11限目・・・新登場人物(?)登場!その1
ー幸一視点ー
「おい幸一、菓子どこだ?」
「台所の棚の上だ」
「幸一君、お茶入れていい?」
「ああ、頼む」
「幸ちゃん、お休み~」
「お前も働け」
俺は玲奈の腹を思いっきり踏みつぶす。
「ぶきゅ!」
なんか変な声がしたけど、無視。
「おい幸一!人の彼女に何してんだ!」
正樹が俺の首元をつかむ。うざい。
「じゃ、お前も踏んでやる」
「ぶへ!」
これまた変な声がしたけど、無視。
「幸ちゃんごめん!私が悪かった!だからそれ以上力入れないで!折れる!」
「すまん!もう口応えしないからこの足どけてくれぇ!」
そろそろマジで死にそうなので足をどかす。
「はぁ、はぁ、川の向こうで死んだひいばあちゃんが手振ってた……」
「あたしも死んだ犬がこっちに向かって吠えてたわ……」
おお、そんなとこまで行ってたか。危ない危ない。
「けど、ごめんね幸一君。急におしかけちゃって……」
「気にすんな。それに悪いのは理緒じゃなくてそこで転がってる馬鹿だからな」
「ちょっと!馬鹿ってあたしのこと!?」
まったく、人ん家だってのにうるさくしやがって……。
「無視すんな~!!」
「五月蝿い」
「へぶっ!」
「おい!て「黙れ」ぐへっ!」
まったく、害虫退治も大変だぜ。
さて、もう気づいてると思うがこの3人は今俺ん家にいるのだ。
なぜかというのを説明すると長くなるからあえて説明するとだ、少し時を遡ることになる。
〈昼休み〉
「ふぅ~、やっと昼休みか。さて、カレー食いに行くか」
「ちょっと待って幸ちゃん!」
「なんだ玲奈。俺は急いでんだから早くしろ」
「実はきょ「断る」ってまだ言ってないじゃない!」
なんだようるせーなぁ。
「早く言いやがれこの馬鹿が。その口そぎ落とすぞ」
「怖っ!なんでそ「早くしろ」はい!」
まったくこいつは……。
「実は今日幸ちゃん家行くことにから」
「腐れ」
何で決定系なんだよ。せめて疑問形にしやがれ。
「それはいいってことでいいのかな?」
「いや、それは誰がどう聞いてもダメってことだろ」
なぜか正樹がツッコム。普通そこは俺がツッコムとこじゃね?ってか正樹いたんだ。
「それじゃあな」
「あっ、待ってよ!どうしてもダメ?」
「ああ……ってかなんでそんなに家に来たいんだよ?今までに何回か来たことあったじゃねーか」
「いや~、実は理緒があんたっ家行ったことないって聞いたからさ」
「そういやそだな」
「だから今日理緒を連れて行こうかな~って」
「意味分からん」
説明が足りなさすぎだボケ。
「それは気にしないとして、「気にするわボケ」理緒にはもう行くこと決定したって言っちゃたから。」
「はぁ!?」
「どうする?理緒に『実はダメでした』って言ってがっかりさせちゃうの?」
「…………ちっ、分かったよ」
「やった~!あたしの粘り勝ち!」
「玲奈、今のは脅迫というんだ」
「細かいことは気にしない!」
まったくもって細かくねぇ……。
というわけだ。ま、当然そのあと玲奈に鉄拳制裁を与えたがな。
「よし、幸ちゃんゲームしよ!ゲーム!」
「なにがよしだ。それに人ん家のもん探ってんじゃねーよボケが」
「まぁまぁ、いいからいいから」
「よくねーよこのボケカス。一回死んで人生やり直しやがれ」
「うわ~ん!正樹~!幸ちゃんがいじめる~!」
「おいこら!人のかの「うっせーんだよボケが。何回も同じようなこと言ってんじゃねーよタコが。お前脳みそ腐ってるだろ」
「すいません俺が悪かったです生まれてきてごめんなさい」
ふぅ、この二人いじってたらストレス発散出来たな。
「「おい!!」」
おや?声に出てたようだ。気をつけなくちゃな。HAHAHAHAHA。
さて、そんなこんなでもう夜。
「お前ら……いつまでいるつもりだ?いいかげん帰りやがれ」
「え?今日泊まるけど?」
「はぁぁぁぁぁぁあ!?」「えぇぇぇぇぇぇぇえ!?」
理緒も驚いていた。どうやら知らなかったらしい…ってそんなこたぁどーでもいい!
「そんなこと聞いてないぞ!」
「そうよ!第一お泊りするってお母さんに言ってないよ!?」
「だって言ってないもん。それに理緒だって今言えばいいじゃない」
「……よし、こいつ殺すか」
「ひぃぃぃぃ!」
俺の言葉を聞いた玲奈が部屋の隅で縮こまる。
「やだなぁ、冗談だって」
「あんたの冗談は冗談に聞こえないのよ!」
そりゃそうだ。だって……冗談じゃなかったからな♪
【ピンポーン】
ん?誰か来た。
「すみませーん、ここ、笹本さんのお宅でしょうか」
「はい、そうですけど」
「よかった。届けものです」
届けもの?誰だろう?
「ありがとうございました~」
「ふぅ、さて何だろうな」
「チョコとか!」
「こんなにでかい箱にいれるかよ」
「まぁ、開けてみたら?」
「そうだな」
【ビリビリビリッ】
「ん?手紙?」
「誰から?」
「…………お前のじいさんからだ。……なになに?『お前に会いたがっていたから送った』だってさ」
「……それだけ?」
「それだけ」
じいさんホントあいかわらずだな。しかし、俺に会いたがっていたって……もしかして。
【ガサガサガサッ】
「「「うわぁぁぁぁあ!!!」」」
中には真剣が入っていた。これは俗にいうサーベルだな。けど、他のサーベルと違って真っ直ぐな刀身で、柄にはでかいレンズみたいのがはめ込まれている。
「あ、あれ?でも手紙には確か『会いたがっていた』って書いてあったよね?」
「……剣じゃん」
「……剣だね」
三人が俺を見る。けど、教えてやらない。めんどくさいし、それにこういうのは説明するより自分で確かめるほうが早いだろ。
「よぉ久しぶりだな、フィナ」
『ああ、会いたかったぞ幸一』
瞬間、場の空気が凍る。が、すぐにぶち破られた。
「「「…………け、剣が喋った~~~~!!!!????」」」
ま、そりゃ驚くわな。…………けど、驚きすぎじゃね?
ということで新登場人物ならぬ新登場剣でした~!
もちろんモチーフはTODのソーディアンですが、形等はまったく似せるつもりはありません。ただ、ちゃんと魔法は使えるようになります。
けど、あんまり使うことないんだよなぁ……。ま、そのうち考えますが。
もちろん次回に続きます。それでは。