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第1話 幕間 最終ブリーフィング

―ホワイトヘザー 作戦会議室にて―


「それでは今後はロジエスに変わり、私テスタレッツェが作戦指揮官となります。作戦内容については担当者から説明します。」

「作戦目標は地上高速艇の護衛です。戦闘ではありませんのでご留意ください。

 地上高速艇の数は14隻。うち、5席に70%以上の乗員、つまり175人で目標数1,000人の救助活動が完了します。

 第2次救助活動については第1次救助活動にて目標数を救助することができたため、多少余裕があるとも言うことができます。

 先ほどまで第六街区はS,Aの襲撃を受けており、混乱が続いています。しかしながら、当該個所には緑化組合が駐留しており、妨害行為を起こしてくるものと予想されます。


 第2次救助活動は部隊を5部隊に分けます。1部隊につき3隻の護衛となります。内訳は別紙に記載されております。一同、ご自身の出場部隊の確認をお願いします。救助ルートについて説明いたします。第一部隊の内訳とルートは・・・

        ・・・第五部隊については以上です。


 なお、最後の部隊として記載されている特務部隊があります。こちらは機甲部隊第1部隊と傭兵会社アステリズモの部隊になります。こちらの目的は囮です。

 特務部隊は中央ルートに向かっていただき、第六街区西地域、第6ポイントの救助活動を実施していただきます。この部隊は救助活動をした後、若干遠回りして敵部隊を引き付けるように動いてください。あくまで囮が目的ですので、必ずしも撃退の必要はございません。


 囮ルートにおいて襲撃予想箇所は2箇所。救助活動時含めると3箇所が襲撃予想箇所となります。その箇所を通る際には特段の警戒をお願いします。

 高速艇の搭乗可能人数は50人ですが乗車率200%まで可能ですので、必要に応じて乗車させてください。航空機の搭乗可能人数は多少余裕がありますので、もし予定人員を超えても問題ありません。

 装備については状況を踏まえ、暴徒鎮圧用の装備ではなく対武装勢力用の装備に切り替えを依頼しています。各自の武装を確認し、変更が済んでいない場合は急ぎ変更してください。

 基本情報は以上です。特務部隊のみ残り、各自は準備をお願いします。」



・・・-・・・

「特務部隊のみなさん残っていただいてありがとうございます。特務部隊の皆さんには別途で説明させていただきます。

 敵部隊の襲撃ですが、どうやらアステリズモさんが対象になっているそうです。これに関してはホワイトヘザーとしても遺憾に思っております。精鋭の機甲部隊が対象とならずたまたま依頼された1組織を撃墜対象とされたのではホワイトヘザーの名折れです。機甲部隊の皆さんはアステリズモさんをさらに囮にしていただいてホワイトヘザー機甲部隊の恐ろしさを伝えてください。

 アステリズモさんは機甲部隊の支援のために囮になってください。名指しで狙われている事情がある以上恐らく狙われるのはアステリズモさんであることは間違いありません。一応機甲部隊と同じ機体であるホワイトヘザーの最新式M,Aをさらに1機お貸ししますので万が一の直営として使用してください。何か質問はございますか?」


「すまん、質問がある。俺は機甲部隊第1部隊長シャーザーだ、アステリズモのみなもよろしく頼む。

 質問は帰還ルートだ。この何もない岩場のルートを通る際に襲撃があるということだがその根拠は緑化組合の基地が近くにあるのか?」


「その通りです。調査の結果、緑化組合と取引記録のある会社が所持していますので、その場所に拠点となる施設がある可能性が高いです。あえてその場所の近くを通るようにしてプレッシャーを与えてください。もし、襲撃を受けた場合は第1部隊の護衛をその場所に向かわせますので、地上高速艇は先に返してしまって問題ありません。

 また、先ほど申し忘れましたがパルサーのタイミングはシャーザーさんとアステリズモの社長のアイーシャさんにホットラインを敷いていただいて、必要に応じて協議後使用してください。指令所としての要望は街中で使用することはやめていただきたいと思います。他はありません。必要に応じて使ってください。

 ・・・他に質問はございますか?」


「ないわ。私がアイーシャよ。シャーザーさんお互いに頑張りましょう。」


「・・・驚いた。この業界見た目で判断してはいけないと聞いていたが、こんな若い女性が社長とは、な。いや、侮ったわけではない、失礼した。こちらこそどうかよろしく頼む。」


「いい関係を築けそうで嬉しいわ。よろしくね。」


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