再会
結局あの鬼人刹那が言っていたフィーの母の手がかり、王家の谷というのも王家の所有地で王家の人間でさえ滅多に立ち入らないほどの場所だそうだ。いくら旧王家と言っても許可を取るのは不可能だろうとロメロードも言っていた。一体刹那はどこでそんな情報を手に入れたのやら。結局何も進まないまま数日が立っていた。
今日は忘れていた大会で折れた刀の代わりを新調するために武器屋の方まで赴いていた。かなり大切に扱っていた刀だったので折れたのはあれで初めてだった。修繕出来ると思っていた俺を鍛冶屋の人が無理だの一言で俺を悲しみのどん底へ突き落した時はどうしようかと思っていたが、折れてしまった方は手入れをして部屋に飾っておいた。いつでもあの感覚を忘れないために、自分の弱さを戒めるために。
そうして俺は古き友の別れを惜しんで武器屋の戸を開いた。知っている武器より知らない武器の方が多く並ぶ店内は、奥から聞こえる鉄を叩く音だけが響いてくる店内がどこか安心感を覚えそうなほど閑散としていた。
店内をよく観察してみると武芸の道を歩む人が使いそうな武具の外にも実用的な包丁や鍋、銃の薬莢なんかも置いてあって一瞬来る店を間違えたかなんて思うくらいの異質さを放っていた。
俺は刀が置いてあるコーナーに行き、一つずつ手に取って癖や質などを見極めて自分にあった相棒を探していた。
どれくらいの時間色んな刀と触れ合ってきたか。ついにその刀を見つけ出し歓喜の余り声に出して喜んでしまった。
「「見つけた!!」」
俺の声と同時に発せられた声の主は店の扉を開け、嬉しみに染まった顔を店内に轟かせていた。そしてその顔は何処かで見たことがある知った人だった。
「やあ雫君じゃないか、久しぶり~!」
「え?ああ、久しぶり。」
「折れた武器を新しく買い変えてたのか~、っと僕としたことが自己紹介がまだだったね。僕はニコラス・ユーリベルト。よろしくね~!」
そういい彼は握手をしようと手を出してくる。
「俺は村雨雫。よろしくだ。」
俺も勢いに負けじと握手を交わす。すると今度は満面の笑みをこちらに近づけてきた。思わずの行動に仰け反ってしまった。そしてこちらのことなどお構いなしに握手したままの手を上下にブンブンと振り回してくる。
「そうだ!!刀買い終わったら一緒に戦おうよ!君とは大会では惜しくも戦えなかったし、あんなことが
あって中止になるしで消化不良だったんだよ~。ね、いいでしょ?」
つぶらな瞳で語りかけて来る彼は相変わらず距離感が近い。正直、もうペースについていけない。これは首を縦に振らないと話してくれなさそうだ。
「あ、刀が壊れたらまた新しいの買うの手伝ってあげるしお金もこっちが出すから。ね、いいでしょ~ねぇねぇ~。」
「あーはいはい分かった、分かったから離してくれ。」
「やった~!!」




