魔物の増加
今日は何てことのない平和な一日を学校で過ごす予定だった。割と普通で常識な内容の授業を数度の欠伸と乗り越え、日々の鍛錬の成果を剣術の授業で発揮する。
そんな一日になる予定だったのだが、こんな魔物や魔王が現れる世界で永遠の平穏などあり得る訳もなくそれは昼食に訪れた。
俺が学食で日替わり定食を食べていると神妙な面持ちで彼女が俺の前に無許可で無言で座り、間になんの会話もなく食べ続けている。しばらくそんな時間か続き、気まずい状況に耐えられずに声をかける。
「おい、なんだよ。何かあるなら言ってくれ。」
「ここで話そうかとも思ったのだけれど、エクシィさんが居ないところで話しても二度手間になると座ったあとに気が付いて。ともかく、食べ終えたら中庭に。」
そう言ってサンドウィッチを食べ終えた彼女を引き留める。
「エクシィは魔法学科で別校舎。どこにいるのか分かってるのか?」
「ええ、昼休憩中はいつも図書館で本を読んでるって。じゃあね。」
いつものことながら全く愛想が良くない。もう少し笑顔でも見せてくれればこっちもやる気が出るというものだ。まあ俺が言えたことでもないが。
とりあえず昼食を食べ終えた俺は面倒だが早速中庭に来ていた。そして辺りを見回し設置させたベンチに座っている二人を見つける。
「ここにいたか。」
「やっと来たのね。随分と遅いようだったから面倒になって逃げたのかと思ったわ。」
「逃げてねぇよ。それで?話っていうのは一体何なんだ?」
その仕事に関するであろう簡単な質問に数秒の間が空く。それほどまでに深刻なものなのかと生唾を飲み、静寂からか自分の心臓の鼓動さえ聞こえてくる。そうして彼女は口を開く。
「魔物の異常発生が起こっているの。」
たったその一言だったが彼女の眼は真剣そのもので顔は青ざめている。
「あり得ないはずなの。本来魔物の発生原因であろう魔王が倒されれば緩やかに魔物の数は減っていく。1000年前の記録からもそのことが詳しく残っていて...ともかく、今回はその原因を突き止めたいのだけれど。」
「あまりの多さに人手が足りてない。だから殲滅に向かって欲しい、と?」
「ええ、もしかしたら途中で何かに気が付く可能性もあるし、とりあえず二人には手伝って欲しいの。」
「任せて頂戴!魔法学科試験1位の実力を見せてあげる。」
「ああ、俺も鍛錬の成果を見せる時が来た。任せろ!!」
「ありがとう、二人とも。」
そうして俺たちは放課後早速向かう予定となった。




