閣議〜京都国攻略作戦へ〜
この物語はフィクションであり、実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
二人の中将のおかげで滋賀国民は偏見的ではあるが大日本改造法を確実に理解した。
これで国政はある程度安定していくだろう。
次は外交だ。
この日本領土を統一するには、まず戦争は避けられない。
というか、何をしたのかよく分からないが、戦馬と空嵐の洗脳染みた国民への説明によって、今領土を広げる努力を惜しめば間違いなく国民の反感を買う事であろう。
実はこの間の市町村長会議の際、徴兵を実施するか否かも決定した。
勿論、戦馬と空嵐は絶対に徴兵を行い閣下の政治をより円滑に、などと言っていた。
しかし、俺はどうしても滋賀国民の被害が出る事だけは避けたかった。
それに政府から国軍が派遣され、初訓練のとき全軍で挨拶に来たが、国軍だけでも、二等兵9285人、一等兵2939人、指揮官590人、その他特技域・職域専門905人という巨大な組織であった。
無論、どの小国にしても同勢力の軍が派遣されている為、徴兵を実施する事になった国々に勝つ事は出来ないだろう。
だから、次は皆の意見聞き、領土拡大について話し合うため俺は第一回閣議を開いた。
各機関長をそのまま大臣に指名した為、国会ではないので議長は俺になったがそれ以外の顔触れは市町村長会議と変わらなかった。
「定刻になりましたので、第一回滋賀国内閣閣議を開始いたします。」
全員が起立し、一礼後着席をした。
「やっと国内が安定し、やっと次の段階に進める時が来た。それで、何か案がある者は居るか?」
元警察本部長で外務大臣の雨間が挙手した。
「雨間君。」
「はいっ!」雨間は起立し、全員に資料を配布した。それを見ると滋賀を中心にした近畿地方の地図であった。
「皆さん、勿論ご存知ではあると思いますが、今京都国、大阪国はかつての政治力と経済力を活かし着実に軍備を拡大してきています。では、何故二国は攻めてこないか分かりますか?」
戦馬が立った
「閣下と我らの指揮下においての滋賀国軍隊を恐れているからにきまっているだろぉ!」
雨間は表情を変える事は無かった。
「違います。」
戦馬は何か言いかけたが、雨間は間を置か無かった。「滋賀国には京都国、大阪国に流れる近畿の水瓶『琵琶湖』が有ります。」
「それがどうしたというのだ。」
戦馬は少し声を小さくした。
「もし、今の状況でどちらかの国が我が国に攻め込み、征服が出来なかった時、我々は二国が飲み水の頼りとしている琵琶湖から流れる瀬田川に汚染物でも流し、宇治川、淀川の水を飲み水に出来なくすることが可能です。彼らはどうする事も出来無くなるでしょう。」
今度は空嵐が皆を見始めた。
「なるほど、では早速何かをながしてやろう。」
俺は立ち上がった。
「馬鹿野郎!相手から攻め込んで来てもいないのに一般国民の生活を侵すなんていうこうとは絶対に駄目だ!」
空嵐が頭を下げた。
「軽率な発言で御座いました。誠に申し訳御座いません !」
俺は座るよう促した。
「雨間、続けてくれ。」
「はい。さらに二国は文化的な大きな食い違いから関係が良くない為、彼らで同盟を組む事はまずないと考えられます。つまり、京都国か大阪国のどちらかが我が国を確実に征服できる戦力を蓄えるまでは二国から攻められる事はあり得ません。」
皆から関心の声が漏れたが雨間は続けた。
「これを利用します。相手から攻撃される可能性がない限り、こちらから先制攻撃出来ます。結局、私の作戦はこうです。まず、大阪国と同盟を結び、京都国を挟み討ちにして攻め、京都国を大阪国と我が国で分割支配するのです。その後、その領土の経済力、政治力を吸収した強い軍隊で北方に攻め上ります。」
同じように、皆から関心の声が漏れた。
「なるほど、素晴らしい、でかしたぞ。」
この作戦は全会一致で可決され、大阪国へ同盟を申し込む事になった。
はじめまして、初の小説投稿となります。非常に無茶な設定で、色々と不細工な部分がございますが、何卒暖かい目でお付き合いください。感想、意見等がございましたら、どうぞ気兼ねなく発言下さい。出来るだけ多くのコメントに返信を行うつもりです。