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Sweet Bomb  作者: 白河夜舟
4.告死天使っ!
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23.生卵山芋納豆丼

 幕間エピソード、短めです。

 郁美は高級寿司からジャンクフードまで選り好みしないので、その辺も書きやすいです。

 番外編でも掲載していますが、本編にもちょこちょこ描いていきたいですね。

 ったく、やーな夢、みちゃったわ。

 それもこれもあのやさ男、ギルティ・ランスのせいよ。

 あれ程、昔の名前で呼ばないでって言ってるのに。

「どしたの郁美(いくみ)

「…なんでもない。それより母ちゃん。今日、店長からバイトの残業頼まれてるんだ。帰りは遅くなるから」

「また、なんとかいうゲームのデモンストレーション大会かい?」

「ん……今回は公式のトーナメントみたい。一回戦で負けたらすぐ帰れるけど、あたし、負ける気無いし」

「ハイハイ。あんたのやる事だから、あたしゃなんにも言わないけど。せいぜい気をつけておくれ」

「ん……」

 生卵山芋納豆丼のお代わりを受取りながら、あたしは母ちゃんに心の中で詫びた。

 ま、ウソは言ってないし。

 “せいぜい”気をつけるつもりよ。

 ゲーム関係には全く興味のない母ちゃんには、あたしはゲーセンでのバイト兼インストラクター兼所属選手の一人という事にしてある。その辺は、オーナー、じゃなかった、ウチのガッコの理事長が上手い事やってくれている。ま、あたしにへそ曲げられると、自分の借金首だって危なくなるんだから、当然なんだけどさ。

 もち、実際にあたしたちの住んでるコロニーの中には、あたしに格ゲーで勝てる奴はマグレでもほとんどいないけど。ドーリングに比べたら、あんなもの操作のうちにも入らないしね。

「んじゃ、行ってくるね」

「気をつけるんだよ」

 一応、お見送りはしてくれる。

 だけど、どーせ母ちゃんの事だ。ウルサイのが出かけてああセイセイしたとか思って、TVの前でしばらくはカウチポテトなんだろうけど。

 いいなぁ。あたしも早くそういう身分になりたいものよねぇ。


               ~ ・ ~


 (パパ)の借金抱えた我が身を恨みつつ、退屈な授業が終わると同時にとっとと教室を抜け出す。

(いく)ちゃぁん!」

「ゴメン、バイトォ!」

 親友のみーよからのお誘いも蹴っ飛ばして、理事長室にチョッコー。

 うーん、あたしってば、なんてけなげっ!

 それに比べて、いいわよねえ、他のみんなは。教育委員会の重要会議があるとかいって、今日は授業は半ドンだから、みーよもあたしを買い物に付き合わせるつもりだったに違いないのよ。

 なんて、んなことは表向きのお・は・な・し。

 ドーリングの大会に合わせて、半日で授業はオシマイという事に決まってるわけ。

 合鍵を使って理事長室に入り、背後で扉を閉める。

 当然だけど、理事長、じゃなかった、オーナーも。

 そして表の顔はよーむ員の(げん)さんも、すでに来ていた。

「いよいよ、ね」

「そうだねぇ、こんなに楽しみになるとはなぁ」

 オーナーも、あの時とは対照的に晴れやかな顔をしている。

 そ、試合の話があったのは、ちょうど一週間前。

 あの時のオーナーは、世にも悲壮な顔をしていた。

 相変わらず、影でコソコソするからよ。

 何気にさり気に、母ちゃんのおおざっぱさが結構好きです。

 掘り下げて書き込むほどではないのですが、箸休めに程よい感じとか。

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