【聖魔封印盤】、黒リの悪魔娘
「スゲーじゃねぇか、坊主!!【鬼のネリア】にそこまで言わせるとは!!」
うわ、びっくりした!!
後ろから急に背中を叩いて来たのは、全身鎧で身を固めた渋いおっさんだ。というか、痛いんだが・・・。
「あなたは誰ですか?」
「おお、すまねぇな。俺の名前はアルバルだ。よろしくな、ダンジョンマスター!!」
なんで知ってるの!?
「ああ、ここにいる奴らはお前がダンジョンマスターだって事知ってるぞ?さっきギルマスが言ってたから」
おい、ギルマス。個人情報漏らすな。
「俺の名前はコウヤ ミヤマだ。ダンジョンマスターってあまり言うなよ?」
「分かってるぜ。自分たちで言うのも何なんだが、相手が誰であろうと仲間なら大歓迎する。それがこのギルドの自慢だ」
へぇ、結構良い人じゃん。
「ありがとう、俺これから宿を探して来るから」
「それならオススメの宿を教えてやるよ。宿の名前は【ガチの宿】だ」
何がガチなのか、凄い気になるぞ。
「飯も美味いし、店員も可愛い子もいるし、しかも宿には珍しい大浴場があるんだよ!」
可愛い子は置いといて、大浴場があるなら行ってみるか。
「分かった。行ってみるよ」
そう言って俺は外に出た。
「遅かったじゃない。何かあったの?」
外で待ってたルーティアがそう聞いてきた。
「ああ、ダンジョンマスターって事がバレてな、いろいろギルマスと話し合ってた」
「大丈夫?この都市には帝国のスパイがいるかもしれないから油断すると、弱みを握られるよ?」
確かに、でも・・・
「俺達、握られて困る弱みってあったけ?」
「・・・無いわね」
だよねー。
「ところで他の皆は?」
さっきから姿が見えないのだが?
「ああ、皆はあれを見に行ったわ」
「あれ?」
ルーティアが指差した方を見るとそこには
「何だ、あれ?」
石板があった。
「【聖魔封印盤】ね。あの中には悪魔と天使が封印されているの」
え、悪魔が封印されるのは分かるが、何で天使も?
「悪魔を封印するのには天使の力を永久に与えないといけないの。だから、一緒に封印されているの」
へぇ、そうなんだ。
『・・・助けて』
いきなり、声が聞こえた。
「え?」
近くにはルーティアしかいない。誰だ?
「どうしたの?」
ルーティアが不思議そうに聞いてきた。
「声が聞こえたんだ」
「声?聞こえないけど?」
俺にしか聞こえないのか。
『誰だ、俺に話しかけて来るのは?』
『助けて、誰か・・・』
『どこだ、どこにいる?』
『・・・石板の中』
え、悪魔と天使が封印されている、あの石板?じゃあ悪魔か、天使か。
「ちょっとコウヤ!?何を?」
「この石板をぶっ壊す!!」
だけど、ただの攻撃では壊れそうに無いので。
「出力0.01%【神魔解放】!!」
こうしないと、周りが大惨事になるしね。
「王!?」
「マスター!?」
「主!?」
皆、驚いているようだが、
「全員、離れろ!!」
皆にそう命令すると俺は、石板に殴りかかった。
―――ビキッ!!
そんな音がしたと思ったら亀裂が生まれ、音と共に広がり、そして。
―――バリーン!!
砕け散った。
そして光が溢れ、消えるとそこには
『感謝する。おかげで妾達は外に出れた』
そこには、黒いドレスを着た女の子がいた。
『しかし、助けてもらっておいて言うのも何なんだが、何故助けたんじゃ?普通、幻聴だと思うんじゃが?』
確かに普通ならそう思うかもしれないな。
『俺は困っている奴をほったらかしには出来ないんだよ』
自分の命をかけてでも助けるな。実際、それでこの世界に転生したし。
『なるほど。なら、安心して契約できる』
『え?』
契約?
『汝、名は?』
『え、コウヤ ミヤマだけど・・・』
その時、地面に魔方陣が出現した。
『【悪魔王】ディアの名において命ずる。コウヤを契約者とし、彼に一生仕えよう。誓いは、汝と共に生き、汝と共に死す。裂かれる事無き契約を今、ここに』
そして、俺と彼女『ディア』との間に赤い糸が繋がれた。糸は、すぐに見えなくなったけど。
「という訳で、これからよろしくの、お父様!!」
・・・・・・・・・・・ん?お父様?
・・・・・
「えーーーーーーーーー!?」
これが、黒リ(黒いロリ)悪魔っ娘のディアとの出会いだ。




