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Sweet Bomb  作者: 白河夜舟
SIDE-A.紅桜白塵っ!
21/75

SIDE-A 1.巨乳パイパイドロップ

番外編です。

一応、本編の時空列の中に連なっており、2.流星乱舞っ!の後に起こった出来事です。

でも、日常的に確信犯として色々やらかしているわけですね。


「よお、(いく)ちゃんじゃないか。ささ、入って入って」

 ガッコの帰り、みーよを上手くごまかして、よーむ員室に寄ってみると。

 ちゃんと(げん)さんが待っていてくれた。

 この人の、こういう律儀な所、あたしはスキ。

 莫大な(40歳以上の)年齢差さえ無ければ、お付き合いなんてラブな事考えても良い位に。

 もちろん、(げん)さんがよーむ員というのはお昼のお顔。

 それは、あたしも同じ穴のジジババだけどさ。

「この前の試合(ドーリング)はスマナカッタねえ。タイヘンだったろう」

「そーよー。(げん)さんがいないから、あんな安物のザコ(しょぼいヘタクソ)に殺されちゃう所だったじゃないのさ。あたしの頼りは(げん)さんしかいないんだって事位、判ってるでしょ?」

「ハッハッハッ、おだててもなにも出ないよ」

 真っ白なゴマヒゲ頭をポリポリとかきながら、照れ笑いを浮かべている(げん)さん。

「出して貰わないと困るのよ。オーナーにはクギ指しておいたけど、あれは絶対に何か企んでるはずよ」

「え?」

「ねえ(げん)さん、あたしのグランザール様、ほんとにちゃんと整備(チューン)してるの?この前みたく、一発撃ったらジャムッ(故障し)たとかいうのは、もうナシだかんね?」

「おいおい、あっしの腕を疑うのかい?あれは、大会側が最初っから仕掛けているワナって話じゃないか。武装の売り上げの向上と、大会の盛り上がりを期待してってネライだろ?」

「よしてよ。搭乗()り込んでるあたしたちパイロットの身にもなってミソ」

「ハハハ。相手の機体を素手、いや、足でぶち壊した“破壊神”のセリフとも思えんわな。最後の蹴り技、年甲斐もなくドキドキしちまったぞ」

「ま、あたしと(げん)さんのコンビなんだし。アレ位、出来て当たり前よ」

 あたしの探りを入れるための皮肉にも、あっけらかんとしている(げん)さん。

 今のマッチメーカーで使用されているマシンがAK(アーマーナイト)と呼ばれる前の時代から、ずっとマシンの制作、メンテナンス一筋で働いてきたこの人に限っては。

 裏切りだの暗躍だの、そういう後ろ暗い事とは全く無縁だと断言していいと思うんだ。

 っていうか、まず無理よ。(げん)さん、ウソついたりしたら、すぐに顔にでちゃうんだもん。

 そのつもりで来たんだけど、やっぱり「シロ」ね。

「おいおい、コンピューターもオーナーもいての“チーム”だろうが」

「うーん。あの鈍臭いパパを当てにしすぎると、あたし間違いなく死にそうだし。あの狸親父だって、借金(300万cr)さえ返し終ったら狸汁にして食べちゃいたい位、無性に腹が立って…」

 あたしのお腹がギュルっと泣いた。

 そう、誤字じゃないわっ!ちゃんと「泣いた」のよ。

 この偉大なるプロポーションを保つためには、毎日の食事をきちんと取らないと…

「さすがにそれだけ“発育”してると、すぐにお腹がすいちゃうんだねえ…」

 不用意な一言。

 あたしは必殺のヒップアップボンバーを食らわせてあげた。

 乙女の愛の一撃よ。

 詩歌(シカ)と受取りなさい。

 屍化(しかばねか)と受け取っちゃダメだからね。

「ま、参った参った、コイツを上げるから、カンベンしてくれ…」

 下敷きにした源さんの手からにょっきり現れたのは、毎月九日十日に貰える、吉味屋の感謝券ハズレ五十円割引券じゃないのさ。

 (げん)さん、あんたって人は…

 ウソの付けない純粋さもいいんだけどさあっ!

 吉味屋の代わりに、巨乳パイパイドロップを謹んで差し上げた。


あくまでお遊び。全然本気じゃないです。ただじゃれてるだけです。

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