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老騎士と海洋都市と美人宿主と


 ゴーンゴーン


 ヨハンは窓の外に響き渡る鐘の音で目が覚めた。


「今日も海が綺麗じゃのう」


 窓の外から海を眺めながら着替えて階段を降りると宿主のナディアが出迎えてくれた。


「アラ、おはようヨハンさん、昨夜はよく眠れた? もう朝ご飯出来てるわよ!」


 目の前のテーブルには大きな塩パンと、サラダ、

 スープが置いてあった。ヨハンはテーブルの前の椅子に座りナディアが用意した朝食に手をつけようとしたがサラダの中に妙な物体が入っている事に気付いた。


「ほほうコレは一体なんじゃ?」


「それは茹でたタコにオリーブオイルとパプリカをかけたこの街の名物料理よ」


「タ…タコとは確か海の悪魔とか言われ恐れられている生き物ではないのかっ! そんなモノが名物料理だと……」


 ワシがいた聖教国ではそのような呪われた生き物など食べるに値する物ではないと教えられてきたのだがしかしここでは………


「えっ?? ヨハンさんはタコを食べたことがないのですか? こんなに美味しいのにーっ!」


 ヨハンは朝食を済ませるとヨハンは部屋に戻り、

 歯を磨き終わると窓の外から海を眺めながら身支度を済ませる。


窓の外から見える海が広がり、天気の良い日はテラスに出て読書をする。その気になればいつでも浜辺に飛び出していけるし、夜になると波の音と共に眠り、朝は教会の鐘の音で目を覚ますというワシにとってはまさに理想の生活だ。

 ただ…ワシはどうもあのタコだけは好かん………




【マリナ・デル・ベーラ】

 海に面した街でタコ料理が街の名物であり港から世界と通じ、海とのつながりによって独自の発展をしてきた街で商工業が発展し、海洋分野に関係する企業・教育機関・研究機関などが様々な活動を展開しているこの街でヨハンは十字聖教の教会を作り信者を集めようと考えていた。




 昼過ぎになり、ヨハンは宿を出て街へと駆り出す。人々を避けながら街へと向かう。 街の中心はいつでも人で溢れていて、本来ならヨハンにとってあまり来たい場所じゃない。人混みが苦手ということもあったが今回は別だ。それにしても人が多い上に坂が多く道が狭い……さらに狭い土地を有効活用するため、アーチの上に建物を建て、上へ上へと建て増したため、断崖にへばりつくように建物が密集している。外敵の侵入を妨げる為もあって階段で出来た路地が複雑に入り組んでいる。

ヨハンは花を売っている露店の前で立ち止まり、美しい花々を物色し始めた。


「どれ、ナディアにプレゼントしてやろうかの」


 アレっ?


 ポケットの中にあるハズの財布が無い?

 まわりを見渡すとヨハンと目が合った男がいた。

 その瞬間男は走り去って行った。

 ヨハンはその男を追いかける。足には自信があった。かつて聖教十字軍に入隊したばかりの頃、訓練で散々走らされたのだから……


 男は人通りの少ない所へと逃げ込んだ。

 ヨハンは立ち止まりその表情が険しくなる。理由は音だ。ふいに路地裏に響いた足音――見れば路地の入口に三人ほどの男が妙な箱を持って道を塞ぐように立っていた。男が箱の蓋を開けると突然、眠気が押し寄せ、ヨハンはそのまま眠りについてしまった。

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