大阪国との軍事同盟締結
この物語はフィクションであり、実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
閣議終了後直ぐ、外務省により大阪国への同盟申請が行われた。
この事により、我々は戦争を行う第一歩を踏んだ。
だが勿論、日本国内では既に所々で軍事的戦争が行われていた。
大日本改造法が施行されて最も早く戦争を行ったのは東京国であった。
大日本改造法施行時の東京都知事には「舛削 要二」という者が就いていた。
彼は冷酷残忍な人物として、就任時から注目されていた。
彼は大日本改造法が施行されると、派遣されてきた東京国軍部海軍中将、陸軍中将に指示を出し、国民を洗脳していった。
更に、その状況で直ぐに徴兵を実施し、最強の軍事勢力を手中に収めた。
そして、混乱の中の埼玉国へ攻め上った。
しかし、それは開戦を宣言し、敵国へ宣戦布告した後の正々堂々とした戦争ではなく、奇襲だった。
東京国軍部特殊部隊は夜の間に埼玉国軍部陸軍の国境防衛線を静かに乗り越え、本部に潜入、占拠した。
その後、舛削は大軍を抱えて埼玉国へ上った。
しかし、その時にはもう埼玉国は白旗を掲げていたそうである。
かくして東京国は領土を拡大していった為、次第に他の小国も不安を感じ、軍事増強に努めていた。
その話を聞いてから、我が国も国境防衛線に陸軍を設置し、奇襲に備えた。
外務省が大阪国への同盟申請を行って三日後ーー。
元副知事で現副首相の東島が総理執務室の扉を叩いた。
「閣下、東島です。ご報告が御座います。」
「うむ。」
ゆっくりと扉が開いた。
東島は素早く俺の前に立ち、一礼した。
「先程、大阪国大将の杉井 三郎の秘書より、お電話が有りました。そちらの準備が整い次第明後日にでも滋賀に伺い、お会いしたいとの事でした。いかが致しましょうか。」
俺は少し笑みを浮かべ、頷いた。
「分かった、では明後日に決めたと電話しておいてくれ。あと明後日までに準備を頼んだ。」
「はい、了解致しました。」
東島は一礼し、出て行った。
明後日ーー。
東島「閣下、杉井氏がご到着なされました。」
杉井の秘書と思われる人物が扉を開けると、オールバックで黒いスーツに身を包んだ、一見すると元ヤンキーなのでは無いかと思う程度の厳つい雰囲気の杉井がゆっくりと歩いてきた。
「やぁやぁ初めまして、君が政本賢一か、思っていたより若いな。」
ゆっくりとした図太い声だった。
俺は三十一歳だ。
確かに知事にしては若いと言える (今は知事では無いが)。
杉井は五十過ぎだと聞いていたが、老けて見えた。
「初めまして。」
強く握手をした。
「面倒な挨拶は抜きにして、早速今後について話し合おう。」
我々は座った。
「はい、我々の提案は外務省から聞いていると思いますが、我が滋賀国と是非とも協力して頂き京都国を攻撃するというものです。」
杉井は緑茶を一口飲んだ。
「うん、分かっている。我々としても大阪を侮辱している京都国は憎き存在だ。だが、この同盟を結ぶには少し条件がある。まず、この同盟はある種軍事同盟ではあるが、我々は集団的自衛権を行使しない。そして京都を統一後、領土を東西で折半する。その後はこの同盟を切り、状況に応じて停戦協定に切り替える。これだけは呑んで貰わなければ今回の話は無しとさせてもらう。」
このくらいの条件であれば何も問題は無かった。
滋賀国としても元々集団的自衛権を行使する事など条件に含んでいなかったし、京都国の半分を手に入れられたら何も不満は無かった。
「はい、そのくらいなら全然大丈夫ですよ。」
部屋に入ってから一度も笑顔を見せていなかった杉井と俺が笑みを浮かべた。
「じゃあ具体的な作戦や日程は詳しい話は軍にして貰おう」
「分かりました。」
この様にして滋賀国の軍事作戦は開始した。
はじめまして、初の小説投稿となります。非常に無茶な設定で、色々と不細工な部分がございますが、何卒暖かい目でお付き合いください。感想、意見等がございましたら、どうぞ気兼ねなく発言下さい。出来るだけ多くのコメントに返信を行うつもりです。