48.著作権は切れてるから大丈夫よ
新章開始。次回が最終章。ラスト2章です。
25年前の書きかけの作品に、(本当に、おしまいっ!)を入れられるとは、感慨深いです。
そして誤字脱字推敲編集が、これまた大変です。
「しょう しょう しょうじょうじ しょうじょうじのに~わ~は~」
「姫様、何ですか、その歌?」
「いくみぃ、なんだいその歌?」
ついつい口に出る鼻歌に、左モニターのイケメン騎士と右モニターのサエナイおっさんが同時に反応した。
「ん~著作権は切れてるから大丈夫よ」
「著作権?」「著作権?」
そんなにキレイにハモらなくていいのよ?
ってか、あんたら、いつのまにそんなに仲良くなったの?
あたし、スゴく忙しいの。暇なら手伝って…くれてるからいいか。
いくら連戦だからといっても、インターバルが1時間とか、こっちの身にもなって欲しいものなの。一試合につき、長くても基本20分。それで判定が付かなかった延長戦でも、10分あれば大体決着がつく。
ちなみにあたしの得意技の一つは、開始30秒で決着、って感じね。
でも、Sweet Bombとの前の試合は、1時間20分掛かったんだそうな。
そうなの??
ぜんっぜん、ワカラなかった。
あの、訳の分からない変なおどりを淡々とずっとエンドレスに近い形で観せられた挙句、互いの機体が抱き合ってそのままコクピットを乗っ取られて、ようやく試合終了。
そりゃ、観る方はタマラなかっただろうなぁ。
だってだって、あたしだって命は惜しいわよ。これでもかって感じできっちりハメきらないと、バッサリおしまいじゃないのさぁ。
大体、リザーバーとかあたしが以前搭乗ってた機体とか出してくるだなんて、大会運営者、ほんとバカじゃないのっ!
責任はすべて運営側よっ!
ホント、冗談じゃないわよっ!
…それがどうしたって?
あら、わかんないの?ホンッと、おバカさんね。
しょうじょうじのにわは つ つ つきよだ みんなでて こいこいこい なのよ。
フィンファンネルとあたしの踊りで、観客も含めて、つきよにはなざかり、だったでしょ?
おいらのともだちゃ ぽんぽこぽんのぽん なのよ。
いいこと?童謡に、理屈を求めてはいけないの。
そこに理屈を求めるから、おバカなコンピューターは騙されてくれるのよ。
あくまでも先人の作品に敬意を払い、著作権の有無を確かめたうえで、ありがたく使わせて頂くのが正しいドーリングってもんよ。わかった?
それにしても、ついつい口に出てしまうわ。いいリズム、いい歌詞ね。
「姫様のお考えは、常に正しいのです。…よくわからなくても」
いいのよグランザール。あなたはそのままのいい男でいてさえくれれば。
「いくみぃ、たまにわけわかんないこというよなぁ。異世界転生者みたいだなぁ」
ちょっとパパ、そういう刺激的な事言わないで。だいたいそんな言葉、どこから拾ってきたのよ?
こんなやり口、観客にウケるはずなんてないのは、よーく知ってんの。
あたしはあたしがやりたいようにやる。それが“絶対無敵”の極意なのよ。
…ま、ハメ技だなんて、卑怯な手だとは思う。ていうか、卑怯としか思わない。
ンなこと言ったって、あの状況では、他に手もないし。
パパさえちゃんとしてくれれば、こんな訳の分かんないやり方じゃなくて、真正面から叩きのめして差し上げたんだけどなぁ。
でも、まあ、全くの無傷でSweet Bombが手に入るなら、それなりの甲斐はあったわね。
そうよ、いいのよ、勝ちさえすれば。観客の事なんか、かまってらんないわよ。
卑怯上等よっ!
取ってもとっても(すっごく)誤字脱字。ホント、大変です。
作者とか作品とか読者とかやりたいように書くとか、ちゃんと編集(変換)している、よね?
もしかして、見逃して(見落として)いるのかもしれません。