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悪夢の塔  作者: 相沢メタル
第二章
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 倒れたアルコに駆け寄ると、頭部から大量の血が流れ出て、地面を黒黒と濡らしていた。


「アルコは…?」


 成宮さんとの問いかけに、無言で首をふる。

 すぐにアルコの体が燃え上がり、燃え尽き、消滅した。


「燃えた…」

「きっと、風の魔法で剣士を倒したからね」


 戦士として認められた、つまり今頃石の祭壇で案内人に出会っているかもしれない。

 死亡した後も出会えることに安堵しつつも、やはり知り合いが目の前で殺されたことは許しがたい。

 それに、アルコは今、猛烈な痛みに苦しんでいるはずだ。死んたほうがマシと思えるような、これまでの人生で味わったことのないような死の痛み。


 頭上のゴブリンたちを睨みつける。

 二階は観覧席のようにせり出した部分があり、そこかしこからゴブリンが顔をだしていた。

 そのうち、数体が弓を持っている。

 アイツらの誰かが、アルコを殺したのだ。


「…ファイアアローなら届くけど?」


 扉を離れ、側に来た成宮さんが提案する。


「とにかく、距離を置こう」


 別の提案を返した時、頭上のゴブリンたちが吠えた。


「ギイギイ!」

「ガイヤイ!」


 そして、二階から次々と飛び降りてきた。

 ゴブリンは図体が小さい。そのせいか、落下の衝撃にも耐えられるようだ。

 そのまま、5体のゴブリンがこちらに襲いかかってきた。


「くそっ!」


 剣を振るう。

 しかし、まるで骨が無いような奇怪な動きで避けられてしまう。

 再度剣を振るっても、今度は跳んで避けられてしまった。

 身体能力が凄まじい。

 剣士より小柄な分、より当てづらい。


「あたらないっ…!」


 成宮さんも苦戦していた。

 弓矢で的確に相手の胴体を狙うが、既のところで避けられていた。

 いや…あの表情を見るに、からかっているのかもしれない。


「ギャギィ!」


 ゴブリンが小ぶりな刃物で攻撃してくる。

 リーチが短いため、避けるのは簡単だけど、手数が多い。それに、他のゴブリンも連携して、こちらの隙を狙って攻撃してくる。

 避けたと思ったら別のゴブリンが、それを盾で弾くと、今度は足下から別のゴブリンが攻めてくる。


 1体もゴブリンを倒せないまま傷つき疲れていると、風を切って矢が飛んできた。


「うわっ」


 なんとか盾で防ぐ。

 油断していた、ゴブリンは上にもいたんだ。

 成宮さんを見るが、地上のゴブリンに襲われて、弓を打つ隙はなさそうだ。


 ゴブリンの矢が僕の足を撃ち抜いた時、勝敗は決した。

 崩れ落ち、迫るゴブリンの足音に恐怖する。

 そして、僕の体に次々と剣が振り下ろされた。

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