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Sweet Bomb  作者: 白河夜舟
6.剣聖降臨っ!
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38.コブとポンスケ

 親には親の事情というものがありまして。

 でも、そういうことに興味を持ちだす子供のことを、親は割と嬉しく思うもののようです。

 ん~ぶちまけちゃったかなぁ。でもねえ、オーナーとパパが揃っているときにこそ、その辺の裏事情(あたしが知らないこと)は知っておきたいのよね。

「ブラックマーケット関連か、シンジケート関連か、軍関係か、その全部か、他にもあるの?」

「ハハ、なんだいそれ?あっしとオーナーは学生時代からの付き合いで、ポンスケは昔から頭が良かったからなぁ。難しいことは、あっしにはわからんよ?」

 学生時代?

 まあ、パパにもそういう時期があったのは頭では分かるけど、心ではわかんないわ。

 それにしても、ポンスケ?

「やかましいわ、コブのくせに!」

 珍しくオーナーが声を張り上げた。

 コブ?

「なんだよポンスケ、折角ほめてやってんのに。お前昔から素直じゃないよなぁ」

「その呼び方は止めろと言ってんだろが、コブのくせに!」

 なによ、コブって?

「いいだろ別に。かわいいだろポンスケ」

「かわいくないわっ!」

 ああ、学生時代のあだ名なのね。

 ポンスケ…オーナー、昔から狸顔だったのね。

 んじゃ、コブもあだ名。コブ、コブ、コブ…とり?

 小太り、かぁ…

 まあ、昔のあだ名を言われたくない気持ち、わからなくもないかな。

 あたしの昔のドーラーとしてのあだ名(アズラエル)も。

 あたしの体型の遺伝的な原因としてのあだ名(発育郁美)も。

 顔とか体型とかさぁ、そういうのイジクル(弄ぶ)の、やめなさいよもう。

 って、あたしも結構ヤッテんの(同類)か。

 ッテ、あたしはいいのよ、青春真っただ中のジョシコーセーなんだからっ!

 むさいおっさん3匹に囲まれて大事な試合(賞金稼ぎ)に行かなきゃならないこっちの気持ちにもなってミロってーの。

 ま、(げん)さんだけは大好きだから許してあげるけどねー

 にしても、イケメン成分が足りないわ足りないのよ。

 そんなあたしの気持ちも知らずに、ポンスケとコブは仲良さげに昔話の花を咲かせている。

 どうも、うちの母ちゃんも含めて同学年同級生だったらしくて、卒業後も付き合いは続いていたらしい。

 パパと母ちゃんが、(オーナー)に結婚報告にいったら、ポンと結婚資金を出してくれたのが自慢なんだかなんだとか。若い頃の(ポンスケ)、結構羽振り(金廻り)が良かったみたいね。

 で、あたしが生まれてしばらくして、オーナーがパパに、ドーラー(パイロット)にならないか、と誘ったのね?

 闇事情関係、裏事情関係は、あんま関係ないらしい。

 じゃあ、なんでまた、こんな危ない職業(命がけのお仕事)を選んだのよ?

 聞いてみたら、お前はまだ知らなくていいとかなんとかごにょごにょ言ってたけど。

 単純に生活費が足りなくてローンも返せなくなってた、という話らしい。

 …はぁ。

 大の大人が夫婦して(いい年こいて)なにやってんのよ。

 母ちゃんはどこまで知ってんの?と念のため聞いてみたら、全く知らない、うまく隠し通したのだと、パパ(コブ)オーナー(ポンスケ)は自慢げに声を揃えてのたもう(ハモッ)た。

 別業種(ヨソ)で働いていることにするという、あたしとおんなじワンパターンで最強な隠蔽術(隠し事)か。

 ま、だまされやすいお調子者、という所も夫婦(父母)そろっておんなじか。

 んで、あたしもその辺の血筋(遺伝子)をしっかりと引いているのかもね…


 あだ名で呼び合う仲の良さ。ついでに同学年同級生、男子二人女子一人。

 青春ですなぁ。

 青春はいいんだけど、生活費に困って泣きつかれたので、チョイとアブナイお仕事だけど、ヤッテみる?みたいな話で、おーい青春はドコいったんだー

 世の中、そんなもんです。

 

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