研究者が語る
「内容はね、なんと言うか世界に魔王が現れるまでの童話というか神話?みたいな感じなんだよね~」
「まさかそんな物語程度のものであんな危険な集団を作ったとか言わないわよね?」
「まあまあ落ち着いて。私まだ話終わってないよ?」
「貴女が早く結論を言わないからでしょ!?」
「もー、魔王は神が作ったなんて言っても信じないでしょ?」
その言葉を聞いて全員が絶句した。ここにいる皆も多分人それぞれ違う宗教を信仰しているだろうが、世界三大宗教の内、有名な神の名が頭の中を駆け巡る。そうして誰もが同じ考えに至っていることだろう。そんなことあるはずないと。
「みんな信じられないって顔だね。あ~あ、細かく話して信憑性を高めようと思ったけど、なんだか話す気失せちゃったな~。んじゃ次の話、本題に移るね。」
「おいちゃんと話を―――」
「魔王が生きているかもしれないって言ったら信じるかな?」
その瞬間、静寂が訪れた。全員が息を飲み思考はその話の否定しか浮かばない。そんなことあってはならない。あっていいはずがない。あり得ない。ただそれだけが全員の無言の言葉だった。
「みんなさっきより面白い顔するね~。今度こそちゃんと話を聞いてもらうよ。」
そうしてどこからか取り出したのは一冊の古びた本だった。なんとなく見覚えのあるなと思っているとエクシィが唐突に声を挙げる。
「その本は、禁書!!」
ラミアはその言葉を無視して頁を捲りながらこちらに向けて来る。先程の異界文書と同じく全く何が書いてあるか読めない。ただ、似たような文字に見える。失われた文字だろうか。
「これね、そこの~なんて言ったっけ?魔法使いの家から拝借したものなんだけどね。サクラ...ああそうサークラリア!その祖先が書いた日記、というか暇つぶしに書いた落書きかな?ともかく内容を見るに魔王が初めて現れた時の話みたいなんだよね。」
そんなこと話しているとエクシィはラミアを睨みつけながらその本を奪い取っていった。いや、奪い返したという方が正しいか。
「あんまり乱雑に扱わないでくれるかな?」
「いやー内の所員がすまないね。まあでも肝心なところの内容は覚えてるし返しても良いか。んで、その内容っていうのが、魔王含む12の魔族を魔力を強い順に並べたものだね。で、その時代は勇者はどうやら13人だったらしいね。ここも気になってて後で話すけど肝心なのは、皆も知っての通り魔族も勇者に選ばれるってこと。今はサジなんとかって名乗ってるけど。」
「なんだか話が見えないな。」
「あーもううるさいな~!!黙って聞いててよ肝心なところなんだから!結論、皆が知ってる勇者シャーリィ・ロメロードがさっき倒した魔王もどきを倒せるはずがないってこと!」




