5限目・・・お花見というか…
ー幸一視点ー
遅い…、正樹の奴、遅刻してくるたぁいい度胸じゃねーか。
「遅いねぇ、正樹君…」
「あいつ…ぶっ殺す!!」
おぅおぅ、玲奈が物騒なこと言ってんね。
しかし、同感だ!あいつマジでぶっ殺す!!
「お、いたいた。お~い!遅れてす「「死ねぇぇぇぇ!!!」」ぶへらっ!!」
俺と玲奈は正樹の姿を確認した瞬間、正樹の顔面にとび蹴りを喰らわせる。
お~、よく飛ぶねぇ~。
「いってーな!いきなりな「「ああん?」」すいませんごめんなさい俺が悪かったです」
俺と玲奈が殺気を含んだ睨みをしたら正樹は速攻で土下座した。
「だ、大丈夫?正樹君」
「ああ、大丈夫。理緒だけだな心配してくれんの」
心配も何も加害者ですけど?俺ら。
「さて、馬鹿のせいでか~な~り遅れちゃったし、急ごっか」
「馬鹿って俺のこ「「黙れ」」はいすみませんごめんなさい」
まったく、身の程を知れっての。
「ふ~、やっと着いたか」
駅から10分歩き目的地である桜野神社に着いた。
「ん?今日は縁日か?」
正樹が玲奈に聞く。そういやなんか騒がしいな…。
「そう!実は今日は縁日だったのです!ババーン!!」
「ババーンって口で言うなよ」
「さぁ、いざ出陣じゃ」
「いや、戦じゃねーし」
う~ん、さすが正樹。今日もいいツッコミしてるぜ。
「しかし、うるせーなぁ」
「縁日なんだから仕方ねぇだろ」
「いや、あいつらのこと」
女ってやつぁどうして縁日ごときであんなにはしゃげるかね。
「カレーでテンションを上げられるお前よりマシだと思うけど」
またこいつ人の心を読みやがった。ツッコミ役にはそんなスキルがあんのか?
「だから、声に出てるっつーの」
「ありま」
また声に出してたか。気をつけなくちゃな。
「お~い、早く来なさいよ!」
「ほいほいっと」
ー正樹視点ー
ただいま夜の九時。そろそろ縁日にきてる人も少なくなっていた。
「ふぅ、もうすぐ終わっちゃうね」
「ってか桜見てなくね?」
「幸一、気にしたら負けよ」
どんな理屈だ。
「さてと、そろそろ行くかね」
「家にか?」
「うんにゃ、カレー屋に」
カレー屋?なんで今から?しかもそれを聞いた玲奈がなぜか顔面蒼白になってるし……。
「ありゃ?もしかしてお前ら聞いてねーの?今日の帰りに玲奈のおごりでカレー屋行くって」
聞いてねーよ。
しかし、いつも遅刻ばっかりしている幸一が珍しくちゃんと来ていたわけがやっと分かった。
だからカレー屋と聞いて玲奈の顔色が悪くなったんだな。
ま、当然と言っちゃあ当然か。
だが……、
「おい玲奈」
「何よ……」
「俺も半分出してやるよ」
それを聞いた瞬間、玲奈の顔がぱっと明るくなった。
「本当!?」
「ああ、だから早くいこーぜ」
「うん!」
こいつに暗い顔は似合わんからな。
〈カレー屋〉
【がつがつむしゃむしゃ】
「「………………………」」
【がつがつむしゃむしゃ】
おいおい、こいつ一体何杯食べるつもりだよ……。
幸一の隣にはアニメのような積み重ね方をした皿が大量に置いてあった。
「おかわり!」
「まだ食うのかよ!」
「ああ、まだいけるぞ?」
「頼むからもう勘弁してくれ!!」
玲奈と一緒に土下座をする。これ以上はさすがにヤバい。
「なんだよ、しょうがねーな。じゃ、次で最後にすっか」
と、そのおかわりがきた瞬間、一瞬で平らげてしまった。ってか見えなかった……。
なにはともあれ、やっと終わったか。さて、金額はっと……
「「!?!?!?!?」」
じ、十万!?どんだけ食ってんだあの野郎!
しかしやべぇ。俺の財布には三万しか入ってない。
玲奈も四万しか持っていなかった。
ど、どうすれば…………………あっ、あったぞ、この状況の改善策が!
「玲奈!」
「分かってる!」
どうやら玲奈も俺と同じことを考えついたらしい。
この状況の改善策。それは……
「理緒!頼む!三万ほど貸してくれ!」
「お願い!!」
完璧な部外者である理緒に土下座して頼みこむことだった。
「ふ、二人ともそんなことしないでよ……お金なら貸してあげるから……」
と、理緒に金を貸してもらった。ありがたい!
「すまない!この金は二人で明日倍にして返す!」
と、俺はさっさと会計を済ませた。ふぅ、なんとか助かった。
外に出たら玲奈しかいなかった。どうやらあいつらは先に帰ったらしい。
とりあえず、俺と玲奈はその場で叫んだ。叫びたかったんだ。
「「あいつは人間じゃねぇぇぇぇ!!!!」」と。
や、やっとできた…。今日はかなり忙しかった…。
疲れすぎて眠い……。
というわけでもう寝ます…。それでは。