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Sweet Bomb  作者: 白河夜舟
2.流星乱舞っ!
11/75

11.いいわよね、あれ

 今度はちょっと短い。でもまあ、文章の流れってヤツですね。


 表現というか、文章の流れ関連になりますが、金額、つまりcrは半角で表現しています。

 その他の単位、例えば、A(出力)やMDディスクなどに関しては全角で表現しています。

 マッチメーカーはそういう感じで表現していましたので、その(ちょっと古臭い)雰囲気をつかみ取って頂けると嬉しいです。

「はあ…」

 いつも通り、武装の状態を一緒にチェックしながら、あたしはため息をついた。

「ん?どした、いくみぃ」

 画面の奥で、怪訝そうな顔を浮かべる、サエナイ中年のおっさん。

 ウウン、別にパパのこと、キライじゃないのよ。

 でも、やっぱ、男は(イケメン)、よね。

「なんでもない。ただ、なんであたしこんな事やってんのかなって思って、さ」

「いくみぃ、ホント、スマナイと思ってるんだよ…」

 ちょっと涙目になりながら、深々と頭を下げるパパ。

 ま、いいけどさ。

 あたしが操縦している限り、パパは「死んだり」しないんだし。

 他のアーマーナイトは例え誘爆したって、大会本部から支給される憐れみの2000crで「作り直せ」ばいいんだけど。

 グランザール様に「組み込まれている」パパの場合だけは、そういう風にはいかないわよね。

 そしてそれは、オーナーにしたって同じ事よ。

 例えパイロットが脱出失敗(やらかしたり)して死んじゃったりしても、別のパイロットを雇えば済む事なんだし。

 だから、あの狸親父が口先だけは「命は大事に」とか言ったって、あたしは信用なんかしないんだけどさ。

 ま、みーよのパパの事、そんなに悪く言っちゃダメよね。

 と・に・か・く。

 グランザール様に「乗り組んでいる」以上、あたしもパパも似たようなもんよ。先の話は、この膨大な借金をさっさと返してしまってからよね。

 問題は、まとめてなんか解決できない。

 一つずつ、順番に解決しなきゃ、ね。


 で。

「今日の相手、なんか安そうな機体ね」

「いくみぃ、それは向こうも同じように思ってるんじゃないのかい?」

「そりゃそうだわ」

 安いといっても、機体価値は4000crは下らないと思う。

 あたしのグランザール様の、ざっと倍。

 フレームこそ、あたしと同レベルのスタンダート・ライトフレームだけど。

 エンジンは限界一杯の600Aだし。

 右手には緑色に光るレーザーサーベル。

 左手にはあたしと同じ「的」。

 肩には攻撃時には子ファンネルを放出して広範囲と命中率を両立させたマザーファンネル。

 腕には、このタイプの標準装備とすらいえる、フラッシャー。あたしと同じように、超接近戦では絶対外さないめくらましを装備。

 そして反対の腕には、故障のための予備武器として、軽くて安いアームブレイドまで装着しているわ。これも、安い接近戦機体には、ホントは標準装備なのよね。

「いいわよね、あれ」

「アームブレイドなら、無理すれば買えなくもないだろう?」

「無理。38cr、どうがんばってもでてこない」

 このいまいましい借金のおかげで、あたしの機体価値は2000crを超える事は出来ない。

 相手のせいじゃないけど、なんか無性にむかついてきた。

 と、試合前の「宣誓」だわ。

「よろしくお願いします」

「あ、どーも」

 あん、いつもの“絶対無敵っ!”ってヤツ、言いそびれちゃったじゃないのさ。

 なんか、気弱そうなヤツだし。あんまし気合い、入んないわよねぇ。

「(礼儀正しい相手だな。お前の婿にどうだ?)」

 オフレコで、パパが変な事を言ってくる。

「(あたしは、自分より弱い相手はゴメンだわ。それより、やりすぎないように調整するのがタイヘンよ)」

 いい(イケメン)なら、別だけど。

 ま、そんな余計な事は、パパには言わない。

 今のあたしのパートナーは、グランザール様で充分よ。


 フレームとエンジンを先に購入する必要がありますので、初期資金で買える武装はどうしても限られます。すべて安物で揃えれば普通に買えますが、大物食いは普通にできない。

 そうやて切り詰めていくと、38crの腕武器、アームブレイドを買えなくなるというのは、ホントに厳しい。

 この辺、マッチメーカーの金額設定は実に絶妙でした。初期資金を少しでも増やせさえすれば、かなり楽になれるのですけどね。

 ま、そうやって初戦を勝ち残ったもの同士が、また鎬を削るわけなのですが。

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