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ウィーク & ウィーク  作者: 糸東 甚九郎(しとう じんくろう)
14/16

■ 土曜日の早朝、木森亜樹に飲み物もらった

「〔だぁからぁ、マジなんだぜぇー。今すぐ行ってみろよぉ! マジだぜ、マジ!〕」


 まだ日の出前に、ゲンタのバカが電話してきやがった。もう、何回「マジ」って言葉を聞いたかわからねぇ。もうわかったよ、マジだって事は。コンビニに行きゃあいいんだろ、行きゃあ。


「〔オイラ、うっかりしてたぜぇ! あの子、実は学生アイドルの木森(きもり)亜樹(あき)だったんだぜぇ!〕」


 ゲンタは電話の向こうで勝手に盛り上がってやがるが、俺はどうもアイドルってのは興味が無ぇ。キモリちゃんがアイドルだろうが何だろうが、俺にはコンビニ店員のキモリちゃんだからな。


「いらっしゃいませーぇっ! あ! タマオ社長! おはようございまーすっ!」


 やはり、キモリちゃんの挨拶は早朝からシャキっとして、いいな。透き通る明るい声と満面の笑顔が、寝ぼけ眼をバチッと開かせてくれる。

 さて、ゲンタとの会話による成り行きで来たのはいいが、特に買いたいモンも無いんだよな。

 しょうがねぇから、焼きそばパン四つとスティックサラミ十本、あとはアメリカンドッグ五本でも買って帰るとすっか。

 あ、それと、安いパンツも一枚買おう。ケツが破れてフンドシ以下の能力になっちまってるんだ。


「わぁ! タマオ社長、今日もたくさんお買い上げ、ありがとーございまぁす!」


 何とも言えぬ、元気な声だ。こりゃあ、アイドルだと言われりゃ、そうかもしれねぇなぁ。

 ミズキちゃん、アミカちゃん、カナザワちゃんにカナちゃんにリンカちゃん。俺に気がありそうな脈アリの子たちとは、また違った魅力がありやがる。学生アイドルか。確かにファンも多そうだ。


「ところでタマオ社長? パンにサラミにアメリカンドッグじゃ、喉渇くと思いますけど・・・・・・」


 あ、確かに言われりゃ、そうだな。もそもそしたモンばっかり買っちまった。パンはパンでもパンツは食い物じゃねぇしな。しょうがねぇ。また、第三のビールでも何本か買って・・・・・・。


「タマオ社長っ? はい! これ! みんなには、ナイショだよっ? (キラッ☆)」


 ぬ、ぬおおっ。なんだこれは。「メロンみるくオーレ」だと。キモリちゃん、こんな飲み物をナイショでくれるなんて嬉しいじゃないか。こういう心遣い、ほっこりしちまうぜ。

 しかも、その眩しい笑顔と煌めく瞳が、俺にクリティカルヒットとなっちまった。どうしてくれるんだ、キモリちゃん。

 だが、俺だけじゃなく、きっと他の客にも同じように笑顔を振りまいてサービスをしているに違いない。きっとそうだ。


「いいえー。なんか、理由はわかんないけど、タマオ社長だけだよ。ナイショだからね、これ?」


 なっ、なにぃ。俺だけなのか。こりゃあ、間違いねぇ。キモリちゃん、あんたはきっと、俺に特別な気があるな。脈アリ間違いなしだろう。


「売れ残りをあげたなんてバレたら、大目玉食らっちゃうから。おねがいネっ? (キラッ☆)」


 残り物には福があるのさ、キモリちゃん。その眩しさに、みんな射貫かれてるわけね。きらっ☆



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― 新着の感想 ―
めっちゃくちゃ甘そうだな、メロンみるくオーレ。 ぬるかったら最悪だろうなあ…………。
[気になる点]  名前に「木」が多い(笑) [一言]  タマオくん、アイドル興味ないことといい。  やっぱり、なんか普通のオタクとかと違いますね。  なんかミスリアス?
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