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そんなこと初耳です


 朝食後テレビに夢中の真希子さんの代わりに汚れた食器やテーブルを片づけて、部屋に戻り一旦着替え――叩き起こされた上急かされたのでパーカーを羽織るくらいの時間しかなかった――洗濯機を回している間にと狒々の元へと向かった。


 爽やかな朝日が木々の隙間から差し込む倉庫の裏の空き地に昨日と同じ体勢で地面に横たわっている赤黒い毛の塊。


 逃げようと暴れたのか。


 ぐるぐると回されている荒縄が腕に食い込み毛が抜けて血が滲んでいた。

 漂ってきた生臭い臭いに一瞬顔を顰めて倉庫横から数歩入った所で足を止める。


「…………ナに、シニきた……」


 のそりと頭だけを浮かせてこちらを見る禍々しい色の瞳は苛立ちと痛みでギラギラと光っていた。


 まだまだやる気十分そうに見えるけどなんだか一回り程小さく見えるのは気のせいでしょうか?


 初めは窓の片側を覆うほど大きく見えたし、運ぶ時に大八さんが担いだ時も大きいなと感じたほどだったからきっと間違いじゃない。


 狒々は弱って小さくなっている。


 それは荒縄に結び付けられている白い紙の効果なのか、それとも千秋寺の清浄な空気に中てられてしまっているのか。


 私が知らない間に宗春さんに苛められたってことは……ないよね?


 いやいや。

 まさかね。


 あはは。


「えっと、なにか食べましたか?お腹、空いてませんか?」


 嫌な想像をぶんぶんっと頭を振って追い出してそう声をかけると妖は束の間固まった後でヒィヒィ言って笑い始める。

 バカにされているようなその耳障りな笑い方は何度聞いても気分が悪い。


「ちょっと」

「おまえ、バカだロ?」

「なぬっ!?」


 バカにされているんじゃなくてバカにされてた!


 悔しくて睨みつけると今度は体をゴロゴロと地面に転がしながらまたヒィヒィ笑う。

 その度に狒々を縛り上げている縄がギリギリと音を立てて食い込んでいくのを目の前で見て私は震えあがった。


「ちょっ!どっちがバカなの!?動いちゃだめ!」


 どうやら逃亡させないように少しでも動けば縄は自動的に拘束を強める仕様になっているみたいだ。

 ヒヒッ!ヒィー!と甲高い声を上げるけどそれは悲鳴じゃなくて、なにが楽しいのか笑い転げていて本当に気持ちが悪い。


「ヒャッヒャ、ヒィヒィ!やっぱ、バカだナ!自分ノしんぱいシロ!」


 弱ってはいても妖だからそう簡単に死にはしないんだろうし、これっぽっちの怪我なんてたいしたことじゃないのかもしれないけど。


 目の前で血を流して動くたびに縄が傷口を深く広げていく様子を見て平然としていられるほど私は強くない。

 正視できず視線を反らしたのをまた狒々が嗤う。


「ハラならズッと空いてルサぁ」


 だったらどうなんだと妖が低く呻くように体を蠢かせてほんの少しこっちへと近づいてくる気配がする。

 同時に焦げるような匂いがするからなんだろうとチラリと横目で窺えば、荒縄の隙間から黒い煙がゆっくりと立ち上っていた。


「――――っ!?」


 火は出ていないけど明らかに縄が触れている部分の毛が縮れて皮膚が赤く爛れたようになっている。

 甘いような焦げ臭いようななんともいえない臭気にさっき食べた朝食が胃の中で暴れてそれを押し留めるのにすごく苦労した。


「喰ワセテ、くれるノかぁ?」


 ――お前を。


 ニタリと嗤った唇は鼻まで捲り上がって、黄色い牙を剥き出しにしてカチカチといわせる。


「生キタままがイイ。臓物ヲ喰ライ、血ヲ啜って、指ヲしゃぶり、脳ミソ両手デ掻き出シテ」


 髪や爪ひとつ残さないように喰らってやる――と脅しながら狒々は地面を芋虫の様に這って来る。


 ますます臭いは激しく、黒煙も目が痛いくらいに吹き上がっていく。

 真っ赤な顔にダラダラと冷や汗が流れているから痛くないわけじゃないのに。


 狒々は嗤ったまま腕が動かないから長い舌を私の靴先に伸ばしてきた。


「阿呆!下がれ!」


 ぐいっと首の後ろを引かれて襟が締まり喉に食い込んできて思わず「ぐっ!?」という詰まった声が出た。


「下賤な獣に付け込まれおって!少し目を離せばこれだ!全く!これほどの阿呆見たことが無い!」

「く、くる……し……や、め」


 喧々と説教を続ける声がだんだんと遠くなっていき、さすがにやばいと思って襟に指先を捻じ込んで緩めようと足掻く。

 無意識に体が抵抗して前へと倒れたのを更に「阿呆!!」と罵られ勢いよく後ろへと薙ぎ倒された。


「いたた……ちょっと、けほっ……乱暴、すぎ!」

「お前喰われる気だったのか!」


 痛む右腕を地面に着いて咳き込みながら身を起こすと目を吊り上げた赤い小鬼が詰め寄ってきた。


「正気か!?」

「しょ、うき……も、うっ、げほっ……なにも!今、私を、殺しかけたのは、あんたでしょ!茜!」


 硬そうな茶色の髪から突き出た一本の角を指先で摘まんで揺さぶると「うぎっ!わ、悪かった」と顔色を失って謝罪する。

 三十センチくらいしかない茜の角は小指くらいの細さしかないから私でもちょっと力を加えれば折れそうだ。


 まあ、簡単に折れたりはしないんだろうけど。

 鬼の象徴ともいえる角を掴まれることはきっと屈辱的なはず。


 硬直しながら手を合わせて拝んでくるのでほどほどにして解放した。


「あー……もう。膝擦りむいちゃったし、服も汚れちゃったじゃない」


 お母さんが用意して宗明さんに持たせてくれたのは亜紗美さんからいただいた可愛いお洋服の中から選んでくれていて、私の感覚ではよそ行きのお洒落着みたいな感じなのでできれば汚したくなかったのに。


 紺色のちょっと細めのズボンは膝の所にじんわりと黒い染みをつけ、腿の外側には泥汚れがついている。

 襟元に赤や黄色のお花の刺繍がしてある白いトレーナーも同じく肩から肘――見えないけど背中の方――にかけてべったりと土や葉っぱがついていた。


「すまん」


 後ろに回った茜が背中を叩いて汚れを落とすのを手伝ってくれる。

 気を使っているのか小さな手は恐る恐ると言う感じに動いているのがまた可愛くて、しょうがないなと笑って許してしまう。


「甘イな!甘イ!結局絆サレ、許スのか!小鬼モ狙っテるトイウノニ!おまえノ血ヲ、おまえの力ヲ」

「黙れ!けだものめ!お前ほど飢えてもおらんし理性も捨ててはおらんわ!」


 目尻をキリキリと上げて茜は狒々へと向き直る。

 着物の袖を振るようにして手を上げた瞬間嫌な予感がして慌ててその腕を抑えた。


 途端にぎょっとした顔で茜が私を振り返る。


「だめ、茜。なにするつもりか分からないけど、この狒々には私の練習に付き合ってもらわないといけないから」

「つむ、ぎ!やめ、離せ!まずい!すぐに、」

「え?なに?離せって」


 手を?


 慌てて離した茜の腕に赤い血がついていて焦る。

 いつの間に怪我をしたのかともう一度手を伸ばして傷をよく見ようとしたのに。


「阿呆!お前のだ!」


 振り払われた挙句大きく後ろに下がったので確認はできなかった。

 だけど私のだと言われた血がついた場所が淡く光って茜の腕がびくんっと大きく跳ねる。


「ほら、見ロ」

「え!?なに!?どういうこと!?」

「おまえノ血、美味イ。抗エない」

「あか、茜!?大丈夫、なの!?」


 オロオロするしかない私を嘲笑うかのように狒々は「抗エない!」と叫び、茜は肩を掴んで舌打ちした。


「くっ、これしきの量で……強烈な!覚えておれよ!阿呆め!」

「なんでぇ!?」


 風と葉を巻き上げて茜は理不尽な捨て台詞を吐いて消えた。


 うう。

 なんでよ。

 私のせいなの?


 そろそろ洗濯機も止まっているだろうから一旦戻ろう。

 盛大に落ち込んだまま狒々に背を向けて寺務所への道を辿ると途中で宗春さんと行きあった。

 その肩辺りに浮いている露草の姿を見て「なんでここに」と今更なんだけど呟く。


「茜はどうした?うつけ」


 黒い髪をさらりと揺らして青い小鬼が首を傾げる。

 きっと茜のことだから宗春さんや露草を放って先に私の所まで来たんだろう。


 それなのに一緒にいないから不思議がっている。


「そんなの、私が聞きたいよ」


 むっとしながら返すと露草が鼻をスンッと言わせて匂いを嗅いだ。

 そして青い肌を更に青くした。


「覚えてろってなんか怒られた後、消えたんだけど」

「お前、血が」

「え?血?そいえば狒々も血がどうとか言って。それもさっき茜がいきなり後ろから引っ張って転んだからで――」

「見せて」

「え?え?宗春さん?」


 ぐいっと手を掴まれて掌を上向かせられた。

 そこで初めてそこに赤く滲んだ血と土で汚れた擦り傷があるのに気づく。


「これだ」

「これ?え?でも血が出てるっていうほどのことじゃ」


 すぐに離された手をしげしげと眺めてみるけどただのかすり傷だ。

 騒ぐほどのことでもないと思うんだけど。


「触った?あの赤い小鬼に」

「え?あ、はい。知らずに」

「はは。可哀想に」


 何故か茜に同情して宗春さんは露草の方へと視線を投げた。


「どうする?君も帰る?」

「……否。今ここで離れればまたなにが起こるか」

「紬のついてなさと警戒心の無さには疑問の余地も無いけど。ここをどこだと思ってるの?それに小鬼如きになにができる?」


 人間である宗春さんに妖である露草が“如き”扱いされているのはとっても違和感があるけど、箍が外れた妖と互角に戦えるだけの力を持っている宗春だからこそ言えることなんだろうとは思う。


 けど、妖にだってプライドはあるはずで。


 でも露草は真っ直ぐに宗春さんを見つめてそれでもここに残ると告げた。


「他に怪我は?」

「えっと……膝が」

「ふうん。じゃあ手水舎に行こう」


 くるりと回れ右をして宗春さんは参道へ出てその道を手水舎へと真っ直ぐ向かう。

 私も後に続きながら浮くのを止めた露草が隣を飛び跳ねるようにして進んでいたので「ねえ、血って美味しいの?」と聞いてみた。


「……欲しくて気が狂うくらいには」

「え!?それって相当ヤバくない?」


 そんなに美味しいとは知らなかった。

 もちろん妖限定の話なんだろうけど。


「ただ……一滴で何十年も欲さずに我慢できていた鉄の意思を曲げられるほどの血はそう無い。あの男や兄の血ならばそれほどの価値があるのだろうが」

「それって」


 どういうことなのかという質問には宗春さんがにっこり笑って答えてくれた。

 すでに手水舎に立って竹の柄杓を手に持っている。


「僕や兄さんが妖を滅する能力を持っているからだよ。力は血に宿り、巡ることで肉体にも影響を与える。つまり僕や兄さんを食べれば妖たちは更なる力を得られるってことだね」

「じゃあ二人も妖に狙われることもあるってこと!?」

「狙ってきても返り討ちにするけどね」


 まあそれだけの力があるのは百も承知だけど。


「……大丈夫なの?」

「誰に向かって言ってんの?紬は自分の心配だけしてればいいんだよ。ほら出して」

「え?あ、はい」


 黙って手を差し出すと掬った水をかけられた。

 冷たいだけではないピリッとした刺激が傷口から入ってきて頬を歪める。


「悪いけど、大八呼んで来てくれる」

「ぬ、何者だ?」

「あー……無駄にでかくて鬱陶しい火車の妖。タオル持って急いで来いと」

「中か?」

「多分ね」


 何故か露草に大八さんを呼んでくるように頼むと宗春さんはいきなりしゃがみ込んだ。


 私の足元に。


「え?え!?なんで、って、うわ!宗春さん、待って、自分で、自分でするから!」

「手濡れてるのに?」


 戸惑っている間にズボンの裾を宗春さんが丁寧に折り曲げていく。


 血が滲んでいる方なので多分傷口を洗い流すためにしているんだと思うんだけど!


 足を後ろに引いて逃げようとしたら足首を掴まれて最後は強引に引き上げられたから傷口が抉られ呻き声を我慢するのがやっとだった。


 いつも長いスカートの下に隠していた足が片方だけとはいえ晒されて恥ずかしいやら心細いやら。


「ああ……結構派手にやったね。赤い小鬼も迂闊なことをする。自業自得」

「そんなこと言わないで。狒々に近づきすぎた私を心配して後ろに下がらせようとしただけなんだから」

「ふうん。なら紬も自業自得だね」


 茜を庇ったら宗春さんに薄く笑われて同じ愚か者だと詰られた。

 悔しいけどその通りなので黙る。


「そこに座って靴と靴下脱いで」


 近くの岩を指差すのでおとなしくそこに腰かけて濡れていない左手で靴を脱いで靴下も引き抜いた。

 そうして改めて膝を見ると脛と膝の境目あたりがごっそりと皮が剥けて中の白とピンクの肉から赤黒い血がジクジクと染み出している。


 それほど痛くなかったはずなのに、傷の大きさを確認してしまったらもう駄目だった。


「水は留まれば濁り穢れていく。だからこそ清き水を保つには常に流れていなくてはいけない。その流れを滞らせてはいけない」


 その傷に柄杓で汲んだ水がゆっくりと垂らされて私は痺れたような痛みを堪える為に奥歯を噛みしめる。


「癒しを与え、穢れを祓い、深く浅く流れゆくままに」


 澄んだ水が血と混じり脛を流れて足首から落ちて地面に吸い込まれていく。

 空になった柄杓にもう一度水を汲んで宗春さんが傷口の上から注ぎ、ズボンのポケットからなにやら薄い紙の束を取り出す。


 なんだろう?


 習字の時に使う半紙のような紙を一枚無造作に破り取り、傷口を覆えるほどの大きさに更に千切ってからぺたりと貼られた。

 水気を吸ってじわじわと色を変えながら紙が肌に張り付いていくのをじっと見ていると中心になんだか見たこと無いような模様が浮かんでくる。


 じわりと温かくなり痛みも消えた。


「へ?なにこれすごい不思議」

「水の力を使った簡易的治癒術の一種。その程度ならここの水を使えば癒える。手も止まってるはず」


 慌てて手のひらを開いてみると血は止まっていたし擦り傷もほんのり赤みが残るだけで消えていた。


 ただ水をかけただけなのに!

 すごい。


「今はまだ浄化の力があるけど、ここもいつまでもつか。見ものだね」


 まるで近い将来その力が無くなることを知っているような言い方に私は途端に不安になる。


 天音さまの守護の力は千秋寺を変わらず包んでいるし、清浄な空気も穏やかな時間も永遠に続きそうなのに。


 私は宗春さんの言葉がいつか現実になる可能性があることを否定できなかった。

 ただ他人事のように宗春さんが言うことがとても怖くて。


 悲しかった。


「宗春、紬が怪我したって!?」


 白いタオルを手に縁側からぴょんっと飛び降りて走ってきた大八さんに「大げさだな」と顔を顰める宗春さん。


 でも急いで来いって言ったの宗春さんなのに。


「大丈夫か!?」

「あ、はい。宗春さんが手当てしてくれましたから」

「ああ――!クソっ」

「怪我って言っても転んで擦りむいただけなので」


 だから悔しそうに顔を歪めて頭をガシガシと掻いている大八さんに気にしないでと声をかけたんだけど逆にじろりと睨まれた。


「そんな良い匂いして、そんな美味そうな血を持ってんだ。自覚しろ」

「う……すみません」


 匂いも血も私がどうこうできるものじゃないんだけどなぁ。

 それに天音さまが蓋をしてくれたので今は匂ってないはずだし。


 それでも苛々と差し出されたタオルを受け取って濡れた足を拭きながら一応謝っておく。

 いつもにこにこ笑顔がデフォルトの大八さんが不機嫌だとやっぱりなんか怖い。


 朝会った柘植さんも怖かったけど、体が大きい人ってそれだけで威圧感あるからなぁ。

 できれば笑っていて欲しいんだけど。


「でもこれくらいの怪我は日常茶飯事だし」


 どちらかというとドジなので、なにも無い所で転んだり、カッターを使えば指先を切ったり、髭を切られた猫みたいに自分の身体の幅も分からずに最短距離を曲がろうとしてぶつかって痣を作ったりと小さな怪我なら事欠かない。


 それすらダメだと言われたら神経すり減らしてダウンしちゃいそうだ。


「これからは少しの傷でも気を付けた方が良い。血の匂いに雑魚共が押し寄せてくれば紬ではどうもできんだろ?」

「えっと、宗明さんのお札やお守りがあっても……?」

「キリが無いぞ?雑魚は力が弱くとも数だけは多い。一滴でも得られれば妖力が格段に上がるのなら形振り構わん」


 ええぇ……なにそれ。


 有象無象のなんかわけのわかんないようなものにわちゃわちゃと群がられるのを想像してみて眩暈がした。


「でも宗明さんや宗春さんの血ならまだしも、私は普通の」


 人間なのに。


「空け。幾ら縁あるとはいえ茜の魔性が引きずり出されるほどの影響を与えた血だ。お前は最早只人に非ず」


 心せよと通達されても納得いかない。


「いや、無理だよ」


 気をつけても怪我する時はするし、えっと一応私も女だからね。

 身体のリズムに応じて出るものは出るわけで。


 その度に妖からの強烈なアプローチを受けるんだとしたらそれこそストレスでどうにかなっちゃうんですけど。


 想像するだけで恐ろしくて青くなった私を宗春さんはにこりと微笑んで「欲しい奴にはくれてやればいい」と事もなげに言う。


 いつものことながら他人事だ。

 軽い、軽すぎる。


「そういう問題も含めて天音が動いているんだろうから今は自分ができることをやるしかないんじゃないの」


 呆れたようなお言葉に全く以てその通りですと頷いて。

 結局天音さまの尽力に期待して縋るしかないんだと諦めた。


 でもちょっと待って。


「自分の所でお祀りしているお方を呼び捨てって不敬じゃないんですか?」


 一応文句のひとつでもと思ったけど鼻で笑われた。


 悔しい。


そりゃいきなりお前の血は危険だからといわれても困ります。

霊力が上がれば上がるほど血を狙われる危険も上がるのですが……どんどん普通の人の暮らしができなくなって大丈夫なのか小宮山さん。


そして茜は紬の血に触れて己の中の魔性を抑えるのでいっぱいいっぱいで逃げ帰りましたが宗春の言うとおり自業自得です。


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