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ヤドカリ地帯に戻ってきた。
前回と同じく、僕がヤドカリを呼び寄せる役となる。
「今回は倒れることはないはずだけど……泉の部屋に戻れるよう、退路は気にしておいてね」
成宮さんの忠告にうなずき、それぞれ準備に取り掛かる。
アルコはネックレスに炎の力を充填……うまくいったようだ。
僕も、そろそろとヤドカリの近くへと移動した。
前回よりも若干小さな岩を選ぶ。
どうせ、一体が起きれば、他の奴らも起きるから意味はないんだけど、自分から大きなヤドカリを起こす気はない。
背後を見て、アルコたちのゴーサインを確認、ヤドカリを剣でこづく。
岩が振動したかと思うと、根本からわさわさと脚が生えてくる。
周囲の様子を見ると、他の岩も振動し、脚が生え始めていた。
やはり、一体を起こすと、それが周囲へと広がっていくらしい。
長いは無用、と急いでアルコたちのもとに戻る。
「おかえり。待ってろ、燃やし尽くしてやるぜ」
「燃やし尽くすほどの威力じゃないでしょ。発射したあとは、距離をとって様子を見るわよ」
ヤドカリたちが向かってくる。
先頭のヤドカリめがけて、アルコが杖を構える。
「ファイアブラスト!」
杖の先からに勢い良く炎が吹き出し、洞窟の中が明るくなる。
炎に包まれたヤドカリたちは、歩みを止める。
炎が眩しくて、ヤドカリたちの様子がよく分からない。
やがて、炎の勢いが収まる。
静寂。
ヤドカリたちは静止したままだ。
「ええと……効いてるのか、これ?」
「岩が焦げたようには見えるけど……」
ぐらり、岩が動いた。
効いてなかったのか……そう思った時。
「ぎちゅあっ!」
岩からヤドカリの本体が抜け出てきた。
紅く茹で上がり、湯気を立てつつ、のたうち回っている。
「ぐ、グロいな。ヤドカリの中身」
「今なら剣が効くかも!」
成宮さんが駆ける。
短剣を突き刺す、ヤドカリが痙攣した後、動きを止める。
「これなら、倒せる」
他の岩からも次々と中身が飛び出す。
アルコの炎はヤドカリ全体を燃やし尽くしてはいないけど、警戒して側によってこないようだ。
その隙に、僕と成宮さんはどんどんヤドカリを倒す。
明らかにアルコの炎を受けながらも中身が飛び出してこないものもいる。どうやら、中で絶命しているらしい。
周囲のヤドカリがようやく動き出そうとした時、アルコはぐびりと回復の水を飲み干している。
「もう一発、ファイアブラスト!」
吹き出す炎がヤドカリを燃やす。
再び中身が飛び出し、それを剣で倒す。
「まだまだいるわね」
それでもヤドカリはたくさん残っている。
回復の水もなく、ファイアブラストはもう撃てない。
「ということで……撤収ー!」
僕らは泉の部屋へと逃げ込んだ。




