表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Sweet Bomb  作者: 白河夜舟
SIDE-B.最強番長っ!
25/75

SIDE-B 1.特待生ですから、当然の義務ですのヨ

 番外編第2弾。

 実は、この作品は2000年当時のものではなく、最近書いたものです。

 ただ、当時のプロットは元々あって、それを仕上げたものになります。

 どうなんでしょうね。当時と今とで、作風とか文体とか、変わったりするものなんでしょうかね。

 自分では分かりかねます。

 

 ガッコの校門の前で、ピュアマッキッキーやアパレルピンキーに染め上げた髪の毛をこれ見よがしに見せつけてくれるオバカそうな女どもが二、三人、タムロッてる。

 そのバックには、いかにもケンカ慣れしてそうなムサいのが五、六人、改造の反重力制御スクーターをブンブン言わせて、時代後れな木刀やチェーンをこれ見よがしに見せびらかしている。

 ああ、アホを絵に描いたような連中よねえ。

 コッチのナワバリ(校内)に、たったそんだけの人数でのこのこ出てきて、なにヤラカスつもりなのかなんて、あたしは知らないんだけどさ。

 はっきりいって今のあたし、あんたたちと“遊んで”いる場合じゃないのにね。

 ま、“表向きの顔”として「特待生」でガッコに入学している以上、これもお仕事というヤツかしらね。

 ホント、一般庶民って、どうしてあたしのコワサ、わっかんないのかしらねぇ?

 ついこの間も徹底的に“教育(ヤキ入れ)”して差し上げたのに。

「ねえ(いく)ちゃん、あの人たち、なにもんなの?」

「さあね。あんまり酷いようなら、みーよのパパ、じゃなかった、理事長から“お呼び出し”があるんじゃないの?」

 とか言っているちょうどいいタイミングで、「2年A組の近野郁美さん、至急理事長室まで…」と構内アナウンス。

「ほら、ね。じゃ、ちょっと行ってくるわ」

「気をつけてね。あんまり無茶しないで…」

 あたしは、黙って背中で手を振って応えた。


 廊下を擦れ違う生徒たちが、この時ばかりは尊敬と敬愛の視線であたしを見つめて道を譲ってくれる。普段はあたしの事なんか、色眼鏡でしかみないのにね。

 合鍵を使うまでもなく、理事長室は開け放たれていた。

 担任の白川センセと、狸親父の理事長が、恋人でも待っていたような歓喜満面の笑みであたしを出迎えてくれる。

「郁美くん、また、例の連中が…」

「学園の平和を守るためにも…」

「あー、ハイハイ」

 適当に聞き流しながら、両腕に肘当て込みのガードグローブをはめ込み、足にはひざ下まであるエンジニアブーツを履き込む。

 ヘルメットなんて暑苦しいものはイラナイ。

 耐衝撃チョッキなんて必要ない。動きにくいし、カッコワルイ。

 普段の制服、普段のあたし。

 ホントはこんなゴチャゴチャしてるごつい装備もイラナイんだけど。

ま、手足だけは保護してあげる。

 だって、自分のパワーで自分の手足、壊しそうなもんで。


 今の時代、こんなヤンキーは存在しません。絶滅危惧種、というか、絶滅しています。(未確認)

 当時は結構、いたんです。一種の文化と言ってもいい。ドラマや映画、漫画などでも盛んに取り上げられていましたし、流行歌にもなっていたと思います。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ