地下水道
生徒会長が今後の活動に同行することになってからほんの2,3日の事、休日なので道場に篭って一人で鍛錬に励んでいた時、急に道場の戸が開け放たれた。振り返るとエクシィが溜息を付きながら呆れた表情で入って来た。
「見つけた!早く準備して。」
「え?何、何?」
だいぶ忙しない様子だったので仕方なく出かける準備を済ませて外に出ると見たことのある車が家の前に止まっていた。俺はエクシィにそのまま車に押し込まれて連れ去られてしまった。
後部座席に4人という狭さに耐えて、外の景色を観察していると学院方面へ向かっていることが分かった。
「一体何なんだ?」
「エリス教団の本拠地の情報を掴んだわ。今から叩きにいくわよ。」
ここ数日捕らえた教徒に尋問をして得た情報を統合して、それを頼りに調査をしてみたら間違いなく地下水道の東側を拠点にしていることが確認できたらしい。
まさかこんなに早く事態が動くと思っていなかったので驚きしかない。拷問でもしたのだろうか?なんて思っているともう学院の門が見えて来た。休日だというのに何故か門が開け放たれている。
車から降りた俺たちはロメロードを戦闘に学院の敷地に入っていった。位置が分かっているのか迷いもなく壁沿いに進んでいると地面に地下への入り口と思わしきものを見つけた。
ロメロードはその蓋を取り外し懐中電灯の明かりを付けて梯子を下りて行った。俺たちも順番に降りていき周囲を確かめる。
真っ暗な空間では懐中電灯の明かりが頼りで、辺りを確認してみるとコンクリートで固められた空間ということが分かり地面の中央には深い窪みと共に汚水が流れているようだったが不思議と嫌な臭いは漂ってこない。
「えっと東側は...こっちね。」
懐から取り出したコンパスを懐中電灯の明かりが照らし、ロメロードは目を細めて針を確認し目的の方向に歩みを進める。
どれくらい歩いただろうか。いつのまにかコンクリート製の地下水道は開発前のようなレンガ造りの水路に変わっており、所々ひび割れたり苔むしてたりする。そして一番の厄介な点は今まで一本道だったのが水路も引かれていないただの通路のようなものにも分岐してどっちに行けばいいか分からないことだった。当然そうなれば先頭を歩くロメロードの足も止まってしまう。
「どうしようかしら?」
勘で進むわけにもいかず悩んでいるとどこかから微かに声が聞こえてきた。自然とそれを聞き逃すまいと全員が静かになりその音に耳を澄ませる。すると左側の通路から声が聞こえているようだったので、満場一致でそちらに向かうことになった。
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