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あなたの勇者になりたくて  作者: 天明ほのか
狂い始める日常
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不可解な事件

祖父というか師範に断りを入れ、妹にも多くなることを使えてから言われていたエスタリア聖教の支部まで足を運んでいた。いかにもといった神聖な雰囲気が漂う建物の前に違和感しか感じない車が一台止まっている。色はそうでもないが車体は軍から借りてきたのかと思うほどの見た目。多分これで移動するんだよな?なんて考えていると建物の扉が開き彼女がやってきた。

「ああ、来ていたんですか。少し早いですが行きましょうか。」

と躊躇いもなく軍用と思われる車の後部座席に座ろうとするので引き留める。

「ちょっと待って、この車で本当に行くの?」

「心配しなくても大丈夫よ。この車は特注で防弾な上に魔法も魔王の眷属クラス以上でもない限り早々壊れたりしないわ。時間も惜しいんだから早く乗って。」

そう言われ俺も後部座席に座ったがサラッととんでもないことを言っていた気がする。魔王の眷属の魔法を耐える...?いつからそんな技術が生まれたんだ?あの日から10年経ったとはいえ技術の進歩が早い。何か秘密でもあるのだろうかと考えていると前に座る聖職者の装いをした男性が車を発進させる。


町を出て舗装されていない道を走り30分走っただろうか。林道を走っていると小さな村が見えて来た。

「こんなところに村が...城壁のようなものもないし魔物に襲われたら大変なんじゃ...?」

「それがそうでもなくてね。魔物は不思議と人々が多く集まる所に現れやすいの。家畜や他の動物といても人間が必ず襲われるのだから余程人間が憎いのかしらね?」

そんな話をしていると車が止まった。そして彼女が車から降りたのを見て俺も降りる。しかし運転席の男性が下りる気配がない。

「あれ?あの人はいいの?」

「彼はいいのよ。」

と颯爽と歩いていく。目指すは村で一番大きな建物である村長宅だろうか。呼び鈴を鳴らすと中から老夫婦が出てきた。

「初めまして、エスタリア聖教の者です。本日は依頼の件で参りました。」

と首から下げていたネックレスのようなものを見せつける。

「この村の村長をしております、ダムラスです。どうぞ中へお入りください。」


「早速ですが行方不明になった者のことやその時の状況をお聞かせください。」

そうして村長を聞いてみると不可解なことばかりだった。

今回失踪した村人は一週間後に結婚式をする予定で、村の中でも好青年と評判だったらしく、黙っていなくなるような人ではないとのこと。家を調べたら直前まで料理をしていた形跡があり、行方不明になったのは夕飯前の18時頃ではないかとのこと。しかも6か月前から起きている事件の行方不明者全員が似たような状況だったとのこと。

「村中は今回のことで『また一人、鬼に喰われた。』と騒ぎになってます。」

「鬼?」

「この村に古くから伝わる昔話です。昔ここらを荒らしていた鬼に生贄を与えたら守り神となったという。今は祭りの日に村で取れた供物を捧げることを毎年していましたが...」

「鬼...ねぇ。」

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