今の為の記憶
新しい小説です
「うわぁー!すげぇーー」
俺は、父に憧れていた。世界で唯一の機械設計者の父は毎日、誰もが惚れるような物を作って、いち早く俺に見せてくれた。
それから機械設計の事だけを教えられ、辛い時も、悲しい時もあったけど幸せだった
何不自由無かった毎日だったが...
「父ちゃんみんなの為に遠くへ作りに行かなきゃならなくなっちまった、母さんを頼むよ」
ある日を境にいなくなってしまった。その時は何故いなくなったかは分からなかった
そして...
「母さん、俺、必ず試験に受かって、立派な戦闘員になるから...見守ってててね」
母は病で亡くなった、その日まで俺は一人で坦々と物を作っていた、父の血が流れているせいだろう、俺は他のみんなと違って学校にも行ったことがなく暇があれば何かの発明に明け暮れる
「あ、このゴーグル。俺の為に作ってくれたんだっけか、懐かしいなぁ」
壊れかけの古いパソコンの近くにあった、ゴーグルを丹精込めて作ったのだとすぐ分かる、後ろに細かい字で俺の名前、絡繰 飛難と書いてある
新しい発明がないか模索しつつ物を製作する日々、今日はやけに風が強い、作っている最中の大剣は明日作るとする
そして家に戻ろうとしたその時
「バキッ!.................................あ、あ、あ...」
地面に置いておいた俺特製の眼鏡を踏ん付けてしまった、試験で使うのに今作り直しても間に合わない。仕方ない、あまり使いたく無かったがあのゴーグルをかける他ない。
何故使いたくないかは単純、 大切な物だからだ
「ま、しゃあねぇな。これ試しにかけるか。慣れだ慣れって...ん?」
かけてみるとそれは何と、100m程先の木が鮮明に見えるでは無いか
おかしい、レンズ一つでここまで遠くを見れるはずがない、そして気になる節がある。
いかにも動きそうなボタンがあるではないか
「カチッ!お、おおおーーー?!」
急にゴーグルの縁が光出すと思えばレンズが自由自在に自分が見れる距離、視野、などを変えれるではないか
「こりゃあすげぇ...正確な距離とか表示されてる...しかも外側からは何も変化が無いように見えてる。親父がこんな物を作ってたなんて」
俺が感心する遥前にこれを作っているとは思わなかった、流石天才スチームパンカーだ。
しかしスチームパンクに電気類は基本的に使われない...これは!?凄まじい発見だ
「スチームパンクの原型を留めておいて、サイバーパンクも取り入れる!これこそ戦闘員になる為の助けになるかもしれない!」
何かを思い出し、家に足を踏み入れる俺。
確か自分のデスクに腕時計を置いておいたはずだ
これを使えば最高の品ができるかもしれない!
俺は設計、発見をする時興奮が抑えきれなくなる、意欲的には良いだろうが治した方がもっと良いだろう、少し気味が悪いだろうから
「電気の使い方とかよく分からんけど...ガチャゴチャガチャゴチャ...ドンッッ!!出来たー!!」
なんとも不思議な、光の数字が浮かび上がる時計、指でタッチすればブワンと出てくる
出来た、正直よく分からなかったけど父の血が流れているせいか少し工夫をすればすぐに完成した
素材に使ったのはさっきも出てきた壊れかけのパソコンだ
少し分解して中の電気類を取り出しそこからさらに分解をしてその結果できた
今日は疲れた、寝ることにする
夜食はリンゴ一個で
~翌日~
「ぐわぁーーよく寝たー。じゃあさっそく大剣を完成させるとするかぁ」
俺の大剣にはサイバーパンクを取り付ける必要がないと思った、もう完成間近のものだ、サイバーに改良するのは作り終わって気が変わったらか、もしくは作る前からだろう
「ここに炭を入れてっと、おおーー!!思った通りにできた、熱が高まれば高まるほど強くなるはず」
炭を燃やせば下にその上になる刃の部分が熱されて切れ味が抜群になるというものだ
そういえば試験とはいっても実技だけなのだろうか?筆記があったらとんでもなくまずい、筆記は大の苦手だ
まぁとりあえず剣を振り回して慣らしておこう
「ハッ!!ヤッ!!トウッ!!ガッ!!」
そうこうしているあいだに昼になった、
「今日はオムライス作るかぁーー」
母の味が恋しい、俺なんか卵料理ですら美味しく作れない、食べれないことはないが美味いとは思えない
だが昔の事を掘り返してばかりじゃだめだ、ずっと行き詰まる。明日の試験日に向けて心を切り替えよう
「にしてもこの発想はなかったなー!スチームパンクとサイバーパンク。スチームサイバーパンクか?なんつって」
自分と喋り合う日々だ
試験日。久しぶりに人が賑わっている所に行く。
「緊張するなぁ」
あくまでもファンタジー