SIDE-B 3.あたしはこのガッコーが、好き
2000年当時、未完で終わっていた本作品。
読み返してみて、加筆して、ワッと沸き上がったイメージそのままにこの番外編を書き殴りました。
小説を書くのは、ものすごくエネルギーが必要で、時に燃え尽きてしまうこともあるのですけど。
なんでしょうね、今さらなんですが、無性に書きたいのです。
オーナー、じゃなかった、理事長が就任する前は、ウチのガッコーは荒れ放題だったらしい。
群雄割拠っていうのかしら、成りあがりたい男どもが喧嘩に明け暮れ、仲間を集めて不良集団を作り、恐喝や強盗まがいなことも平気でやっていたらしい。
ミドルスクールを卒業する辺りと同時期に、ドーリングも卒業というか、引退というか、パパを爆散させちゃったと知って、やる気をなくしていたというか。
そんな、ちょっと落ち込むというか、グレ気味だったあたしをスカウトしたのが、今のオーナー、じゃなかった、理事長。
あたしの最後の試合の相手オーナー、あっそう、あんたがパパをこの世界に引き入れた張本人かぁ!と怒るのは筋違いだとは分かってる。
けど。
一応、一悶着は、あった。
以来、オーナーはあたしになにかしら怯えている。
一応、理性的に取り扱ってはあげたのよ。誤解しないでね?
で、頭が決定的に悪いあたしをなぜか「特待生」として、入学金も授業料もなしで、ついでに制服完全無償提供で(これはあたしがゴネた。だってココの制服、スゴク可愛いんだもん!)、入学したってわけなのよね。
ショージキ、あたしのアタマで入れる高校は、このコロニーには、なかった。
だから「女子高生」に成れるナンテ、ゼンゼン思ってなかった。
だから、あたしはこのガッコーが、好き。
好きだから、害虫やゴミは、入学した時から徹底的に排除した。
すると、いつの間にか、あたしは“番長”になっていた。
まー、一般人にむやみに暴力なんて振るわないし(面白くないでしょ、そんなの)、いじめみたいなことをするヤツがいたら、へーいいんだ、あんたにだけは同じようにいじめちゃってもいいんだ、へー、だったんで。
不良どもからカツアゲとかパシリ扱いとかハブられてた生徒とかが、どんどんいなくなって、あたしのことを気に食わない派閥勢力がどんどん壊滅していって。
でも、そーすると、抑止力っていうの?がなくなったみたいで、他校の不良がウチの生徒たちに目をつけて恐喝や暴行を加えるようになって。
いちいち御注進にくるのよ、あたしがぐうの音もでないように痛めつけたウチのガッコーの元不良たちが。
で、そこのガッコーに乗り込んでは“穏便に”お話しあいを、進めていたら。
いつのまにか、あたしは“最強番長”として、この辺の不良から一目も二目もおかれるようになったわけ。
んー望んでないんだけどなーそんなの。
あたしはただの、セージュンなジョシコーセーなんだけどなぁ?
なもんで、訪問客は、結構なおヒサ。
ん-、何者?
ま、いっか。
郁美の場合は、あくまでも自分の都合。
正義感とか無いこともないけど、何でも力づくで解決する脳みそですね。
まさに“番長”ですね。