探し物
「俺たちは今学院で噂になってる夜に図書館に現れるオーブのついて調べてて、そのオーブを追ってきたらここにいたというか...」
「そう。」
何とか説明してはいいもののまだ少し警戒されているか。いや、夜にオーブを追てきたとかいう謎の不審者に何言われても警戒が解けるはずもないか。そんなことを考えているとサークラリア先輩が顔を近づけてくる。
「貴方、どこかで...?」
そう言いつつ俺の顔をこれでもかと凝視してくる。一度しか合っていないので忘れているのだろう。少し悲しいな、と思いはするものの先程の戦いでの気配でなんとなく思い出した程度だ。そうしてそのまま数秒が過ぎ、やっとの思い出したのか声を上げる。
「ああ、あの時の。」
「思い出していただけましたか先輩。」
「面識あるんだ?」
「この前五大神教のレポート課題出された時あっただろ。その時に図書館で。」
「へ~。」
「貴方の先輩になるつもりはないと言ったでしょう。まさか使い魔を追ってここまで来るなんてね。」
「それで夜の図書館で何してたんですか?」
「貴方には関係ないことよ。もう用がないなら帰ってくれるかしら?こう見えても私結構忙しいのよ。」
「ああ、わかった。」
相変わらず刺々しいななんて思いながら帰ろうとすると幼女先輩に声を掛けられる。
「ねぇ、どこかで古書を見なかった?」
「古書?ん~、そういえばあの時の」
と思い出しながら言おうとすると振り返った俺の胸ぐらを勢いよく掴まれる。
「どこ?」
殺気が篭ったその質問に先の戦いでの出来事が脳裏に浮かび少し恐怖を覚えてしまった。可愛い見た目とは裏腹に凄い力強くて、その差にときめくなんてことあるはずがない。
「お、おい!」
「学院の図書館一階、宗教関係が載ってる歴史書のどこか」
そう言った瞬間胸ぐらを掴んでいた手は離され、先輩は空へと飛び立っていった。恐らく魔法で学院まで飛んで行ったのだろうが、戦闘中に放った魔法の威力や相手の攻撃を容易く受け止める力量は御三家に連なる者としては当然なのだろうか。いや、きっと絶え間ない努力の果てにあれ程の実力になったのだろう。そう考えるとやはり尊敬できる正に先輩だろうと思ってしまった。
「帰るか。」
「ああ。」




