野球からサッカーへ!
お久しぶりですnatakuです。今回はスポーツものです!
ザッ、ザッザ…
「ついに来たな、伊庭」
「ああ、まさか、俺たち野球部員がサッカ-部に来ることになるとはな」
「元だけどな」
時は数十分前に遡る。
「「「「「「「「「え、えぇーーーーーー!!」」」」」」」」」
校長室に、俺たちの大きな声が響き渡った。
「静かにしたまえ」
教頭がそう言う。
「で、でも・・・」
そしていまだに信じられないことを言う。
「野球部、廃部になるんですか…?」
「そうだよ。君たちが一番よくわかっているのじゃないかね?」
校長がやさしく、しかし怒気を含んだ声音で聞いてくる。
「なぁ、心当たりあるか?」
隣にいる伊庭、に聞く。
「いや、まったく。うちは、問題を起こしてはいないはずだ。勉強も平均点程度ならみんな取れてるし、部室も汚くしていない。ましてや暴力沙汰なんて一つもな」
「そうっすよ。絶対に理由なんてないっす!」
1年の寅忍もそう言う。
「という理由で、心当たりはありません」
そういうと、校長は一枚の紙を見せてきた。
「これを見ても?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いえ、ありました・・・・・・」
「だよね」
校長が見せてきたのは、ここ3年の俺たちの戦績だった。47試合中0勝12引き分け35敗・・・。最後に、ホームランを打ったのはいつだろうか?引き分けたのはいつだろうか?
「ごめんなさい…」
「うん、だからこのまま野球部に部費を回して、勝てない試合をするよりも、サッカー同好会(部員数5名)を部に昇格させて、君たちに入ってもらったほうがいいと思うんだ」
「なぜサッカー部なんかに入らなければいけないんですかっ!」
エースの真堂が校長に食ってかかる。
「そうだべ、なんで俺たちが!」
「そうだ、そうだ!」
ほかのメンバーも真堂に続く。
「水卜君、みんなをおさえつけたまえ!」
教頭が言ってくるが無視をする。キャプテンの俺だって同じ気持ちだからだ。
「まあまあ、これは決定事項だから。ああ、サッカー部には、別に入らなくてもいいよ。そこは強制しないさ」
「じゃあ、俺は行きません」
真堂が断言した。
「お前はどうだ、水卜?」
「俺は、俺は一度行ってみる。そこで決めるよ」
「なら、俺も行こう」
「俺もです、キャプテン!」
「!!伊庭、氏家…。ありがとな!」
「そうかい。じゃあな、水卜」
そうして現在に戻る。
「失礼します」
サッカー部の扉を開ける。
「はい何の用でしょう?」
眼鏡をかけたやつがそう答えてきた。
「体験入部に来たんですけど…」
「!!九花さん、九花さん!」
そうリフティングしている女子に声をかける。
「なに、メタル?」
「体験入部希望者が3人も来たんですよ、3人も!」
「ホント?」
そういって近寄ってくる。
「私、九花咲弥。よろしくね!」
手を差し出してきたので、その手を握り返す。野球部とは違う柔らかい手だった。
「俺は、水卜保守。元野球部キャプテンだ」
「同じく元野球部の伊庭綾一」
「同じく元野球部1年の氏家一二三です。よろしくお願いいたします!」
「ああ、ぼくは海布樽葉鉦です。メタルと呼んでください」
「しかし野球部?何でここに?しかも元って?」
メタルが言う。
「実は、○×▽☆彡□☆△◇●◆◎で」
さっき起きたことを話す。
「ええ~!!野球部が廃部に?!それで君たち三人が来てくれたんだね。ありがと~!」
そういって九花が抱き着いて来ようとする。
「九花さん、せっかく部に昇格したのに不順異性交遊の疑いで廃部なんてことにしないでくださいね」
メタルがくぎを刺した。
「そ、そうだね。あ、ほかのみんなは、今日は用事があるから来れないってさ」
「そうですか。では、水卜くんたちには、サッカーの基礎を教えていきましょう!」
to be continued