招待
「もどきって...というか倒せないって何?」
「私の仮定が正しければ勇者は同族以下の魔王もしくはその眷属じゃないと倒せないってこと。皆が知ってる魔王も勇者も神からしてみればただのイレギュラーだったんじゃないかって。あくまで仮定の話だけど。」
「それが魔王が生きているかもしれないって話とどう繋がるんだよ?」
「ん?」
「え?」
「はぁ、お姉様の悪い癖が出ましたわね。」
「あ!そうそう、簡単に言うと10年前の出来事は一時的なもの。魔王も勇者も代役みたいな感じで本物は別にいる...それが君なんじゃないかって。」
そうラミアは俺を指差す。
「根拠はあるの?」
「うんそりゃあね。初めて魔王が現れて討伐された後勇者は力を失ったって話だよ?これだね。」
またどこからか取り出したのはさっき見たような古びた書類の束を見せつけてくる。表紙には何やらどこかでみたような気がするバラの花の印が押されている。
「レオン君。あ、レオン・ローズウェル君ね。名前の通り旧王家の人間なんだけど、彼が『公的文書じゃないから接収されなかったんじゃない?』って持ってきてくれてね。まあさっきのと同じく勇者の日記なんだけど最後のページ、ほら。」
「そんなに見せても読めねぇよ。」
「あ、それもそうか。失われた文字だし誤訳もあるかもだけど、それ以前に事実か分からないしね。でも、それぞれに繋がりはあるし全部が嘘ってこともないんじゃないかな?」
「それで?わざわざこんなところまで来て与太話しにきたの?」
「いいや?さっきまでの話が聞いて貰える人が少なくて勝手に話してただけだよ?話が長くなっちゃったけどここに来たのは私の研究所に来てほしくてね。はい、これ。」
するとラミアは俺に一枚の手紙を渡してきた。受け取ると中に少し分厚めなカードのようなものが入っているのが分かる。丁寧に差出人と住所まで書かれている。
「え...株式会社オニキス?」
オニキス社といえば武器や車、船の製造から武器、そして製薬までと幅広い分野で活躍している、誰もが知っている会社だ。
「え!?お姉様そんな凄い会社の人だったの?」
「まあね~。あっ、そうそう念のためだけど何があっても大丈夫なように準備してから来てね?日時は指定してないからいつでも来ていいけど、なるべく早く...そうだね、魔王が復活するまでには来てね。じゃないと意味ないから。それじゃ!」
「あ、ちょっと待ちなさい!!」
そういうロメロードの言葉を無視してラミアは虚空に消えてしまった。




