こじかちゃんが混乱している。そこだけ見るとなんだか二人でこじかちゃんを取り合っているみたいで……そういえばこの三人って面識あったんだよね。さっきミちゃんに訊いた限りだと装備を作ってもらったことがあるだけらしいけど、の割にはπちゃんもフレンドリーというかなんというか。いや別に、だからなんだっていう話なんだけど。


「ユア姫」

「んー、あ、どうしたの?」

「……いちゃいちゃ、する?」

「えーずるーい!わたしもするー!」


 ……おーう。


「えっと、その、だ、大丈夫」

「……そう」

「えー!しよーよいちゃいちゃー!」


 いやアンズが落ち込むのはどうなのそれ……とりあえずいちゃいちゃはできないけど頭を撫でよう。

 なでなで。

 スズもおねだりしてくるからなでなで。

 ナツキさんがソフィを近づけてくれたからなでなで。


「いや十分してるっすよ……?」

「きらりんもおいで」

「うぐ」


 ふらぁ、と寄ってきたきらりんもなでなで。

 順調に変な空気はなくなっていて、これできっと完全に大丈夫になるだろう。

 少なくともこれならきっと伝わるはずだと、信じたい。


 なでなで。


「さあそろそろ、ってなにしてるのよ!」


 振り返って私たちの様子に気がついたπちゃんが、顔を赤らめて吠える。


「戦場で甘ったれてるんじゃないわよ!」

「ご、ごめんね」


 そんなつもりはなかったんだけど、どうやらお気に召さなかったらしい。

 でもその脇でミちゃんもこじかちゃんにぐいぐいいってるんだけど気づいてないんだろうか。


「まったく……ってあんた達も!」

「わ、私はまだしてないですよ!」

「少しくらいいーじゃないですかー」

「いいからさっさと次の獲物よ!」


 ぷんすこと怒ってずんずん進んでいくπちゃんに慌ててついていく。

 なにを怒っているんだろう。もしかして、仲間外れになるから嫌だとかそういうことなんだろうか……それならいくらでもなでなでしてあげるんだけどなあ。言ってくれさえすればいくらでも。


 ともあれそれからまたしばらく、検証しつつも進んでいって。


 今度またやり直しかなあと、そんなことを思い始めた頃に、私たちはそれと遭遇した。

 遭遇したというか、突き当たったというか。


 それは、壁だった。


 街を囲むそれとは比べものにならないほど低い、けど人を阻むには十分な壁。

 が、街を割くようにひたすらに伸びている。どことなく弧を描いているようにも見えるし、多分この街を更に二分しているんだろうと想像がつく。


 それは突然現れた。


 歩いていると、突然に。まるで嘘みたいに唐突に。強いていえばなんとなく違和感のようなものがあったかもしれない。なにかに引っかかるような不思議な感覚、それを超えた途端に、壁は出現した。

 出現だ。

 見えてきたとかそういうことじゃなくて、本当に突然そこに現れた。その瞬間に作られたのだと言われても納得してしまいそうなくらい見事に出現した。


「……」


 みんなが驚いてる中で、アンズだけがいち早く、行ったり来たりとなにやら確かめだす。そこが私がちょうど違和感を覚えた辺りだというのに気がついてみれば、なにをやっているのかは一目瞭然だった。


「そこ?」

「ん」


 てしてしと、アンズは恐らくその境目を足で示すんだけど、まあ特になにも分かることはない。肉眼ならそうだろうと、とりあえず観察の目を発動……おおう。


「なんか、隠蔽結界とかいうのがそこにあるみたい」


 便利だなあ観察の目。

 見えなくても見えるんだ。


「いんぺー?」

「結界……っす?」


 なんじゃそりゃあと首を傾げるみんなだけど、なんということはない、その名の通りだ。

 アンズの実体験を交えると、つまりこの結界の中にあるものの一部は外から見えなくなるということらしい。今わかってるのでいえば、壁と、私たちプレイヤーと、そしてもう一つ、壁の向こうに見える城っぽい建物。あとの街並みは、見える限りでは全く同じだとか。


 ……なんでそんな大層なものがここにあるのかはちょっとよく分からないけど、少なくとも一つ言えることは。


「とりあえず、壁の向こう行ってみよっか」


 わざわざ隠されてるんだからなにかあるだろうと、思うのは私だけじゃなくて。

 とりあえず宛もないから、みんな揃って壁へと向かう。お誂え向きにちょうど大通りの正面に開け広げな門もあるし、越えるのは多分そう難しいことでもない。それに、結界のおかげということなのか敵も出ないし。

 これは本格的に、安全地帯かもしれない。

 いぜん検証熱冷めやらぬという様子のπちゃんも、少なくともリスポーン地点を更新する利点はそうとして納得しているようで、敵が出なくても……いやちょっとそわそわしてる。なんならすごいそわそわしてる。可愛い。


 かーわいーなー。


 なんて思っていられるくらいには特になにが起きるでもなく、酷くあっけなく門を超える。


 門を超えて。


 ……だからなんということも、どうやらないようだった。

 相変わらず人気のない街並みが広がるだけ。

 空振りかなと思いつつ、とりあえず目に見えてなにかありそうな城を目指して進んでみる。そうしていると、少しとはいえプレイヤーとすれ違ったりもする訳だけど、彼らの様子からは特に情報を得られたりはしない。疲れてそうとか、楽そうとか。


 うーむ。


 ここにきて少し緊張。

 喪われた国の王とか、それ敵にありがちなパターンのように思えてならないし。


 ―――ところが。


 そんな不安は杞憂でしかなくて。

 たどり着いた城の門の前。

 門番らしき、彼は言う。


「ようこそいらっしゃいました来訪者の方々。さあ、どうぞお入りください」


 にこりと、人好きのしそうな笑みを浮かべるその姿は、どう見ても友好的で。

 ほっと安心すると同時に、思う。


 それならいっそ、白目剥かなくてもいいじゃないか。


 ■


 びしっ!と白目で敬礼する門番さんに会釈しつつ、城の中へ。

 エントランスになっているらしい広場の中央には謎の石像が据えられ、どうやらそこは念願のリスポーン地点になっているらしかった。


「さあ!用事も終わったことだし検証よ!」


 と駆け出そうとするπちゃんを引き止めて。

 これからの話をしておく。


 明日から明後日にかけてアンズとデートだから、私とアンズはAWができない。

 とするとみんなはどうするのかと訊いてみると、案の定というか私がいないならやらないという返答がくる。

 だから、πちゃんがどれだけここにいるのかは分からないけど検証に協力するのは多分難しいし、残念ながらこじかちゃんたちともここでお別れになると思う。


 そういうことを伝えると、こじかちゃんはひどく恐縮した様子でぺこぺこ頭を下げる。


「そ、そもそも武器が壊れてたからですから!」


 そういうことじゃないんだけど、どうやらこじかちゃんは私がなにか申し訳なく思ってると思っているようだった。ミちゃんは、まあ、そりゃあ訂正しないよね。


「そんなことより検証よ!他の効果も試してみたいところね!」


 ……πちゃんに至っては、今は検証の方が大事なのか全然気にしてくれない。


 むぅ。


 少し面白くはないけど、積極的に引き止める理由は……ってああ!


「ぱ、πちゃん!」

「なによ!寝るならさっさと寝なさいよ!夜更かしは禁物よ!?」


 いやそれπちゃんが言う……?というか心配してくれるπちゃん優しい……というのはさておいて。

 そう、すっかり忘れていたけど、今のうちにやっておかなきゃダメなことがあったんだった。


「πちゃん、クラン!みんな揃ってるから、今のうちにクラン結成しておきたいな!」


 私の発言に、みんなは、ようやくきたのかとばかりの表情をうかべる。

 私のわがままで延期になってて申し訳ないけど、みんな揃った今ちゃんと思い出せたから許して欲しい。


 一方πちゃんも忘れてはいなかったらしくて、だけど酷く呆れた表情になる。


「はぁ?まだ結成してなかったっていうの?そこの二人が増えてたなら私抜きでも出来てたはずじゃない。それともその二人は仲間じゃないっていうの?」

「いやもちろんゾフィもなっちも仲間だけど、πちゃんも一緒がよくて……」


 その言葉にπちゃんは目をぱちくりさせて、それからこほんとひとつ咳払い。


「……まあいいわ!じゃあさっさとやろうじゃないの!」

「うん。……あ、ごめんね二人とも。ちょっと待ってね」

「え、あ、はい」

「こじこじクランってなにー?」

「え?えっとね」


 こじかちゃんがミちゃんに説明しているのを尻目にみんなで集まって……あれ。


「これ、どうすればいいの?」

「メニューにないっす?」

「えっと……あ、これかな」


 ぽちぽち……えっと、なになに……あ、あったあった。クラン結成……メンバー指定……あ、へー、フレンドとパーティの中から選べるんだ……ぽちぽちと……「リーダーって」……あ、はい、私ね……それであとは名前……これは実は決めてあったりして……いやでも入力するのきっついなあこれ……うぐぐ……よ、よし、それでこれかな、えいっ。


 最後に『承認』というところをタップ。

 すると選択したメンバーが一瞬光を纏って―――


【クラン『姫百合の園(プリンセス・ガーデン)』が結成されました】


 ……うん、うん。

 πちゃんそんな目を向けないでほしいんだけど……。


「この名前……」

「うん、えっと、πちゃんのいないところで決めたから、その意向を反映してみた感じ……かな?」


 実際のところ旅行から帰ってきたら決まってたから、いなかったのは私もなんだけど。

 一応姫っていうのが私の要素らしくて、で百合っていうのが……うん……まあ、ね。そこまで全面に押し出すとなんかこう、あれだけど、ともかくそういう感じで、一応私中心的なイメージを混じえつつどうたらこうたらした結果らしい。


 ……ろ、ロールプレイロールプレイ。


「……ま、まあ特別にこの私のネーミングを使うことを許してやるわ!」


 あれ、照れてる……のかな。言葉とは裏腹にちょっと嬉しそう。

 それだけでもう、この名前にした価値があるくらい可愛い。


「さ、さて今度こそ用事も終わったことだし検証よ!行くわよこじか!」

「え!?あ、で、ではみなさんまた!」

「おねーさんまたねー。……まだ話終わってないのになー」


 なんやかんやと騒がしく、そしてπちゃんたちとはここでお別れ。

 ……まだちょっと余裕あるから少し着いていこうと思っていたんだけど、なんとなく、そうしない方がいい気がした。

 視線を向ければ、みんなはそもそもどっちでもよかったんだろう、さして気にした様子もなく見返してくる。


「えっと、それじゃあとりあえず、これからもよろしく……みたいな?」

「よろしくっす!」

「ん。ユア姫ばんざい」

「おー!ユア姫ばんざーい!」

「わがちゅうせいはおねえさまのもとに、ですわ♡」

「この魂潰えるまで、ユア姫と共にありましょう」


 ……ろ、ロールプレイロールプレイ……!


 ■


 《登場人物》

(ひいらぎ)(あや)

・みんなのノリにちょっと着いてけない二十三歳。なんかもうきっつい……姫百合の花園(プリンセス・ガーデン)なんてルビまで入力するとかそれなんて羞恥プレイ。でもみんなが喜んでくれるから合わせたい……でもやっぱり今はそういう感じじゃないから羞恥心がなぁ……。なおクラン結成忘れは正式にπちゃん待ちということになりました。


柳瀬(やなせ)(すず)

・クラン結成したからって特にこれといってなんもない二十三歳。でもノリノリ。クラン名として『ユア☆ラブ』とかいうのを提案して危うくそれに決まりかけたけど流石にそれはやべえとナツキさんが必死に止めた。


島田(しまだ)輝里(きらり)

・姫百合の花園とかその一員だとか考えると赤面しちゃう二十一歳。花園(意味深)とか考えては悶絶しちゃう。それっていわゆるハーレム……とか考える度にいやわたしは親友っすからーっ!とどこにでもなく言い訳をする姿はいっそ哀れである。クラン名として『Your Lovers』とかいうのを思いついたけどさすがに口にしなかった。代わりに悶絶してみんなから怪訝な視線を向けられたけどまあそりゃあね。でもなまじ一回思いついちゃったせいで脳内では和訳が姫百合の花園ということになってしまっている。どこへゆこうというのかね……(呆れ)。


小野寺(おのでら)(あんず)

・遂にようやく正式にあやの下僕になれたとご満悦な十九歳。発想がどうかしてる。こいつの脳内では『その凛々しき美しさから姫百合との異名を持つ一人の姫と、その異名を受けて花園などと呼ばれる姫百合の守護者たち』とかいう設定で妄想が働いてる。というかなんならアンズ発案。故に下僕。いやそこイコールじゃないと思う。


沢口(さわぐち)ソフィア(そふぃあ)

・普段人の上に立つ側だから部下的なポジションに経つのもちょっと面白いとか思ってる十一歳。もちろんあやおねえさま限定。でも夜だけ主従が逆転するというのもありかもしれない。そんなことを考える十一歳……手遅れですね。クラン名として『おねえさまとげぼく』というのを発案した。実質同じものだと思ってる。なんでこう、こうさぁ……そういうやつばっかなんだよ……。


如月(きさらぎ)那月(なつき)

・ちょうどいい機会だとばかりに割とガチで忠誠を捧げた二十四歳。ご主人様?あや以外にいませんがなにか。もちろん直接は言わない。一流の使用人は魂で語る。まあなんというか、今格好つけても今更なんですけどね。少なくともあやからすれば。クラン名として『クインテット』というのを発案。なんで五重奏なのか?そりゃあ姫に捧ぐ歌を姫が歌う訳ないじゃないですか。どっこいπちゃんがいるんだなあ。という訳で却下。スーパー使用人でもそこまで優れたネーミングセンスはないらしい。まあ一応、思いついた後でよくよく考えれば設定的に使えねえと思い直したというのもある訳ですが。


天宮司(てんぐうじ)天照(てらす)

・基本二つ以上興味を注げないタイプだから不意打ちに弱い二十二歳。クラン?そんなもんあったわね状態のところにめっちゃ(おもね)ってきた(πちゃん視点)からうへあ!?な感じ。基本誰かを引っ張ってても根本的にぼっちで一人で突き進むタイプだからそんなぐいぐい来られるとどうすればいいかちょっとよく分からない。なんでこんなにドキドキしてるのよー!いやそれただ驚いてるだけだからね?パニックだからね?吊り橋効果って知ってる?どうしようきらりんより先に落ちそう……チョロインめ……。ところで専属の割にきみクランメンバー以外引き連れてるよね。まあクランメンバーみんな酷いヤツらだけども。


小島(こじま)かの子(かのこ)

・クランかぁ……ぽへー、な十六歳。二人で設立できるならそれでいいんだけどできないから特に興味なし。武器がすごい強化されちゃったからお礼も兼ねて付き合わざるを得ない気配にどうしようどうしような感じ。ミちゃんの機嫌がちょっと悪い気がする……でも気のせい……?そこでちゃんと見極めるのが大事ですよ。


織原(おりはら)美依沙(みいしゃ)

・あやはまあ許容できるとしても別れたあとの三人組とかちょっと意味分からない十六歳。それでもπちゃんとの繋がりを保つ有用性は理解しているからなにも言わないけど、まあちょっと不満。こんなことならいっそやめとけばよかったとか、そこまで短気ではないけれど、二人きりになったら少しわかりやすく甘えてみようかなとかは思う。


次回、デート回……なのでまあ、多分空気感がガラッと変わると思います。

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