■ 水曜日の朝、金沢なおからさらにサービス
まったくもって困ったことになったぜ。ミズキちゃんにアミカちゃん。美人で可愛い子たちに、俺のスーパーハートが揺さぶられてやがる。
うーむ、どうしよう。どっちもいい。好みとしてはミズキちゃんがどストライクなんだが、アミカちゃんも脈アリな感じだし、こいつぁ困ったぜ。
とりあえず、「ビッグうぇどねすでぃ角煮弁当」で気合いを入れて、作戦を考えるとしよう。ゲンタにでも電話して、どっちに仕掛けるか相談でもしてみっかな。
「いらっしゃいませぇーっ! あ! タマオさん。おはようございます!」
お、今朝はカナザワちゃんも明るく元気だ。うむ、接客業はそうでなくては。
ん。カナザワちゃん、今日は頭に桜色の三角巾を巻いてやがるぞ。さらにエプロン姿とは。この俺のスーパーハートに対して、なかなか攻めるではないか。それにしても、いい色の三角巾だなぁ。
「ありがとうございます。これ、父が送ってきたんです。趣味の草木染めで何枚か染めたからと」
草木染めだと。なかなかいい趣味を持った親父さんだな、カナザワちゃんよ。大切にされてる証拠だぜ、そいつぁ。
「父は、趣味人間なんです。仕事ではストレスが多いらしいんですが、趣味で発散してます」
それはいいことなんじゃないか。どんな仕事か俺は知らんが、ストレスを趣味で発散できりゃ、仕事なんかどーにだってなるんだろうな。たぶん。どんな趣味を持った親父さんなんだい。
「ええと、草木染めにサイクリング、あと、カラオケにギターに料理に・・・・・・たくさんあります」
なかなかアクティブな親父さんだな、おい。
ちなみにカナザワちゃんは、どんな趣味があるんだい。よかったら、この俺に教えてくれたまえ。
「え? 私? 私は料理に将棋に、チェス、カードゲーム、あと、ウォーキングですかね」
な、なかなかだなカナザワちゃんも。ウォーキングか。俺には縁のなさそうな趣味だぜ。
「そんなことありませんよ。健康にも良いですし、タマオさんもよかったら一緒に歩きますか?」
な、なにぃ。こ、これは、俺を誘っているということか。首をやや鋭角に曲げてにっこり笑ったその顔が、やけに輝いて見えるぜカナザワちゃん。なんてこった。可愛すぎる。
ん。なんだ、ここに置いてあるのは。「金沢なお特製の手料理コーナー」だと。
「あ。それ、店長の提案で、私が作った手作り総菜を、今日から置かせていただいてるんです」
なんだと。そんな重要なこと、何で早く言ってくれなかったんだ。美味そうな総菜だ。野菜とコンニャクが多そうだが、カナザワちゃんの手料理なら、俺は何だってオッケーだ。
こんな家庭的なカナザワちゃんじゃ、他の男もほっとかねぇだろう。親父さんも心配だろうな。
「心配しすぎでやんなっちゃいます。あ、タマオさん! 私のお総菜、一つサービスしとくね!」
お、ありがたいぜカナザワちゃん。何てこった。こりゃあカナザワちゃんまで脈アリ感満載だ。
そのうち一緒に歩こうぜ。その「そのうち」はいつなのか、俺にはわからんが。




