45話:SF感はないです
ようやく最後のエリアだ……。
東エリア。
大陸を外界を断絶するようにそびえる長大な、光沢のない灰色の外壁。
それに囲まれた、既に滅び去ったという文明都市。
その内部と外界とを繋ぐ唯一の門は、けれど無防備に開け放たれていて。
そのことになんだか、少しだけもやもやする。
入れないのは困るけど、なんというか、人を何人積み上げればいいのかというくらいに高くて、入口がトンネルになってるくらいに厚い、そんな壁まで用意しといて入口は開けっ放しとか、ちぐはぐな気がするのは私だけなんだろうか。超技術とかいうならせめて自動ドアくらいつけとけばいいのに、どう見てもそんな感じじゃないし。
そんな思いを抱きつつトンネルをくぐって、開けたそこはなんというか、言葉にしにくい退廃的な雰囲気に満たされた、なんだろう、単に静かな場所というだけじゃなくて、人の生きている気配がしない、終わったっていうのがひしひし伝わってくるような、そんな街だった。
長い道の脇に、立ち並ぶのは高くて画一的な建物の列。高さ的には大体三階建てくらい、白亜の城とでも言えばイメージが湧きそうな壁をしていて、飾りっけのない窓が並んでいる。屋根も三角屋根だし、なんとなく西洋風な気配を感じないでもないといったところ。扉があるということはもしかして侵入できるんだろうか、もしそうなら途端にこのエリアはとんでもなく探索しにくいことになるんだけど。
気になって近くの扉を開いてみると、思いのほかあっさり開けてしまう。
どうやらホテルのような感じになっているらしい、なんの飾り気もないエントランスホールがあって、どう見てもこれエレベーターだよなあというものが出迎えてくれた。まさかあれは魔法で動くやつなんだろうか、というか、普通に照明が生きてるってことはまだ使えるんだろうか。どうやら階段のようなものはなさそうだけど―――
ちーん。
「え」
その音がなにかというのが一瞬分からなくて。
だけど視界の中、一つのエレベーターの上に付いた明かりが点灯するのはきちんと見えていて。
うわ、すごい古典的な音が鳴るんだなあ。
なんて思っている間に、エレベーターの扉がうぃーんと開く。
「うわあ」
そこに立ち並んでいたのは、人、人、人。
人型ではなく、人。
肌色が妙に悪いだとか腐ってるだとかそういうことはまったくなくて、白色黒色黄色と色々な人種がない混ぜに、老若男女入り乱れて、髪型だっててんでバラバラ。共通するのはその目がなんかすごい白目剥いてることと、あとみんな何故かスーツを身にまとっていること。にも関わらず腰に剣だとか杖っぽいのが提げてあるのはどういうことなのか全く分からないけど、まあともかくそれはどこからどう見ても人で。
総計八人の彼ら彼女らはぞろぞろと、エレベーターから降りてゆく。
開くボタン押し係もいる辺りに無駄なこだわりを感じなくもない。
「おおー?」
「敵、っす?」
「通勤」
アンズの言う通り、これがこの街の一般的な通勤スタイルだよと言われたらまあ許容できなくない光景ではあるけど、多分きっと正しいのはきらりんなんだろう。それともあるいは、どちらも正しいのか。
まあどっちにしてもそれなら問題はないだろうと観察の目を発動……え。
なん、え、なにこれ……?
他の人……うわ、え、えぇ、いや、えぇ……?
「おはなしはできないんですの?」
「いえ、来ますね」
絶句している私を尻目に口をついたソフィの素朴な疑問に、けれどナツキさんは首を振る。
そしてそれを合図にしたみたいに、スーツ姿の人々は各々の武器を構える。
……うん、まあ、うん。
保留で。
そんなことよりよくよく見ると、近接武器を持った人が前、杖を持った人が後ろというように最初から隊列が組んであって。数は半々、それはそれでバランス悪そうだよなあと。
ん……?
なんだろう、あの武器変な模様刻んである……あと明かりの下だと分かりにくいけど、うっすら光ってるような……?
「あー、こんにちはー」
とりあえず、なんだろう、もしかしたらという思いがない訳でもなくて、声を掛けてみる。
けど残念なことに返事は、駆け出す前衛の人たちだった。問答無用ということなんだろうか、なにも言わずみんな同じような構えで駆けてくるその姿はなかなか狂気的で若干気圧されるけど、でも速さはそこまででもないらしい。どちらかといえば後ろで魔法陣を展開しつつある後衛の方が若干問題だろう。
どうやらプレイヤーのそれとは違って一瞬でばーんとはいかないらしいけど、それでも割と早い。前衛の到達と同時に完成くらいだろうか、なんとなく雰囲気的に諸共に消し飛ばすくらいしてきそうな無機質な感じがしなくもないんだよなあ。
と。
まあ正直、そんな心配が杞憂なんだと分かってはいるんだけど。
「遅すぎっすよ!」
たんっ!と一足に加速、その言葉を実際の動きで知らしめるように向かってくる前衛陣に接近する。そしてその勢いのまま真ん中の二体の腹に「ちぇりお!」と鞭を握った拳をすくい上げるようにねじ込みその隙間をすれ違うように通過、同時に反転しつつ鞭を解放するとしなりをつけて「そいっ!」と両腕を振るう。正弦波もどきを描く鞭は両脇の二体の二の腕に巻きついて、その瞬間「おらあっ!っす!」と内側に引き寄せられる。すると当然拘束された腕もまた引き寄せられる訳で、結果拘束された二人は肩からごぎゃっ!と嫌な音をたて回転するようにして、腹を殴られてたたらを踏んでいた二人と衝突する。
「人並っす!」
「……■■」
とそこへ、殺到する魔法。
そっと接近していたアンズの射程内、挟むように展開された魔法陣から爆ぜるように放たれた闇は、至って当然のように人々の肉体をぐちゃぐちゃに引き潰した。……ぐぇ。
「って、さすがっすね」
「恐縮です」
前衛を抜けて後衛に向かおうとしていたきらりんの呆れたような賞賛するような声に、当然のように応えるナツキさん。
見れば後衛陣はみんな眼孔を通して頭を射抜かれていて、ポリゴンに消えるところだった。
涼しい顔してるけどナツキさん、戦闘中に前衛ときらりんの隙間を縫いつつ連射するとかいう訳の分からない芸当をやってのけている。もはや今更すぎるくらいの手腕だけど、ほんと何度でも感動できるものだ。
まあそれは、今度めいっぱい労うとして。
「……ドロップアイテムはないみたいだね」
「スーツとか落とさなかったっすね」
「いりませんわそんなもの」
まあスーツは要らないけど。
でも、あの武器は少し見てみたいかもしれない。多分勘違いじゃないとは思うし。
まあ、次の機会があればきらりんに武器奪い取ってもらったりしようかな。
というのは、まあさておき。
想像よりあっさりと終わった対人戦、考えてみれば当然のことなんだろうけど色々と気になることもあるし、情報のすり合わせのようなものをしてみる。
「さっきも言ったっすけど、力は全然強くないっす。至って一般人な感じだったっす」
「目はイッちゃってたけどねー!」
けらけら笑うスズにちょっと共感できない。
怖さはあっても面白さはないと思うんだけど。
……ところで、さっきって……ああ、『人並み』というのはつまりそういうことを伝えた訳なんだ。様子を見るに、一番知るべきアンズとナツキさんは正しく理解できていたようだけど。
……にしても、人並みね。
「えっと、なんていうか、一般人なのは力だけじゃなかったりするんだけど」
「なになに?」
「服装もっすね」
「いや、それはある意味一般人じゃなかったと思うけど」
スーツに武器とか、なんだろう、武器を携帯するのが普通くらいのゲームの中ではあるけど、そこにスーツが合わさった途端にこう、不審感というか違和感というか、そんなものに溢れた装いになっていた。少なくともあれは一般的なファッションではないだろう。いやまあ、この街のデフォルトだと言われればもはやそこまでなんだけど……って、いやそうじゃなくて。
「あの人たちの名前なんだけどね」
「『いっぱんしみん』みたいななまえでしたの?」
「横文字では」
まあそう思うよなあと苦笑しつつ、記憶を引き出す。
「……覚えてる限りだと、『ジョナサン』、『ヒデキ』、あと『マルコシウス』……『オーレン』、『ネロ』……ああ、あとは『コンモ』と『クラピー』?だったっけ。あと苗字もあったけどそっちは覚えてない」
あまり長々と見ていた訳でもない名前をなんとか並べ立ててみれば、みんなからは唖然としたような表情が返ってくる。
まあうん、すごい分かる。
ここにきて、まさかまさかの固有名詞だ。しかもなんか色んな種類の名前が入り交じってて訳分からないし。
ヒデキとか言う名前の人が黒人女性だったのを考えると多分特に命名規則みたいなものはなさそうだから、それもあってあんなひどいことになっているんだろう。馬鹿じゃないかと。いやほんと、馬鹿じゃないかと。
「まじっす……?」
「マジっす」
「……ちなみにヒデキというのはどれでしたか?」
「後衛の黒人女性だったよ」
「なるほど……?」
「いみふー!」
「てきとうのようですわね」
まったくもって、適当がすぎる。
そんなことならいっそ名前なんてみんな統一すればいいのに、なんでそんな個性を前面に押し出してくるんだろう。いろんな意味で。
「なんというか、まあ、名前だけとるとほんと一般人っていう感じだよね」
「一般人とは思えないネーミングっすよむしろ」
私も思う。
思うけどなんとなく、そこを深く考えるのはきっと無駄なんだろうなって。
それよりも、そんな固有名詞のある人間相手とかやりにくいことこの上ないのに、ほんとどうしてそんな名前をつけてしまったんだろう。訳が分からない。まあそれはそれで考えても分かる訳ないし、そもそも戦うのは私じゃないし、みんなは多分全然気にしないんだろうけど。
少なくとも、今後はあんまり敵に対して観察の目を使いたくないなあ。
ともあれ。
「ひっくるめると、敵はめっちゃ普通の人間ってことっすね」
「普通……?」
「目がイッちゃってるよ!」
「リーンそれお気に入りなの?」
「だって白目だよしろめ!ちょー面白くない!?」
「全然分かんない」
「ええ!?」
……まあスズならそうだよなあと、納得はできるけど。
そこでふと視線を巡らすと、きらりんだけがそっと目を背けた。でも表情からすると多分アンズとソフィもだろう。
まさかの多数派という衝撃の事実だった。
私とナツキさんがおかしいんだろうか……お揃いと考えるとちょっと嬉しいけど。
さておき。
別に白目の話がしたい訳じゃない。
「それはさておき気になったんだけど、あの武器は普通じゃなかったよね?」
「あー!そーっすそーっす!あれ絶対なんかあるやつっす!」
どうやら間近で見たきらりんも気がついていたらしい、なんとも食いつきがいいのは、そこにロマン的なものを感じるからだろうか。
「なにそれなにそれ!」
スズなんて分かってないのに目が輝いてるし。
まあでも、気になるよね、あれ。なんとなくπちゃん好みな気がするのは、きっと気のせいなんかじゃないと思う。
そんなスズに、きらりんが大袈裟に驚きを表現するみたいに大きく身体を仰け反らせる。
「リーン気づかなかったんっす!?あれはきっと魔剣っすよ!」
「まけん!なにそれかっこいー!」
「っすよね!?きっと斬撃とか飛ばせるっす!」
「うおー!」
……いやそんなことできるならしてたと思うんだけど。
とはまあ、言わない。
魔剣っていうか剣だけじゃなかったんだけど、とも言わない。
「とりあえず、次の機会があったら奪ってみれる?」
「もちろんっす!意識乗っ取られないように気をつけるっす!」
「意識乗っ取られるの!?」
「魔剣とはそういうものっす……!」
ふ、と遠い目をするきらりんに、不安が押し寄せる。
魔剣って、そういうものなんだ……って、いやいやそんな、そもそも魔剣じゃ……あれでも敵があんなことになってるのって……?
「……」
「い、いや冗談っすよ!?」
「きらりん」
「待つっすリコット!そんな冷たい視線を向けないでほしいっす!ちょ、ユア姫!大丈夫っす!そんな乗っ取りとかゲームでできるわけないっすから!」
「あ、ああ、そっか、そうだね」
確かに考えてみれば、そんな恐ろしいことがVRのゲームで許されてるとは……思えない、うん、思えない……。
「そう、だよね……?」
「え、いや、なんでそんな真に受けてるっす!?」
「きらりん」
「杖を構えないで欲しいっす!!」
……とりあえず怖いから奪うのは禁止にしようかな……?
いやだって、例えばきらりんが私に刃を向けるとか、考えただけで―――
「ユア姫、怖い顔になっています」
「―――あ、うん、なに?」
「むぅ」
「え、あ、ゾフィ?」
「……なんでもないですわ」
ナツキさんがなにか言ったと思ったら、なんかソフィがすごい可愛らしくむくれてぷいっ、て顔を背けた。
そんなことしてもひたすら可愛いだけだった。
嫉妬されるのが心地いいと、なんなら頬も緩むほどに。
……それを横目で見てちょっと嬉しそうなソフィも大概だと思うんだけど。
「ユア姫!大丈夫っすからね!?」
「え?あ、うん」
「すでに興味なしっす!?」
「いやきらりんのことはずっと興味あるけど」
「へぁ!?」
ちょっとあまりの可愛さにゲームのことを忘れちゃっただけで。
なんだったかな……そうそう。
「きゅ、急にそういう……」
「えっと、とりあえず武器奪うのはなしで」
「って最悪の結論でてるっす!?」
いやだって、ねえ。
事実として敵はみんな、スズ風に言えばイッちゃってる訳なんだから、ちょっとは心配になるのも仕方ないと思う。大丈夫だろうなあとは、まあ、思うんだけど……。
と、不意に袖が引かれる。
見れば、アンズが私を見上げていた。
「安心していい」
「え?」
「絶対に大丈夫」
「……その心は?」
望まれるままに、問いかける。
もうこの時点で、武器とか割とどうでもいい感じだった。
そんな私に、アンズは告げる。
至って当然のように。
「あやさんへの好きは、システムにも負けない」
―――それはなんというか、傍から見てればこいつなに言ってんだと困惑してしまうような、現にきらりんはかなり怪訝な表情になってたくらいに突拍子もなくて、その上大袈裟な言葉だった。ゲームごときになに熱くなってるんだと、そう笑われてもまったくおかしくないことだと、私はきちんと理解している。
その上で。
その上で、それとは違う意味で。
私は、ひどく淡々と語られたその単なる事実になにを思うでもなく、ただ深く納得して、頷いた。
「じゃあ大丈夫だね」
「ん」
なるほど私は馬鹿なんだろうなあと、客観的に見ている誰かが笑う。
そんな私も嬉しそうだと、自分に指摘したところで意味なんてないだろう。
「……どういうことっす……?」
たったひとり、きらりんだけが困惑を口にする。
……そっか、きらりんは分かってくれないんだ。
いやもちろん、誰だって自分のことを分かってくれてるみたいな幻想を抱いている訳でもないし、スズもアンズもソフィもナツキさんもきっと分かっていることは同じじゃないんだろうけど。
それでも少し、悲しかった。
■
《登場人物》
『柊綾』
・意味の分からないところに弱点がある二十三歳。なにがダメって裏切りとかそういう類のことに滅法弱い。考えただけで表情が消失するくらい。まあ基本、セフレという存在を認めてしまっているヒビキ先輩以外にはそんなこと思いもしない訳だけど、AWやってるときは普通モードと恋人モードが綯い交ぜになっているというあやにとって実はそこそこ危うい状態だから刺さってしまう。その分威力もちょっと減衰している感じはあるけど。好きを確かめるのに理由はいらず、好きの言葉に貴賎はない。だからこそこういう感じの全然意味分からないところで唐突に入る好きの再確認的な謎のシリアスもどきをいつ入れてやろういつ入れてやろうと画策してるうちに我慢できなくなってこんなタイミングで投下してしまった。おかげで読者を全力で混乱させそうではあるけれど、まあそれはそれであやっぽいかなと。
『柳瀬鈴』
・せっかくのタイミングをすんでのところでアンズに奪われてぐぬぬ、な二十三歳。でも多分この後追従した。そんな殊勝なタイプではない。好きと言うのに理由はいらないけど、恥ずかしいから理由がほしい。特に二人きり=恋人モードじゃないこともあってそれがスイッチ(ONしかできない)のような役割を持つことが多いから、特に。そうでなかったら多分スズのセリフは数倍になっている。
『島田輝里』
・あやに対する理解度という観点でかなり遅れがある二十一歳。にも関わらず好きと言ってしまった以上は取り返しがつかないのだから、どうなるにせよ頑張ってもらいたいところ。とりあえず仕事が始まって二人きりの機会が増えたり同僚含めての交流が増えてくるとまた変わってくるんじゃないかと。なんだかんだ職場がおなじアドバンテージって大きいと思う。仮にフッたらいたたまれないどころじゃないけども。好きは好き、口にするのは恥ずかしいし、口にされるのも恥ずかしい。なんだかんだ一番ピュアなのはきらりん。
『小野寺杏』
・セリフがなくてもここぞというときは外さない十九歳。特にあやなんて意味分からないときにここぞというときがやってくるけど、その場にいるなら大体外さないし、唐突に前触れなく無言のままだったとしても見抜く。どちらかというと反応速度と先読みで勝ってる感じ。いや、別に競ってる訳じゃないし、仮に遅れたとしても変わらずあやは150%くらいで受け取ってくれるけど。好きを告げるのはそれを望まれたときだけでいい。なぜならあやにはちゃんと伝わるから。
『沢口ソフィア』
・気づけなくても理解は及ぶ十一歳。こいつもちゃっかりアンズに追従するタイプだけど、そもそもアンズの言葉で今だったと理解してるというのが違う点。割と異質だから実は案外あやのことを分かってなかったりするけど、別に相互理解とかあやを幸せにしたいとかそういうのが目標でもないから特に気にしていない。好きの言葉は単なる武器。今はまだ弾丸か爆撃かといったところだけど、いずれそれが骨の髄までとかし尽くすような毒にまで変化するのを期待している。
『如月那月』
・ゲームの中では控えめな二十四歳。能力的にはアンズと競ってもおかしくないけどそもそも競わずに譲っている。大人の対応というよりは、あとでそれを盾にあやを独占してやろうという腹積もりだったりする。アンズには見抜かれてるし、そのことをちゃんと理解した上で。好きは単なる言葉。意味を持たせるのは状況と相手と。そういう意味では特別な言葉ではあるけど、好みでいえばばせ【自主規制】
分かってるつもりではあるんですけど……。
とりあえず文章上手くなるためにはひたすら読んで書いてボロクソ叩かれるしかないと思うので、まあ気長に頑張ってみます。




