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4/7

1.ボクにとって、貴女はヒーローです!

応援よろしくお願いいたします(´;ω;`)







 ――レオにとって、それは運命の出会いだった。



「誰か助けてください!!」



 そう叫んだところで、助けなどくるはずがなかった。

 分かっている。今回の状況は、いつも以上に絶望的であるということを。

 若干八歳にして、彼の頭脳は明晰だった。自分が生き残るには、なにかしらの奇跡が起こらない限り不可能だと。分かっていた。だが、理解はしたくない。


 だからレオは、息を切らして逃げ続ける。

 男たちは余裕だからと、彼を弄んでいるのだろうか。

 一定の距離を取りながら、じわじわと追い詰める作戦を取っていた。



「はぁ、はぁ……あっ!?」



 そうして、ついに終わりを迎える。

 行き止まりだ。


 レオが振り返ると、そこには金に目が眩んだ黒装束の男たち。

 逃げようにも、この人数の間を掻い潜るのは無理だ。それをついに理解してしまった少年の脚は、震え始めて、いよいよ膝から崩れ落ちそうになった。


 ――だが、その時だ。




「ぐあ!?」




 男の一人が、短い悲鳴を上げて昏倒したのは。

 見れば、奥に立っていたのは女性らしき人影だった。

 賊たちは一斉に彼女を見て、武器を取り出し襲い掛かろうとする。しかし、そのような隙を与えることなく――。



「え、うそ……?」



 レオは、息を呑んだ。

 何故なら次から次へと、目の前で男たちが意識を失っていくから。

 命は奪っていない。それすら意味のないことだと、そう言わんばかりに。一対多の戦闘において、それがいかに困難なことかは、少年にも十分理解できた。


 だからこそ、伝わってくる。

 目の前に現れたこの女性の凄さが……。



「…………!」



 そして、瞬く間に。

 賊の男たちは、全員がその場に倒れ伏した。

 女性はゆっくりこちらへ歩み寄り、少し迷った様子で手を差し伸べる。




「……大丈夫、だった……?」――と。




 すると、その時。

 雲の切れ間から月明かりが差し込んだ。

 ようやく見えた彼女の顔、そしてその表情。



 涼しい顔で一つも呼吸を乱さず。

 氷のようでいて、どこか温かみのある雰囲気。

 レオはそれを見た瞬間に、運命を感じたのだった。






「(この人は、ボクの英雄ヒーローだ……!)」――と。






 かくして、凸凹な関係が結ばれる。

 どこかズレた勘違いの物語は、こうして幕を上げるのだった。




 


面白かった

続きが気になる

更新がんばれ!


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応援よろしくお願いいたします!!

<(_ _)>

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