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1.さて、「テンプレなろう」とは一体何ぞや? と言うお話

 初めまして。突然エッセイが書きたくなった人です。


 自分は小説を書いて三ヶ月。まだ、初心者と名乗って問題無いだろう。


 思い切って試行錯誤しながら作った、初めての小説は書いていて物凄く楽しかった。


 それも、初心者特有の「自由に書ける喜び」という奴なのだろう。


 ……そう、楽しかった。新しい世界を書く行動自体が、楽しかったのだ。



 これまで色々な本を読んでいた。SFも大好きだったし、面白かったライトノベルも沢山ある。山のような漫画に囲まれながら、新しい物語に心を躍らせていたものだ。


 それは、自分とは全く関わり合いの無い世界だと思っていた。だけど、Web小説なら手軽に書ける。


 それが例えどんな内容で、どんな評価になったとしても。責任を取るのは自分自身である。


 ……今まで受け身でしか体験していない文章の世界。自分が考えた物語を他人に読んでもらえる機会。


 自分にとっては、それはとても魅力的に映ったのだ。


 そして、自分は「書く側」の末席に立った。まだ文章力なんて高尚なものは持ち合わせていないし、文章の書き方のイロハだって知らなかった。だが、後悔はしていない。


 そして「読む側」から「書く側」へ、立ち位置が変わった事は大きいと思うのだ。



 どれだけ苦労してでも、面白いものや誰も考え付かない物語を書こう。そう決めて、ようやく五十万文字に達する初めての作品。あっという間に書き上げた。やっと終わりが見えたところだ。


 ……書く前に考えていた、やりたかった話は概ね文章に出来た。そもそも伝える技術の難しさに頭を抱える事もあった。だが苦労した分の出来になった、と自分では思っている……。


 何と言うか、主人公を始めとして各キャラが勝手に動き出す有様である。「書く側」になって気が付いた事だった。……何と言うか、面白い体験だと思う。


 自分自身の気持ちと考えを「お前はどう思っているんだ?」と、キャラクターへ常に問いかけながら「生きた台詞」を喋らせてきたから、だと思う。


「そこらに氾濫している『テンプレ作品』は山のように見て来た。そして面白くなかった。だからテンプレなんて書かない!」と決意した結果だ。そこについては、問題は無い。後悔も反省もしていない。


 正直、「非テンプレ」なんて論争のタネだし、どこからどこまでが「テンプレ」なのか自分にも分からない。ともあれ、「そんな事を言う前にお前が書けよ!」と言われない程度には、書いたつもりだ。



 流石に「文句があるなら、読んでから言え!」「お願いですから、最後まで読んで」などとは言えないが。


 ……誰が何と言おうが、自分だけの「非テンプレ作品」「オリジナルの物語」そう胸を張って言える。


 歴史にSF、思い出に残るゲーム作品も色々と参考にして混ぜ合わせた結果だが、何とか纏まった物語には出来たと自負している。


 まあ、なにか問題があるとすれば、誰も読んでくれない事だけである。これだけはどうしようもない。廃れたジャンルでの、素人による「非テンプレ作品」だ。……正直、読む人がいる事が奇跡みたいなものだ。


 幸いな事に、読んで頂いている方も少なからず居るようだ。本当に感謝に耐えない。


 ……投稿して、アクセスが増えるのをじっと眺めていると、ホッとする。


 ブックマークが一件増えただけでも大喜びなのだ。評価をくれた方々には、足を向けて寝れない状態である。何処の誰かは存じ上げないのだが、書き上げるモチベーションになった。


 「書く側」になって初めて実感する事もある。誰かに自分の気持ちを語れる楽しさだ。


 自分の作品は、見るに堪えないごった煮状態で「起承転結」なんて、後から考えるような有り様だった。


 だが、それが楽しい。……これが創作の楽しさなのだろうか。色々と経験はしてみるものである。


 試しに異世界恋愛っぽいスピンオフを書いて見た事もある。それなりに反応もあり、中々に難しさを感じる。……何事も経験だ。



 そうして「書く側」から見ると、世間に蔓延る「テンプレなろう作品」に対して、少し違う考え方が芽生えた。環境の違いで考え方が変わるのも良くある話だ。


「あれはあれで『Web小説』と言う世界での最適解、という奴なのではないか?」と考えた訳だ。


 ……自分が「読む側」だった時には思わなかったが、そうしなければならない理由もあるのだと思う。


 とはいえ、自分はやりたくない。だって、楽しくなさそうだもの。


 いっつも評価を気にして、辛口と言うか人格否定レベルの感想と向き合い、ランキングと書籍化目指して、いつかはアニメへ! という、貪欲さは自分には生まれない。


 ……まあ、自分の生活への不満や承認欲求が無ければそんなものだ。


 思うに、あれはあれで「修羅の道」だと思う。


 自分なりの個性を消して「流行しているテンプレ」を模倣し尽くし、最終的には書く事が苦痛となる。


 そう言う生き方なのではないか? 「世間を見返してやりたい!」とか「一発逆転で大金持ちだ!」という、モチベーション自体は感心する。


 だが、その結果としてアニメ化を果たし、世間から受ける評判は酷いものだ。


 今期のアニメは怖くて見れない。自分が原作者なら、首を吊りたくなるだろうレビューの数々。


 ……いやぁ、こわいこわい。



 まあ、そうなったのにも原因がある。「流行のテンプレ作品」の持つ呪いのようなものだろう。間違い探しレベルで物語の差別化が出来ないからね……そらそうなるよ、と言う話だ。


 どうやったって、原作者の個性や伝えたい事が無い作品なんて、一般人に理解される訳が無い。「なろうテンプレ」と言うのは、個性を消す行為だからね。


 ご自慢の最強主人公が相手をするライバルや敵も居ないという事も良くある。……時々、思いついたように唐突に表れた魔王なんてのが出ても興ざめだ。


 そう言うのは、ちゃんと伏線や描写がなければ「は?」という感情しか湧いてこない。


 ましてや、嵩増しとテコ入れのためだけに消費される、個性のないヒロイン達や中盤以降の縮小感の数々。まともに完結して感動する作品の少ない事。取って付けたような「めでたしめでたし」である。



 だがそれは、仕方が無い事なのだ。それは「テンプレなろう」と言う構造が抱える根本的な問題だからだ。


 ……何を見ても、同じに見える。そう作ってしまった作者の責任である。


 何故、テンプレ作品が嫌われるのか? 何故、なろう読者と一般人の感想がこんなにも剥離しているのか。


 そういう話を、ちょっとしてみたいと思う。……いや、ちゃんと今の連載は終わらせるけども。


 ちょっとした小話と、自作の宣伝なのだ。一人の作者として、書いた物語はちゃんと読んで欲しい。


 だから、自分が考える創作とテンプレとの差異から、語れる事もあるだろう。特にアンチとかいう訳でも無いし、熱い議論をするつもりも無い。だから、ただの独り言で済ませて欲しい。


 ともあれ、自分の拙作を読んでくれる人が増える事を祈るばかりである。

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