衝撃の対戦相手
それから楓とロメロードと俺は何回戦かしその戦い全てを難なく勝ち進んできた。しかしその快進撃もここで終わろうとしていた。そう、次の対戦相手が魔族だからだ。
「ツァイス中央学院」
放送が聞こえ戦いの準備をする。そういえば、オルノスの姿が見えないがどこに行ったのだろうか。少し前の試合で勝利していた彼だったが祝いの言葉でも行ってやろうと思って迎えに行ったら姿が消えていた。全く難儀なやつだ。
そんなことを考えているとリング前の通路でばったり出くわす。
「おう、雫!!お前ならここまで来れるって信じてたぜ!」
「そういうお前は随分余裕そうだけどな。」
「ははは、まあな。優勝したら帰った後どっちが強いか勝負するか?」
「バカ。そういうのはフラグだろ?黙ってろ。」
そんないつも雑談に花を咲かせリングに上る。人生で共闘なんて初めてだ、上手くやれるだろうか。そんな不安を一気にかき消す人物が目の前から現れる。
俺たちより一回り背の高い一本角の鬼。忘れることはない、俺が死にかけた魔族、刹那だ。
「久々だな。」
「...ああ」
この2週間あの時の屈辱を思い出しながら切磋琢磨していた。その雪辱を晴らせる時がやってきた。そして相手の方は俺がどれくらい成長したかを舐め回すように見てくる。
「雫、知り合いか?」
「ああ、因縁のな。」
因縁。きっとこの言葉にオルノスは一人で相対させるべきか迷っているのだろうか。少し俯いている。俺も出来ることなら一人でやり合いたいところだが試合でそういうわけにはいかないだろう。
そうして悩む暇もなく時間は過ぎ去っていく。試合開始の合図がなされた。
最初に動いたのは刹那の方だった。こちらの実力を伺っているのかあの時より少し早い動きで距離を詰め魔族特有の膂力を以て途轍もない重い一撃が俺たちを襲う。
「早っ」
出遅れたオルノスは何とか防御姿勢を取るも判断が遅れたせいなのか、その一撃でリングの外に飛び出し壁に激突して気絶していた。
俺には分かる、刹那はまだ本気ではないと。そして退屈そうな目でこちらを伺っている。剣を持っているというのにどこからでも攻撃してくれと言わんばかりの隙だらけの姿を見せつけられ、思わず憤りを感じてしまう。
本気で来い。そう煽っているのだ。ならばその意気込みに答えなければ。
「集極-合-」




