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Sweet Bomb  作者: 白河夜舟
fin.甘美爆弾っ!
73/75

65.はぁ、とんでもない娘を持ったものだ

 当然アウト。絶対アウト。普通じゃなくても二度と会いたくない。

 それが普通。当たり前。常識。コンプライアンス違反。


 ん?ギルティ、まんざらでもない、とか、言い出しそうだな…

郁美君(いくみくん)、君という人はだねぇ!」

「えー!いい(イケメン)積極的(ポジティブ)に捕まえとかなきゃ、他の(ライバル)獲ら(奪わ)れちゃうのよ?」

「だからと言ってだねぇ、あれはないだろうあれは!」

「そーお?」

「もしも君が男で彼が若い女性だったら、絶対アウトだろう?」

「だって違うじゃん」

「似たよなもんだろうが!」

 ま、それも、そうか。

 でもねぇ、あたしだって相手は選ぶよ?見境なくとかしないよ?

 彼だからなんだよ?乙女の純情をささげてもいいと思えたのよ?

 父ちゃんなんだから、応援してくれてもいいんじゃないの?

 ガミガミいう狸親父(父ちゃん)の小言を左から右に流(馬耳東風)しながら、あんな死闘を繰り広げていた相手に恋愛感情(ラブミー)持っちゃうだなんて、あたしって何なの?とか思っていた。

 でも、気は、合うのよね。

 絶対に殺してやるんだから、とまで燃え上がった感情は、試合の後ではきれいサッパリ無くなってる。

 あたしのトラウマを、パパ(当人)の相談を受けて解決策を示してくれる頭の良さもある。

 大人の包容力と立場も持っている。

 おまけじゃなく、重要な事として、顔と声がイイ。スゴクいい。

 これって、最高の相手じゃん。めったにいない好物件。

 で、あたしは、他の(ライバル)は持っていない持ちようもない、天才で絶対無敵という武装があるじゃないのさ。

 こりゃもう、アタックしないわけにはいかないわ。試合(片思い)を最後まで捨てな(諦めな)確固た(絶対成就させ)る覚悟はしっかり持っているつもりよ。

「聞いてるのか郁美君(いくみくん)!…はぁ、とんでもない娘を持ったものだ」

「なによぉ。父ちゃんだって、あたしの母ちゃんに猛アタックしたんでしょ?何十年か越しの恋を実らせたんでしょ?

 …あたしだって、恋したいもん!」

 だって、花のジョシコーセーなんだよ?

 ガッコや近所に、あたしに釣り合う男なんていない。

 ドーリングでたまーに見かける、“いいな”と思う男は、既婚者子持ち(恋愛対象外)だったし。

 そーいえば、あたし、病院のお見舞い=男探し、な認識があるかも?

 まさか、ね。

 でも、弱っている男って、なんか、グッとくるもの、ない?

「まあまあポンスケ。いくみぃだって悪気があったわけじゃないんだし」

「悪気大ありだっただろうが!」

「暴れないだけ、ずっとマシだろうが?」

「暴れた方がまだマシだったわ!」

 エアタクシーのモニター越しに、パパが一応とりなしてくれている。

 内容は、ありがたいもんでもないんだけどね。

 ホント、パパもあたしの事なんだと思っているのかしら。

 ただの乙女の純情を打ち明けただけなのにねぇ。悪気だなんて、失礼しちゃうわ。

 でも。

 ギルティ、パパのことは興味津々で、“掲示板”でのラグいやり取りは大変そうなので。

 パパに会わせてあげるからという理由でデートに誘えるわね。これも、他の(ライバル)には出来ないことよ。

 そ、あたしにしか出来ない事。あたしを“特別な存在”にして貰わないとね。

 負けないゾやるゾ頑張るゾあたし。うーん、燃えて来たぁ!

 暴れないだけマシ、というポジティブな見方もあったか。

 いや、ダメだろ。


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