不審者登場
「な、なんだ!?」
「来たみたいね。」
爆発音で眠気が覚めた俺はすぐに準備をして休憩室を出る。すると教会の入口から火薬の臭いが漂い、壊されたドアから差し込む月明かりを後光に誰かが入って来た。
「誰だ!」
「おや、こんな時間に教会に人がいるなんて随分信心深い人も居たものですね。」
「私はそうでもないのだけれど。」
純白のスーツと赤いネクタイ、青い仮面とその可笑しな恰好に思わず怪訝な顔をしてしまう。
「ふふ、私を見た人は毎度君のような顔をしてしまうのだからこちらとしても困ってしまうよ。この服装は仕事着であり私なりの礼装なのだから。」
「そう、やっぱりここの禁書を狙ってきたのね。」
「ふむ...君たちは何か勘違いをしているみたいだね。私は人には過ぎたものを回収しにきたんだ。」
「はぁ?そんな言い訳通用すると思ってるのか?」
「そうね、貴方がそれを仕事と言うならここを守るのも私たちの仕事よ。」
「昨日の侵入の形跡を残したのですからこうなる事は予想済みですよ。」
そう言い懐から丸い球を取り出す。瞬時に俺は警戒し刀を構え距離を取る。ロメロードの方はというと俺よりも先に銃を取り出し、見事に丸い球を打ち抜いていた。そうして球はあいつの手から離れる。
俺たちはあいつが取り出したのは入口を破壊したのと同じ爆弾だと思っての行動だった。しかし打ち抜いた火薬が入っているであろう球はシューという音を静寂に放つだけだった。
「息を止めなさい!」
最初に違和感を感じたのはロメロードだった。言われるがまま呼吸を止めるがどうやら遅かったらしい。全身の筋肉が言う事を聞かず平行感覚も失い、右手に持っていたはずの刀は手から離れ俺は地面に倒れてしまった。ロメロードの方は大丈夫かと力を振り絞って首をそちらに向けてみるが俺と同じく地面に倒れてしまっていた。
「安心して下さい。このガスは一時的に行動を阻害するものです。命に係わるようなものではありませんよ。」
そういうあいつはこの空気の中、何事もないようにそこに立っていた。
正直悔しい。今まで誰かを守れるようにと研鑽していた剣術がたった一つのきっかけだけでこんな醜態をさらしてしまった。動きたいと願っても身体は全く言う事を聞かない。
「無様ね。」
聞き覚えのある声に自然とそちらに目を向ける。
「サークラリア...先輩」




