2.初出勤です!
今日はもう一話、出せたら出しますね!!
応援よろしくお願いいたします!!
「やあ、きてくれてありがとう。歓迎するよ」
「仕事をいただける立場ですので、当然です」
「ははは。そう堅くならないでくれ」
「………………」
――翌日の朝。
レーラは、レオとその父であるリオンの屋敷を訪れていた。
身分は思った以上に高いのか、そこは想像以上に広い。レーラ以外に何人の給仕がいるか分からないが、少なく見積もっても二桁は下らないだろう。
思わぬ展開にレーラは少々の困惑を抱いたが、深呼吸一つ。
真っすぐに主人を見つめた。
「……それで、貴女にお願いしたいのはレオの専属使用人の役割だ。ただ――」
「ただ……?」
そして、彼の話に耳を傾ける。
そうしていると不意に、リオンは難しい表情を浮かべた。
レーラが何事かと訊き返すと、彼は優しい顔立ちに苦笑いを浮かべて答える。
「いや、なんだ。昨夜のようなことも、今後きっとあるからね。貴女は多少なりとも腕に覚えがあるようだが、それでも女性であることには変わりない」
「そう、ですね……?」
「きっと昨夜のようにいかないことも、多々起こり得るだろう。そうなると、後には引き返せない傷を負うこともあるだろう」
「………………?」
リオンは至って真剣に、レーラのことを心配しているようだ。
しかし、当の彼女はというと……。
「(私より強い相手なんて、王都で会ったことないけれど……?)」
このように、どこかズレたことを考えていた。
だが実際問題として、この王都においてレーラより腕の立つ人物は、ほんの一握りだと断言して良いだろう。表の世界で彼女の名は知られていないが、裏の世界では『アイツは騎士団団長と対等だろう』と、もっぱらの噂であった。
レーラ自身も腕が立つという自負はあるので、リオンの反応には首を傾げてしまう。
それでも、現雇い主様は心配で仕方ないらしい。
「何かあれば、いつでも相談してくれて構わない。それで、良いかな?」
「はい。分かりました」
最後にそう一言断って、最初の仕事確認は終了だった。
レーラは一礼して彼の部屋を出て、廊下に出る。すると、すぐに――。
「あ、あの……!」
顔を真っ赤にしたレオに、声をかけられた。
打ち合わせを覗き見されているのは気付いていたが、レーラはあえてそれを指摘しない。その上で首を傾げながら、レオと視線を合わせるためにしゃがんだ。
「いかがなさいましたか? ……坊ちゃま」
「え、えっと……!」
レーラの綺麗な顔が目の前に現れて、レオは一瞬視線を逸らす。
でもすぐに、意を決したようにこう言うのだった。
「あの、レーラ……! ボクに――」
深々と頭を下げながら。
「ボクに、戦い方を教えてください……!!」――と。
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