表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あなたの勇者になりたくて  作者: 天明ほのか
嘘か真か

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

88/88

神さまの云うとおり

「なぁ、見てるんだろシエル様よ?」


挑発的な口調で元に戻った月を見上げている雫だが、その心は妹を失った喪失感や虚無感でどこに向けて良いか分からない心の捌け口を私に向けている。


「ああそうだね。私はこの世界の監視をしているのだから。」


「...教えろよ。魔王ってなんなんだ...、勇者ってなんだよ...?なんで楓が魔王にならなきゃいけなかったんだ!?」


造られた存在で神になってしまった...いや、世界を管理する立場になった特異点(バグ)のような存在でも、村雨雫の気持ちは分かる。


あの子と短い間旅をして、人という存在と営みについて知れたから、というのもあるが、知り識る事ができる私の権能にとって感情を理解することは容易い。


ただそれで私の行動が変わることはない。だから、真実を教える。教えたところでこの理から逃れることは出来ないのだから。


「簡単な話だよ。勇者は、文字通り勇気ある者でもなく、お伽噺や伝説のように力ある英雄でもない。


そして、魔王は魔物を統べる支配者でもなく、世界を破壊し尽くす暴虐の使徒でもない。」


「だったら...なんなんだよ。なんなんだよ!?」


「魔王と勇気というお伽噺めいたものなんてないよ?それはたった一つの理で簡潔した浄化の作用さ。


そして、もう一つ。


過去、人々が神に向かって愚かにも反逆し、地上を死の大地とした大罪。その贖罪だよ。


まあ、本質的な者ではないけどね。」


その事実に戦き、雫は驚愕している。あまつさえ憤りを越えて殺意や憎悪のようなものも少し混じっている。


「なんだよ...それ。俺たちには...」


「関係ないとは言わせないよ?あなたたち人がその身に刻まれた大罪を忘れて再び繁栄しているのだから。


神々が与えた恩恵に感謝を忘れて栄華を極め、あまつさえ支配者になったような気でいた愚かな二国の末路すら伝わっていないのを見ると、失望してまうよ。


あの子がいたなら姉妹揃って人々を滅ぼしてそうね?まあ、どちらにしてもこの世界が滅ぶことは決定しているから、私はそれまで監視させてもらうけど」


「そんな...。なんで神々が五柱も居て...全知全能の存在なのに...」


「助けたい?」


「...え?」


「世界を救いたいの?と聞いているの」


「それは...」


ここまでは私が描いた物語通り。僅かな可能性が残っていたとしてもそれを起点に世界は大きく動く。「世界を救いたい?」という質問だけで構わない。あとは待つだけ。


ここまで本当に長かった。村雨雫が、己の力を知り、魔王を倒すという絶対的な力を育てるまでの期間が、魔王の影響で随分と時間が掛かってしまった。


まさか魔王が天族に与えられるはずの力を流用して村雨雫の記憶を消すとは思わなかった。お陰様で10年あるはずの期間を短い間で繰り返し、漸く実った果実が収穫できる。


魔王は理上必ず倒される。


そういう理なのだから月に溜め込んだ穢れを全て解放したかいがあるというもの。遠回りしてしまったが、過去に現れた中小国家を1つ2つ滅ぼすような存在が1000年掛けて漸く生まれ浄化されるまでは余りにも長過ぎる。


浄化という過程を経て変換された魔力も、長い時間を掛けて蓄積され狂暴な魔物が跋扈するような死の世界になる。結局は逃れなれない絶対的な滅びを対処できる形になっただけだ。


他世界の理が入り乱れ失敗した世界でも、1億という短い時間が100年にも満たない期間で滅びる予定になれば嫌でも干渉せざるを得ない。


私は知っている。この世界が何かを。


私は知っている。神々とは何のために存在しているかを。


さて、あなたは世界をどうする?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ