食卓を囲んで
「知り合いなのか?」
二人に問いてみるが楓の方は敵対的な目でサークラリア先輩を睨んでいる。サークラリア先輩の方は楓を
挑発的な目で見ており二人がどういう関係性なのか察してしまった。
「あんたの妹、この間の魔法学科内で大会に向けての出場者選抜で私にこっぴどくやられてね~。」
「この人酷いんだよ、兄さん!私が詠唱終わってないのに平気な顔して魔法放ってくるし、挙句の果てには詠唱終わるまで待ってあげるよとか言い出すんだよ?」
そう言いながら俺の服の裾を掴み背後に隠れてしまっている。
「まあ、魔法学科内全員の中で2位なんだから私がいなかったら間違いなく1位だよ。それに一応大会には出られるんだからよかったじゃない?」
「よくない!!」
「あははは、やっぱりあんたの妹面白い人ね!」
「あ?ああ。大切な大切な妹なんだからあんまり意地悪しないでやってくれ。」
「そうね。よかったら今度魔法についての応用を少し教えてあげても良いけど?」
「本当に!?エクシィちゃんありがと~。」
そう言って楓はエクシィに抱き着いてしまった。その光景が仲の良い姉妹に見えて微笑ましい。そんなことを考えているとロメロードが咳払いをして緩んだ空気をもとに戻す。
「ここには何をしに来たのかしら、村雨君?」
「ああそうだったな。とりあえず飯にでもしよう。」
「よかったらアルメラさんとエクシィちゃんも食べて行って?」
「後輩ちゃんの料理か~楽しみだな~」
「いえ、私は家に帰ってから...」
「いいからいいから、アルメラさんもほら座って。」
しばらくして再び温められた料理がテーブルに並べられた。今日の晩飯は焼き魚に煮物、ご飯とほうれん草のお浸しと冷奴という割と普通な品々だ。
「「いただきます。」」
「大地の恵みの感謝を。」
「五神の加護と恵みに感謝を。」
家に誰かを上げてこうして食卓を囲むなんてかなり変わった光景だ。少なくともこうして二人だけじゃない空間の食卓は両親が亡くなる前ぶりだろう。やっぱり誰かと食べるのは幸せだ。
「へぇ、結構美味しいじゃん。」
「楓さんありがとうございます。わざわざ私たち客人に食事まで用意していただいて。」
「いいのいいの、まだいっぱいあるから食べて行って。こんなに賑やかなの久しぶりだし。」
「また今度何かお礼をさせて頂戴。」
「私は魔法を教えるってことで。」
「もう、そんなに気にしなくても良いのに。あ、魔法は教えてもらうけど。」
「え~私だけ不公平だよ~。」




