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あなたの勇者になりたくて  作者: 天明ほのか
古に咲く花

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20/70

客人

朝、唐突なインターホンの音で目が覚めた。誰だろうと家のドアを開けるとそこにはロメロードが立っていた。


「寝起きでしたか、こんな朝早くからすみません。急ぎだったので。」


「ああ、とりあえず中にでも入って。」


客室に通し冷蔵庫からお茶を取り出しコップに注ぐ。そしてお茶をロメロードの前に起き椅子に座って要件を聞く準備をする。


「手短に話すと今日の夜、教会本部の禁書庫に誰かが侵入した形跡がありました。」


「え!?それってかなりマズいんじゃ?」


「幸い何も盗まれずに去っていったみたいですが目的もなく禁書庫に入るわけありません。狙いは教会本部の禁書庫になかった禁書とみて間違いないということです。」


「じゃあ次に狙われるのは支部のどこかということか。」


「ええ、その支部の中でも一番大きな教会がここツァイス中央都市にある教会支部。手に入らなかったからと今日動くかどうかも分かりませんが人手は多い方がありがたいです。」


「ああ分かった、一緒に行かせてくれ。」


そんな話をしていると廊下から足音が聞こえてくる。妹が起きたか。


「兄さん、お客さんが来てるの?それならそうと言ってよ。」

そう言って開かれた扉には驚いた妹が立っていた。


「あれ?えっと~彼女さん?初めまして雫の妹の楓です。」


「村雨君とは”友達”をさせていただいています。アルメラ・ロメロードです。」


「そうそう友達?ね。」


「ロメロード!?あの勇者の!?さ、サイン頂いてもいいですか?」


「あ、こら。お客さんに失礼なことしない!」


「ご、ごめんなさい!!私勇者さんには初めてお会いしたので緊張していてそれで」


「ふふ、気にしないでください。それに私は勇者の娘であって勇者ではないのですから、そんなに畏まらなくても。」


「いいえ!是非とも敬意を以て接しさせていただきます!」


「う~ん、じゃあアルメラと呼ぶのと私と友達になるのどっちがいいですか?」


敬語で話しているのに名前だげアルメラと呼んでいたら変、友達なのに敬語は距離感が遠い。随分と無理やり距離を詰めたものだ。


「じゃあ友達をさせていただきます。」


「ええ、よろしくね。でも...折角友達になったのに敬語を話してたら少し変じゃないかしら?」


「え、えっと~。」


「私、勇者の娘っていう肩書のせいで今まで友達と呼べるような仲の良い人もいなくて。」


「分かりました!これからよろしくです、アルメラさん!!」


「ええ、よろしくね楓さん。」


妹に新しく友達が出来る瞬間に立ち会えた。兄としてこれほど嬉しいことはないと思わず笑みを零してしまった。

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