勝利と反省
「せーの、はい!!」
エクシィの言葉で結界が解かれタイミングを計り能力の一撃を入れる。そしてエクシィは予定通り魔法の呪文を唱え始める。予想通りならここで結果が分かる。
「はぁ?結界を解くなんて本当に...?あれ?」
一瞬の呆れもすぐに困惑に変わり何度も異能を試しているようだ。そしてその様子を見て勝ちを確信す
る。
エクシィが考えた策というのはかなりめちゃくちゃなものだった。結界を解く前に能力で病毒を遮り、その隙にエクシィが魔法で消滅させるということだった。
まず消滅させるような魔法が合うこと自体に驚きもあるが、この作戦実は欠陥もある。エクシィの物理結界は範囲外の物体全てを遮断するのに比べ、俺の能力は境界を指定して一種のみ遮るというものだった。
もし女性が境界を越えてしまえば全くの無意味になっていたであろう。
「...時は満ちた。ロスト・マテリアル!!」
エクシィのその言葉と共に周囲は目を瞑りたくなるほど白い閃光とあまりの熱気に全身が炎に包まれたあのような錯覚に陥った。俺は迫りくる閃光に死を感じ、熱気を遮るために能力を全員に使う。
そして轟音と共に爆ぜた白い光は前方の地形を変えるには十分だった。土埃と熱気、そして川が蒸発した時の霧に辺りは包まれた俺たちは追撃をするかどうか気配を感じながら待機する。
もしこの作戦が失敗していれば優位だった状況が完全に覆ってしまう。何故ならあの魔法を使ったあと、しばらくエクシィは魔法が使えないというのだから。つまり結界で耐えることは不可能になり、逃亡する選択しかなくなる。そうなればあの村も壊滅状態になるだろう。
全員が息をのみ周囲の景色が張れるまで数分、エクシィが放った魔法であの女性が完全に消滅したことを確認した。
「やった....!!」
初めて魔王の眷属に勝利した喜びでもっと子供のようにはしゃぐと思っていたが先の苦しみを身体が思い出し、少しの恐怖に震える。
たった一つの判断の誤ちで仲間を危険にさらしたこと。それは猛省すべき今回の失敗だった。もし相手が悪ければ確実に全滅していたのは間違いない。俺の心は罪悪感で満たされていく。
「村雨君、大丈夫よ。」
「ほんと、ごめん。」
そう言ってロメロードは慰めてくれるが、俺はどうも気丈に振る舞う余裕もなかった。




