第17話 『僕らは悪夢で挨拶を交わす』
いつもの部屋。
ただし、目の前の扉は開いている。
恐る恐る、外を覗くと、同じく顔をだしていた成宮さんと目があった。
……どうやら、看守の脅威は去ったらしい。
「初めてね、こうして顔を合わせるのは」
「前回のは互いに必死で挨拶なんてする暇なかったもんね」
それに、すぐに死んでしまったし。
部屋の中央のテーブルの脇には、看守の死体が転がっていた。
とりあえず、前回手に入れた剣を手に取る。
「本当に骸骨なのね」
「うん。頭は砕いちゃったけど、たぶん体全体」
動き出さないことを確認すると、成宮さんは忌わしそうに目をそらし、代わりに部屋の様子を調べ始めた。
「なるほど、同じような部屋が4つ隣接してたのね」
「この中央の部屋に看守は待機してたんだと思う」
「他には階段と、模様の描かれた扉……か」
「4つの部屋は調べたけど、この剣くらいしか収穫はなかったよ。階段と、模様の扉は調べてない」
「うーん、この扉は鍵がかかってるわね」
成宮さんが模様の扉を調べてるうちに、階段を昇ってみる。
少し踊り場のような開けた場所があり、そこにも扉があった。どうやらこちらは鍵がかかっていないようだ。
「階段の上にも扉があって、そっちは開きそうだ」
「じゃあ、ひとまずはそっちに行くしかないのかな。この扉は開きそうに……あ、そうだ」
なにか思いついたのか顔をあげる。
「ね、看守が鍵を持ってないかしら? 少なくとも、私たちの部屋の鍵は持っていたわけだし」
「調べてみよう」
そっと看守の死体に近寄る。鎧の脇に、鍵の束がぶら下がっているのを発見する。
小さな鍵が4つ、大きな鍵がひとつ。
小さな4つの鍵は僕らが閉じ込められていた部屋の鍵だろう。
じゃあ、大きな鍵は……?
「みて、この鍵の模様」
「あ、扉の模様とおんなじね!」
鍵穴に鍵を挿し、ゆっくりと回す。
――かちゃり。
鍵が外れた。
静かに扉を開ける。
「これって……」
そこには、大きな木の箱が2つ置かれていた。




