灰色
窓の外を眺めていた。昨晩から続いている雷雨は一層強くなっている。元々少なかった友達はみんな帰ってしまって、嫌いなあいつだけが残った。離れた位置で外を眺めるあいつも、きっと俺のことが嫌いだ。誰だって気が合わないやつがいる。あいつは俺と同じ一人親で、俺より頭がよくて、友達は俺より少ない。
「雨、止まないね」
「…ん」
突然声をかけられて、俺はぎょっとして声にならない声を出す。いつの間にかあいつは隣に来ていた。俺は窓の外から目をそらさなかった。
その後の会話はなかった。五分くらいして教師が入ってくる。
その教師はハーマイオニー役でおなじみの、エマ・ワトソンだった。