第三話-2 異端
「【ウトナピシュテム】」
「ぎぎゃあああゃゃゃゃゃん……」
「も、もうワかた!おまえの方がつよいネー!」
「嘘でしょ……?ウチらの部隊が、一分足らずで無力化されたんだけど……」
「……これが噂に聞く『魔法使い』の力なんか……?」
「……(ち、ちょーっと想定外やわ。強すぎへん?)」
「あ、組長さん、どうでした?私の戦闘ぶりは」
「……み、見事やったでごくろうさん。ウチの身体の全盛期の左腕抜きくらいの強さやったわ」
「さすが極道のおかた……お強いんですねー!」
「……(な訳ないやろ!けど面子ってもんがあるんや!んなキラキラした目でウチを見よって!)」
「組長!パソコンのデータからこんなものが!」
「はいはい見るわね……うん、ご苦労さんや。アイドルへの脅迫状の書類データやね」
「こいつらはこれを印刷し、アイドル事務所に送りつけたのだと思われます!どうします?埋めますかね」
「ぎ、ひぃぅぅ……」
「私ラは魂までは屈しないネー!」
「勝手にしろ!ウチらも異端派と呼ばれたその時から、どうせ覚悟は決めてんだ!」
「本来は同じ主を信仰する者達や。簡単にそんなこと言うもんやない」
「はッ!」
「……ほっ……」
「………………」
「チッ…………」
(……同じ……主)
(異端…………か)
(ごそごそ)
「……ん?メルファさん内緒話?」
「……この方達、確か……異端と呼ばれる……」
「ああ。そうよー、こいつらは異端派閥や。いや……冬蝶風節も似たようなもんやけど」
「へ?冬蝶風節も異端なんですか?」
「せやせや。今の時代は特に誰かと対立してる訳でもないけどな。なんなら冬蝶風節でも信仰薄いやつ、なんなら知らんやつもおるし……あと追加で今の時代、誰が誰の宗教?何ぃ異端か!……なんて気にするくらい繊細なお方は、あんまこの国にはおらんでしょ」
「ああ、なるほど」
「ただ……昔の事情でな、異端から冬蝶風節は嫌われることが多いわ。異端からはまぁ、多数に擦り寄って楽を取った様に見えたんやろうけど」
「色々、事情があるんですね」
「ま、今の時代、あんま気にする必要がないのは楽やな。昔と比べればどの派閥も寛容になったし」
「うんうん……」
「……ま、残ってる問題が、無いわけやないけど」
「手前ら!引き上げっぞ!」
「おし!冬蝶風節に帰ります!組長、いかがなさいますか?」
「ウチはまだ後処理や。おい、シロエはおるか?」
「はい、あなたのシロでございます」
「ちょい耳をかせ」
「はい」
「……(メルファさんのことがバレんよう、私が後処理はしたけど、抜けのないかチェックしといてな)」
「……(はい。仰せの前に)」
「……んよし!魔法使いはん、行こか」
「どこへ、でしょう?」
「ウチな、内緒話に丁度いい店知ってるんや」




