第0話 舞台裏 緊急動議
――Voice Only
第一席、 オンライン。 第二席、 オフライン。 第三席、 オフライン
第四席、 オンライン。 第五席、 オンライン。 第六席、 オフライン
第七席、 オンライン。 第八席、 オンライン。 第九席、 オンライン
第十席、 オンライン。 第十一席、 オンライン。 第十二席、 オンライン
12席中9席出席。 緊急総会 会議可能。
一席(壮年の男性の声)「諸君、緊急決議ということで集まっていただいたことに感謝する。本日は第九席による緊急報告のために動議が提出された。各自情報を確認してほしい。」
四席(成年女性の声)「それについてなのですが、映像、戦闘記録とすべてとれていない中でこのような報告をされましても困りますわ。」
七席(成年男性の声)「ただ、情報通りなのであれば警戒すべきでは?二、三席は何故いなのか?」
八席(若い女性の声)「師に変わりましてお詫びを。三席は所要により欠席となります。私が師のお言葉を預かっております。任せる、と。割れた場合は静観に意見を、と。」
一席(壮年の男性の声)「二席はしょうがない。あいつはそういう人間だ。ただ、命令は実行してくれるから心配はない。六席は別の仕事が入っている。これで問題ないだろう?異存はないな。」
―沈黙―
一席(壮年の男性の声)「それでは、九席、説明してほしい。」
九席(若い男性の声)「詳細は手元の資料の通りだ。撃ち漏らすほどの腕を持ったM,A乗りがいた。だが、問題はその敵機が関節を曲げて攻撃を避け、撤退したのだ。」
十席(若い男性の声)「てめぇが見間違えるわけないわな。仕事に対する姿勢はまともだもんな。だが、そこまでの技術を持った奴らが出るには早すぎねぇか?」
四席(成年女性の声)「その通りですわね。早すぎる・・・。パルサーということは七番街のあの男が生きてたのかしら?」
十一席(成年女性の声)「いえ、あの男は確実に死んでいる。検死済みだ。だが、娘がいたことは記録に残っているが、どうやら生体登録を引き継いでいるようだな。」
七席(若い男性の声)「パルサーは問題ないだろう?そもそもあれはこちらにとってもオーバーテクノロジーだ。使えはしてもそれを使って悪用していないのなら見過ごすという方針だろう。それよりもこの機体だろうが。」
八席(若い女性の声)「やはり、記録がないことには、ですが・・・。この会社のデータを見ると実にホームに対して忠実ですね。」
九席(若い男性の声)「危険ではないだろうか?少なくとも私は危険だと考える。」
十席(若い男性の声)「はっはっは。おめぇの腕がいまいちなんだろうよ。違うか?」
九席(若い男性の声)「これだから低能は・・・。腕ではなく機構を問題視しているのだよ。『関節を曲げ』た上で『バランスを取った』のだ。計画に支障が出かねないのだぞ?」
十席(若い男性の声)「冗談も通じねぇのか、この馬鹿は。分かったうえで言ってんだよ。何か問題があんのか?」
九席(若い男性の声)「貴様は!」
一席(壮年の男性の声)「そこまでだ。痴話げんかは余所でやれ。さて、皆も忙しいだろうから、手早く決議に移ろうか?」
十二席(老いた男性の声)「静観、じゃな。パルサーと煙の中でその操縦を行ったということは積極的に情報を出すつもりはない、ということじゃろう。」
十一席(成年女性の声)「破壊に1票、パルサーと共にある特記戦力など捨て置くのは問題だろう。」
十席(若い男性の声)「静観。大体じいちゃんが全部言っちまったよ。」
九席(若い男性の声)「破壊だ。操縦して逃げ切って見せた、ということはその操縦方法に慣れ親しんでいるということであろう。それだけの技術を持っていることは危険だと考える。」
八席(若い女性の声)「わたくし個人としても静観です。所属している企業が今のところすべてホームよりの仕事を取っている、今回もどうやらホームに対してお伺いはしていたもの、として捉えていたようですし。」
七席(若い男性の声)「静観だ。そもそも今奴らが大手を振って活動しても計画までの時間は少ない。支障はないだろう。」
五席(壮年の男性の声)「破壊。」
四席(成年女性の声)「破壊、と言いたいところですが、・・・そうね、静観です。この段階でこの機体を破壊する動きを今から取ってしまえば大勢に影響が出かねないでしょう。」
一席(壮年の男性の声)「ふむ、さらに三席は静観だったか。二席からは任せると預かっている。となると結果は欠席2、破壊3、静観6、か。割れもしなかったな。静観に決定だ。」
九席(若い男性の声)「ぐっ・・・!」
十席(若い男性の声)「言ったろ?結果は問題ないって。あとで愚痴聞いてやっからよ。なっはっは。」
一席(壮年の男性の声)「よろしい。動議は終了だ。だが、鈴はつけておくに越したことは無い。八席、会議終了後残ってくれ。仕事がある。」
八席(若い女性の声)「了解。」
一席(壮年の男性の声)「よろしい、以上で終了だ。ご苦労。」
―――会議終了
第0話終了 です。




