暖かな記憶
寒い冬が好きだ
我が子を抱いて眠る夜が
楽しみだから
「湯たんぽみたいだよ」
友達にはそう言って
羨ましがらせる
去年の冬は
裏拳やかかと落としで目が覚めたな
小さな踵は良く食い込んで
時々息も止まるほど
今年も誘ってみる
すると
「あたし、もう一人で寝られるよ」
そう言って胸を張る
そ、そうか。それは偉いぞ
心の落胆を隠した言葉
子育てはあっという間のシャボン玉
後に残るのは
儚い思い出たち
でもそれは
胸を暖める記憶
2020年9月13日