表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Sweet Bomb  作者: 白河夜舟
6.剣聖降臨っ!
43/75

35.ワシ、郁ちゃんの事、まだまだ分かっとらんかったわ

 うわーっと書いていたので、誤字脱字が出るわ出るわ。

 こうやってチマチマと編集して推敲して体裁を整えるのって、結構大変ですね。

 書く時はうわーっ、なんですけどね。

 みーよに礼を言って、別れたその足で、学校の理事長室に上がり込む。

 あたしの正体を何となく知ってるくせに、深入りは絶対にしてこない、みーよの距離感がとても好きよ。

 もう少し買い物とか遊びに付き合ってあげたいんだけど、ごめん、スケジュール的にあんまり余裕がない。

 みーよ、あんたのパパの借金、あたしが何とかしてあげなきゃなんないからね。

 そして、あたしのパパの身体、あたしが何とかしてあげなきゃなんないからね。


(げん)さん、整備状況(チューンナップ)は?」

「機体に負荷(ふか)を掛けすぎだよ。あれは、ちょっとびっくりしたわ」

「そのへんは、(げん)さんの腕でなんとかしてよ。無駄(余計)な力は一切機体には掛けてないつもりよ?」

「わかってる、つもりだったけどね。いやあ、ワシ、(いく)ちゃんの事、まだまだ分かっとらんかったわ」

 ちょっと、ほんのちょっとだけ悔しそうな(げん)さん。

 自分の身体のように滑らかにしなやかにグランザール様を操るあたしに合わせて機体をセッティングしてくれる(げん)さんだけど、そうね、全身を滑らかに回して力場を一点に伝える螺鈿(らでん)の技は、初めて見せたかもね。

 別に敵を欺くには味方から、なんて言うつもりもなくて、今までは単に使うほどの相手(強敵)とか状況(ピンチ)にならなかっただけなんだけどね。

 フィンファンネルの力場と、あたしの螺鈿(らでん)の技でグランザールが作り出すフィールドバリアーの力場。

 まあ、お相手はもちろんだけど、あたしの機体も無事では済まない、かもしれないわねぇ。

 相手の爆発に巻き込まれて、ではなく(そんなヘマはしないわ)、機体を瞬間的に過負荷状態(オーバーロード)にしてるからね。

 いやでも、自分の身体で技を試してるときは、別に何でもないのよ?

 ま、連発はできないんだけど、さ。(実はすごく疲れるんだよね)

 なので、あとは整備士(メカニック)(げん)さんにお任せ(よろしく)なんだよね。


 メガドーラー・オブ・メガドーラーを決めるこの公式大会(トーナメント)は、連戦形式(インターバル無し)

 弾薬とエネルギーは試合ごとに補給されるけど、武装や手足を失うと、修理でき(元に戻せ)ない。ただし形が残っていれば、修復(リカバー)はできる。

 あたしの無茶な操作で蓄積されたグランザール様の機体ダメージは、公式には記録されない。別に攻撃されたわけじゃないからね。

 当然、形はそのまま、というか無傷なので、パイロット的には普通に修理して欲しかったりする。

 んでも、普通(並み)の整備士だと、ダメかもしんない。結構、無茶してるのは自覚してる。(げん)さんを信頼してるから、100%直してくれると信じてるからなのよ?

 ね?できるわよね?

 と、笑顔を向けてみる。

「やるだけのことはやった。次の試合までもう少し時間があるから、とりあえず搭乗()ってみてくれ。細かいところは微調整(アジャスト)する」

「りょーかい」

 さすが(げん)さん、頼りになるぅ!


 ついでの話だけど。

 フィンファンネルは肩装備で、左右それぞれ8機ずつ。単独で失った時は、修復扱いにして欲しいけど、ダメなんだって。

 普通の盾を削られても、修復は可能。じゃあ、フィンファンネルも“盾”扱いにして欲しいものなんだけどね。

 なので、これまでのドーリング(試合)では、フィンファンネルをあんまり攻撃にも防御にも使っていない。故障は直せるけど、撃破されると戻せないのよね。

 必然、手足さえ残れば直せる、いえ、直してくれる機体に過負荷(オーバーロード)を掛けてるんだよね。

 ま、今までも機体をさんざんこき使ってた、そのままのスタイルだけどねぇ。

 ついでに武装はいくら壊れても、大会から憐みの2000crは支給されるから、その範囲内では使い放題、直し放題、交換し放題だった経験が生きてるんだけどねぇ。

 それだけ、隣のコロニーと小惑星の採掘権をめぐる試合の代表者を決めるこの大会は、コロニー側としても金と手間を掛ける価値があるわけなんだろうけどさ。

 源さんがいるからこそ、無茶ができる。

 郁美がいるからこそ、整備にやりがいが生まれる。

 お互い、win-winの関係性です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ